人と自分の距離をとれるようになること。自分とごっちゃに考えないこと。
それが私の課題のひとつだった。
自分は自分。
自分のことすら全部はわからないのだから、その自分の目を通して、人のことなどわかるはずがない。
少しの情報から、想像するしかないことを、「理解」と呼んではいけない。
自分にそう言い聞かせてきた。
人をわかりたいと思う。
わかろうとする気持ちを、持ち続けたいと思う。
でもきっと、わかることはできないよね。
私は謙虚な気持ちを、つい忘れてしまう。
何もかもを投げ打って(ちょっと大袈裟)、助けになりたいと思ってしまう。
そんなに立派な人間でもないのに。
私の知る世界はとても狭いし、別に人生経験が豊富なわけでもない。
何ができるわけでもない。
つらい思いをしている友達がいる。
苦しくて、何かしてあげたいって、強く思った。
でも、驕ってはいけない。
彼女は私よりずっと強いかもしれない。
私よりずっと、がんばりやさんだし、自分で、あるいはご家族や身近なかたに支えられて、乗り切っていける力のある人だって、そんなふうにも思う。
どうか彼女が今より悲しい思いをしないですみますように。
平穏で幸せな暮らしが、早く戻りますように。
それでも泣きたくなったとき、もしもぶつける相手が見つからなかったら、受け止めきれないかもしれないけど、非力だけど、私はここにいるよ。
すぐ近くだと迷惑かもしれないから、少し離れているように気をつける。
でも、呼んでくれたら、声の届くところに、きっといるから。
人にはそれぞれの悲しみがあって、私が知ることのできるのは私の悲しみしかない。
ただ、私でない人の悲しみに、思いをはせる、そうして、ここにい続ける、そんなふうにあれたらと思う。
生きるって苦しいな。