ケンのブログ

日々の雑感や日記

名古屋フィルの演奏会を聴きに行く。

2023年03月16日 | 日記
3月11日は名古屋フィルの第510回定期演奏会を聴きに行った。

指揮は大井剛史さん

最初に演奏されたのが ヒグドンのブルーカテドラル

1999年作曲とプログラムの楽曲解説に書いてあり 初めて聴く曲。

プログラムの楽曲解説に「曲は (中略) 輝かしい打楽器と柔らかな低弦のハーモニーで始まる。そしフルートとクラリネットがやさしく歌いあっていく」と書いてある箇所がある。

そこでフルートが出てきたときに なんとなく ラヴェルのダフニスとクロエに出てくる 夜明けのようだ と思った。

後半は 曲が 力強くなって盛り上がっていくけれど そこを聴いていて 心の中で ホルストの惑星 特に火星を 心に思い浮かべていた。

次にシューマンの序奏と協奏的アレグロ作品134が演奏された。

ピアノはフィリッポ ゴリーニさん。

過去にどこかで聞いたことがあるかもしれないけれど 記憶に残ってないので 実質初めて聴く曲。

何度となく 出てくる 特徴的な モチーフを聴いて 「おい! 山田耕作先生の 赤とんぼやんか」と思った。

まあ こういう類似は 音楽の中には いくらでもあるけれど やはり 類似点を発見するというのは 楽しいものだなあとは思う。

家に帰ってきて ユーチューブを検索してみたら やはり 赤とんぼに そっくり ということで 動画をアップロードしている方がいた。

まあ そうだろうな と思った。

オーケストラが 堂々と鳴る場面では なんとなく 心の中で シューマンの交響曲第4番を思い浮かべていた。

最近 いろいろ 過去に聴いた 音楽を思い浮かべるクセに なってしまったな と思う。

次に 世界初演と言うことで 坂井健治さんのピアノ協奏曲キューブ が演奏された。

コンサートを聴いた当日に 書いていたら もっと 記憶が残っていたと思うけれど 5日も経過してしまったので 記憶が おぼろになってしまった。

ただ 楽しい曲だったことは 覚えている。

あちらで あの楽器が鳴り こんどは こちらで この楽器か とあちこち 見ているうちに曲が終わったという感じだった。

曲の途中から ピアノの譜面をめくる役の方に視線が行ってしまった。

初演の曲だから 譜めくりが必要なことは なんとなくわかる。

僕は上の方の席だから こまかいところまでは見えないけれど 譜面の右上の角から 巧みに譜面をめくっておられた。

関西のあるピアノの先生が 自分が演奏するときは とくにメガネをおかけにならないのに 他者の譜をめくるときは メガネをかけられることが多いので そのことを 尋ねたら 「ある意味 自分が演奏するよりも 人の譜をめくる方が緊張する」というようなことをおっしゃっていたことを思い出した。

演奏が終わって ステージのみんなも 初演成功という感じて祝典的に拍手をしているときも 譜をめくるかたは じっと不動の姿勢でおられたので ああ これは 歌舞伎の黒子の役とも似ているかも とそんなことを心の中でぼんやり考えていた。

もちろん 一度 ステージから引っ込むと カーテンコールでまた出てこられるということもなかったし、、、。

それから ピアノの アンコールがあった。

フィリッポ ゴリーニさんの発音が よすぎて ブラームス しか 聞き取れなかったけれど なんしか ブラームスのピアノ曲を演奏してくださった。

音が 先に先に流れていくような感じに僕には聴こえた。

僕自身 割と ひとつ ひとつの 音に ひっかかりのあるタイプの演奏が好きな傾向にあるので 少なくとも僕の好みとは ちょっと 違うな と思った。

20分の休憩をはさんで次に演奏されたのが 
アーノルドの 交響曲第5番作品74

休憩時間に 席に座っていると ピアノの高音のような音がステージから聞こえてきた。

「あ ピアノか?」と思ってステージを見ると 男性の奏者の方が ハープを鳴らしておられた。

「あっ ハープとピアノって意外と似てる」と思った。

今まで ハープは どこか 乙女チックな楽器と思っていたけれど そうではなくて 結構ハードな楽器 とその時思った。

ハープのための協奏曲とか そういうタイプの曲とはちがって あくまで 交響曲の中で使用されるハープ 

なので 交響曲の中の 構成要素としての役割をハープはこの場合 担っているわけで なんというか やはり チャイコフスキーのバレー音楽とか モーツァルトの ハープとフルートのための協奏曲とか 僕が これまで知っている曲よりは ずっと ピアノに近いような この楽器の ハードな側面を見る思いでとても勉強になった。

それで 肝心の アーノルドの 曲はどうだったかというと これも あちこち 楽器を見ていて あまり 覚えていない ということになってしまう。

しいていえば 第二楽章で 弦だけなっていて 管楽器の奏者が まったく音を出さずに じっとしている様子が 印象的だったなと思う。

プログラムの楽曲解説には たぶん そのようなことをふまえてと思うけれど マーラーの5番のアダージェットとの近親性が指摘してあった。

今年度の最後にこうして定期演奏会が聴けて よかったな と思う。


↓シューマンの序奏と協奏的アレグロと山田耕作の「赤とんぼ」の類似性を指摘した動画です。

そういえば 赤とんぼの旋律がとても美しいと感じ 涙を流したのは イムジチ合奏団が来日した時に アンコールで演奏してくれた時だったなと思い出す。

きっと 赤とんぼのメロディが 西洋音楽と 日本人の感性の両方にマッチするからだと思う。

そういう曲を作る山田耕作もやっぱりすごいな とこういう機会に気づかせてもらえるのはありがたいことと思う。