Team埼玉 ブログ

自閉症教育と授業改善についての学習会

ユマニチュード

2014年11月07日 21時43分57秒 | 日記

 本日の夕練で取り上げたテーマです。

 ユマニチュードは、フランスで考案された認知症介護の新しい手法です。TBSの報道特集で取り上げられていたのをたまたま見ていて、特別支援教育にも通じる内容だったので、今回、参加された先生方と一緒に考えたいと思ってテーマとして取り上げました。youtubeでも検索すれば見ることができます。「ユマニチュード」を日本語にすると「人間らしく接する」という意味になります。考案者の一人、イブ・ジネストさん曰く、「見ること・触れること・話しかけること」この3つの要素を中心に、人と人が対等に、感情を基盤として通じ合うこと、そのことによって、認知症を患っている方々の「人としての尊厳の回復」を促し、一個の人間として社会へアクセスし、社会参加するように援助していく方法であるということでした。映像を見ると、本当に魔法にでもかかったかのように、患者さんの変化の様子を目の当たりにすることができました。管理する側される側ではなく、上から目線ではなく、人として尊重し合い、人として感情交流し合い、お互いが気持ちのいい付き合いができるということ、特別支援教育においても、教員と児童生徒との信頼関係形成に通じるなぁと思いました。NHKのクローズアップ現代でも取り上げられています。

 自分が将来、認知症になった時、このユマニチュードがごく当たり前の手立てとなっていることを望むばかりです。

 追記:第14回チーム埼玉学習会まで、あと一カ月となりました。多くの先生方の参加をお待ちしております。150名までは入れる会場です。参加費は200円です。

 そして次回15回は浦和会場決定です。定員132名の部屋です。期日は2月7日(土)です。まだ不確実ですが高等部特集を企画しています。埼玉県としては、平成28年度を目途に、高等部の教育課程の複数化を検討しているそうです(28年4月1日から施行される「障害による差別禁止法」における合理的配慮の問題が大きく関与しているのであろうと思われます)。東京都などが行っている類型化ではなく、埼玉県独自の複数化です。本日、ユマニチュードの後、この話題についても触れ、19時まで延長して意見交換をしてしまいました…。デュアルシステムも含め職業訓練校のような高校生活でよいのか、それとも高校時代にしか学べない教科学習、体育祭や文化祭、生徒会などの自治活動、クラブ活動などなど、かけがいのない青春を重要視した3年間もあるのではないか、知的障害教育の目指す自立と社会参加のための教育とは何か、その質なのか量なのか等々話し合いました。また、国の財政のことも含め、日本は18歳までの教育であるということと(健常にはモラトリアムとかもあって社会に出るまで25,6まであったりするけど)、複数化といってもそもそも、特別支援学校が大規模化してきており、複数の教育課程があっても、その授業を行う教室がない、教員の体制が組めないのではないかということまで話が及びました。少子化で本邦における全児童生徒数が毎年10~15万人減少している中、特別支援教育在籍者数は2~3万人増加している現状において、一人一人のニーズに応じた教育が実現できるのか、教育現場の生の声を挙げながら、血のにじむような努力をしていかなければならい現状だなぁ、というのが本日の夕練の結論でした。

 どう思われますか?

 畠山