鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第5171回】 日産の苦戦の原因は他人事ではない

2025年02月25日 | 住宅コンサルタントとして
日産とホンダの経営統合が破断となり、
特に日産が経営的に苦しいと言われていますが、
その理由を分かりやすく説明してくれている、
PIVOTの動画があり、先日見ておりました。

とても分かりやすく、非常に勉強になりました。

実際、日産の苦戦の最大の要因は、
世界での販売台数の低下です。

どれくらい、販売台数が下がっているのかというと、
ピークが577万台なのに対し、
直近は340万台しかうれていないのです。

わずか6年で41.1%も販売台数が落ちてしまった。

ところが、売上台数の落ち込みに対し、
売上高はそれほど落ちていなく、
決算内容もそこまで悪化していないのです。

その理由は、お分かりですね。

急激な円安による恩恵があったおかげで、
売上は販売台数ほど下落しなかった、
ということなのです。

ではなぜ日産の車は売れなくなったのか?

一言で言えば、ゴーンの時代から
ヒット車を生むことが出来ていなかった、
と言えるかもしれません。

更にハイブリッドではトヨタに歯が立たないので、
電動化に舵を切ったのですが、
それが現時点では裏目に出てしまっている、
ということかもしれません。

私が見たこの動画で最も印象に残っているのは、

「自動車メーカーの今の業績は、
10~20年前に打った戦略が反映している。
ということは、今、日産が何か手を打ったとしても、
その回収が10~20年後になる訳で、
そこまで会社が持つか?」

ということでした。

この内容は、経営者が絶対に
おさえておかなくてはならないポイントで、
業種によりますが、今手を打ったことが
キャッシュに変わるのは数年後~数十年後、
ということです。

車などの場合、各国の政策を予想し、
各国の基準をクリアする製品を企画する。

そして試作品をつくり、
そこで基準をクリアするまで実験を繰り返し、
基準をクリアする。

もちろん、製造ラインをつくったり、
その新たな企画で部品のサプライチェーンを構築したりと
新技術が搭載された新商品を開発してから
販売するまでに、10年以上の年月が必要かと思います。

だから、今が苦しいというよりも、
これから手を打ったとして、
それがヒットしたとしても回収するのに
かなりの年月がかかることが苦しいのでしょう。

今、順調だからといって、
「これでいいのだ」(←バカボンパパ風)と
手を打たなくなると、
そのツケは、数年後に己に返ってくるのです。

順調な時でも油断せず、常に未来に対して手を打ちたいですね。
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