ようこそ、卯月です。
精神病院に閉じ込められる夢を見て、目が覚めた。
私はどこもおかしくないと言ってるのに誰もわかってくれず、何だかわかんない注射をいっぱい打たれて、意識がどろどろになっていく、妙にリアルな夢だった。
一人、わかってくれるナースがいたんだけど、病院から追放されてしまった。もちろんその病院のドクターは、現実世界の私の主治医の先生ではなかった。私は狂っていない、と言えば言うほど、狂人扱いされて、外界と遮断されていくのだった。
怖かった。
カウンセリングに行って、夢の話をした。毎朝6時台に目が覚めるという話もした。寝る前の安定剤を増やしてくれることになった。
「みんな私のことなんか嫌いだよ」と言ったら、「そんなことありませんよ。みんなあなたのことが大好きですよ。そう思えたらいいね」と言ってくれた。「苦しい中、健気にがんばっていますね」とも。
健気。
私の好きな表現の一つだ。でも、私のイメージとは遠い気がする。
バスの中から見える桜並木が美しく見事で、リュックに入れていったピングーのぬいぐるみを出して桜の花を見せてあげた。
もう何年も前、R子さんに誘われてクリニックからバスに乗らずに桜の下を歩いて駅まで帰ったのを思い出した。
バスからその道が見えて、ふとR子さんと私の歩く姿が見えるような気がした。R子さんの笑顔が心によみがえった。
切なかった。
帰って娘の大好きなお雑煮を作って食べて、安定剤を飲んだ。
眠ろう。
現実こそが悪夢だ。
これが夢であったなら。現実には何も起こっていないのだとしたらどんなにいいだろう。