今日のお風呂でのことです。職場用語で、「寝浴」と呼ばれている患者さんのために、看護婦さんと見習い看護士さんが来て、かいがいしく働いておられた。寝たきりの患者さんはどうしても、両足からお尻や背中にかけて褥瘡(ジョクソウ)ができています。入浴前にそのジョクソウの包帯の交換や薬の塗布が必要でである。更にお風呂から上がるときも消毒やら絆創膏の張替えなど褥瘡の手当てが求められる。寝浴の患者さんを囲んでケアーさんや、看護婦さんが甲斐甲斐しく働いておられる中で、前出の二十歳前後の男性見習いさんが呆然と立ち尽くしておられた。遠くから見るとその男性は監督さんかと思われる風景であった。そんな中で、オソマツ君の順番が来て中年のケアーさんがきて、衣服を脱がせにかかられた。以下Oはおそまつくん。Cは中年の女性ケアーさんである。
O「さっきからあの若い男の人を観察しているけれど、全く間に合わない人ですねえ~。逆に皆さんの邪魔になってるんじゃないの?」
C「本当に!力がいるときでも、せめて、僕が……、と云って、一番重いところをもてばいいのにねえ。全然その気が無くて、軽い端っこをもったままなんだから。もう、つける薬がないのは、あのこのことよ。オーさんはよく見てるわね~。」
O「でも、僕は思うんだけど、あの子は決して悪い子じゃないと思うよ。ただ気が付かないだけだと思うよ。子どもの頃どんな小さな仕事でも言いつけられて、全責任を請って何かの仕事を完成させた経験がない子だと思うんだ。何か手伝おうと思ってちゃんと、皆さんのそばにいるんだから。」
↑ 暮れ泥む(なずむ)6月の田園風景
C「そういえば、うちの子供もあの子の様なもんですよ。何もやらせなかったから。いい話を聞いた。今日からうちの子どもにもいろいろやらせよーっと。」
とまあ、こんなことで、オソマツ君は急に褒められ感謝されてしまいました。現在小学校で、清掃や除草など作業を伴う労働体験をどのように教えているか分かりませんが、多分おざなりになっているように思われます。何故ならアメリカでは作業体験を学校でさせません。それは、奴隷のする仕事だから。どうして、学校でそんなことをさせるのかと親が反対するからです。ですから、アメリカの学校では、日曜日に、ビルの清掃会社のような業者が大勢の作業員の乗せたトラックが来て作業員が机を片付けると大きな電動吸引式掃除機を取り出し床を擦りながらゴミを吸引して、最後に、ワックスをかけて引き上げていきます。費用は勿論地方教育委員会が払います。庭の草取りや芝刈りなどの作業体験は各家庭の仕事と考えられていて主に父親の担当です。アメリカかぶれの文科省や文化省お抱え学者も同じことを考えている可能性があります。近頃流行のアクティブラーニングとかも、アメリカ譲りの匂いがします。
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