すずめ休憩室

日々のこと、好きなこと、飼っていたペットのことなどなど・・・。
気の向くままにつづってみました。

「深夜食堂」 他

2008年02月07日 | 漫画・本
「深夜食堂」 安倍夜郎 小学館

営業時間は深夜12時から翌朝7時まで。店の店主は顔に古傷のあるちょいと厳しい中年男。店に掲げるメニューも豚汁定食と、ビール、酒、焼酎のみ。あとは好きなものを言ってみて、店主が作れれば、出て来るという感じ。こんな店に人が来るのかと思いきや、結構色んな人が来る。そしてその食べ物にまつわる色んなドラマも・・・・

4コマ漫画に出てくるようなデフォルメされたキャラと誰もが一度は食べたことのある料理が相まっていい味を出している作品ですね。取り上げている料理もタコさんに切った赤いウインナー炒めだったり、一晩置いた昨日のカレーだったり・・・なんか昭和の頃の懐かしい雰囲気が立ち込める庶民食堂という感じで。
一見、強面の店主がリクエストされた料理を差し出ながら、訪れる客を温かい目で見ている感じがしてととてもいいです。

食べ物漫画って多いんでしょうか?
一時はグルメ漫画が一世を風靡しましたが、B級というか、ありふれた食べ物を題材にした漫画って多くなりましたよね。


「深夜食堂」が訪れる客たちを見つめる店主からの目線だとすると、完全に客側からの目線なのが、
 「孤独のグルメ」谷口ジロー

こちらも一話完結式なんですが、毎回、腹を空かせた主人公の男が目に入った店屋に入り、頼んだ料理を「ウマいウマい」と食べるというもの。
ただひたすらに「食べる」事、そしてちょっと主人公の呟きがハードボイルドぽいところが、男性ウケしそうな作品です

出てくるお店が殆ど何故か東京近郊なので、お近くこの人だったら、実在する店なのか気になってしまうのでは??それにしても食べる量を考えると、何故太らないか不思議ですけど(笑)


一方女性向けなのがこちら
  「月夜見亭の主人」青柳たくみ

食べることをおなざりにしていた美大生・若水(おちみず)は或る日、古い民家を改造したカフェ「月夜見亭」の主人に呼び止められて、親子丼を食べさせてもらう。きちんとした食には「美味しさ」という幸せがあるという事を再認識した若水はここ月夜見亭に通うこととなり・・・・

食べることを題材にした女性向きの漫画といえば、よしながふみさんの作品の数々を思い浮かべますが、一瞬、二番煎じか?!と思ったけど、読んでみたらちょっと違いましたね~

よしながさんのは身近にある食材でも美味しいモノは作れ、それが人にどれだけの幸せをもたらすかみたいなモノにコンセプトをおいているとしたら、こちら「月夜見亭」はお料理そのものにスポットをあて、日々何の気なしに食べられている料理に手間とどれほどの思いが込められているかという事を表現しているというか。

月夜見亭のマスターが長髪なのが少々ナンだけど(基本的に男性料理人の髪が長いのは好きではないの)季節ごとに作られる主役の料理の美味しそうな絵もさることながら、人が作り上げる料理というものの大切さ、手作りならではの穏やかで優しい空気みたいなものが伝わってきます。
一話ごとに題材となった料理のレシピが載っているのも嬉しい。
が、意外と作るのが面倒くさそうだ(爆)

やっぱり食べることって幸せの何者でもないのね

でもどうせなら誰かが愛情をこめて作ってくれるお料理が良いわ~なんて思ってしまった3作品でした