すずめ休憩室

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エリザベスゴールデンエイジ

2008年02月19日 | アルカサル-王城-(歴史関係)
時は1585年、幾多の苦難の末、イギリスの女王となったエリザベスはプロテスタントの処女王として国を治めていた。独身のエリザベスに対し、求婚とは名ばかりにさまざまな思惑を持った各国がイギリスを狙う。最大の敵はヨーロッパ全土をカトリックの国にしようしているかつての義兄・スペインのフェリペ2世・・・そんな中、自らを売り込もうと1人の男がエリザベスのいる宮廷を訪れる。海賊にして探険家ウォルター・ローリーその人だった・・・


自ブログのコメント欄でひっそりと話題にしているエリザベス:ゴールデン・エイジ を見てきました~

前作「エリザベス」から10年・・・イギリスでは「女王の時代にイギリスは栄える」といわれる言葉にもなってますがエリザベス1世の統治世(黄金時代=ゴールデンエイジ)を舞台にした作品です。

ん~なんか見てて豪華さと迫力に押されつつ、個人的には少し悲しかったな・・・
私はどうしても「女性の立場」から見てしまうからなんでしょうけど、「独身の女王」というメリットを国益の為に最大限利用しつつも、自分自身の「女しての幸せ」に関しては放棄しているというか、いや正確には放棄しようと思っていつつもそれを捨て切れなくて苦しんでいるトコロが・・・。
何にしても頂点に立つ人と言うのは色んな決断に際して凄い孤独感に襲われると思うんですが(それを乗り越えられる人だけが頂点に立てれるのかもしれないけど)そういうのがヒシヒシと感じました

ウォルターに恋心を持ちつつ、理性ではそれを押さえ侍女のベスに「なりたかった自分」を投影させて満足しようとしていても、実際に「なりたかった自分」はけして「自分ではなりえない」と判ってしまった時に見せた感情の爆発・・・そんなトコロとかね
個人的には「行っちゃえ!!行っちゃえ!!GoGo!!」とか「そこで抱きついちゃえ~!」と思いながら見てたんだけど(爆)ほんとなんでそこまで我慢するの?と思ったくらい

史実のエリザベスは公然の愛人がいたりと必ずしもそうでは無いと言われていますが、この映画では国を第一に考えそれらの色んな感情や障害を乗り越えての彼女を描き、それがあの神々しいまでのラストの姿に通じているんだなーと

主演のケイト・ブランシェットは前作からのこの10年で2児の母となられたそうなんですが、実生活で母となったことでの演技の深みというか、ラストのあの表情に自分がすべての国民の母である事を悟ったエリザベスと実際に母となっている彼女が重なり、母親となった人が持つ慈愛みたいのも感じましたね


それにしても、てっきりウォルターってエリザベスの愛人と言われているロバート・ダドリーと海賊でありながら爵位を授与されたドレイクを合わせた架空のキャラかと思っていたらウォルター・ローリーって実在の人物なんですね~
そして侍女のベス(エリザベス・スロックモートン )やメアリの監視役のアミアス・ポーレット実在の人物なんですね~ビックリでした

歴史モノは好きなんですが、それほど賢くない私、今回拙宅の常連さんでもあるKE007さんやB型さんにこの時代やこの映画の色々なお話をお聞きしてから見たのでとっても楽しく拝見できました。

桐生操さんの本だったかな?エリザベスが自分の臣下や侍女の結婚に煩く、結婚前に妊娠しようものなら物凄い怒ったと書かれていた記憶があるんですが、そういう事とか(ウォルターとベスの関係が判明したシーン)、B型さんやKE007さんの教えてもらった「赤には殉教の意味がある」とか(メアリ女王の処刑のシーン)、「歴史映画の衣装の史実性が実は60%程度」だとか、「当時イギリスでは赤毛が流行って、化粧も鉛おしろいを使い、眉を抜いていた」こととか(劇中でもエリザベスのチリチリ赤毛はカツラの使用という設定でした)、また敵国のフェリペ2世が王子ではなくイザベル王女を連れているシーンが多々あるんですがwikiによると王子より彼女の方を溺愛していたという話も載っていたりして、そんなのが映画を見ながらフムフムと検証できて面白かったです

私自身、前作「エリザベス」を見ていないので見ていればもっと楽しめたのにな~と思いますが、エリザベス1世と言う歴史的偉人とその時代背景を題材にしつつ、愛や女としての葛藤なんかも書かれていて歴史好きの人にもそうでない人にも楽しめる仕上がりとなっていると思います


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