長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

ワイルドなアーティストたち

2007-02-17 10:04:48 | Weblog
長屋プロジェクトもだいぶ完成が近づいてきた。
みかん君の入れる珈琲もプロっぽくなってきたし、
林君のいれるモカも顔に似合わず繊細で、後味がいい。

彼は、メキシコ、コロンビア、がテマラ、など珈琲の産地でアート活動をやってきた。日本に帰ってくると、山で山菜や茸をとってきたり、海にもぐって、タコなどを
とってくる名人だ。「またぎ刀」もいつも持参している。

長屋の現場にも、その便利な刀がある。ので、昨日は友達の鉄砲打ちの山口さんからおくられてきた、猪と鹿肉を差し入れした。
たぶん、夕食は、それらがカウンターに並び、酒盛りになったのではなかろうか?

「野生カフェ アボリ」・・・彼がカフェをやるんだったら、そんなお店ができそうだ。昨年彼がいとめた久里浜のタコは美味しかった。

どんな看板ができるかな?

2007-02-16 09:31:09 | Weblog
昨日は、書家の貞本さんが天真庵にきてくれた。
彼は中国に4年留学して、書の修行をした。

IT会社の社長でもあり、ぼくが主催する「ネット21」のメンバーでもある。

2階の雨戸の中で長い間眠っていた雨戸を、一度ぜんぶばらして、額縁にし、そこに
「天真庵」と書いてもらう予定。

ギャラリーを長くやってきたので、いろいろな書も見てきたけど、彼の書は、作為
がなく、力があまり入っていないのがいい。
看板に力が入りすぎると、近頃の「めだたたなくては」みたいなものになり、街の景観なども崩れるので、ひょこひょこっと書いてもらいたい。

「喫茶去」とでも書いてもらおうかな?

長崎から友の来るあり、また嬉しからずや

2007-02-15 08:52:28 | Weblog
昨日のタイムドメインは、九州から友達が2人もきた。
「友の遠方よりきたるあり、また嬉しからずや・・」である。
女性たちからは、チョコレートも届いた。
天真庵の現場の3人も、みんなナイスガイたちなので、朝からチョコレートを
食べていた。けっこう、けっこう・・・な1日。

土曜日は対馬から友達がくる。「すすだらけの中で珈琲が飲みたい」とのこと。

日本で最初に珈琲を飲んだのは、鎖国時代の長崎の平戸の女郎たち、というのが定説。わが国では昔から、新しい時代を切り開くのは、アマテラス、卑弥呼、・・・
みな女性だ。

このカップは、長崎出身の「升たか」さんの作品。絵や色使いが、異国情緒たっぷり・・・・アトリエは、押上の長屋。
毎日のように、完成途上にある現場を、たずねてくれる。
久保さんのカップが9割、一割は、この升さんのコーヒーカップで、だそうと
思っている。

今月の「婦人画法」に彼の帯留めが紹介されている。たぶん、日本で一番絵付けのうまい陶芸家。

久保忠廣さんの白い恋人たち・・

2007-02-14 06:42:11 | Weblog
今回の長屋茶房で使う器の9割は久保さんの作品。
もうギャラリーを始めたころからの付き合いなので、かれこれ12年くらいになる。
彼の器は全国の有名な料亭や、老舗旅館などに、よく使われている。
ちょっとセレブな婦人雑誌や、一流の料理屋が特集される雑誌などがでると、必ず
その中に発見することができる。

黄瀬戸とか織部、志野など、日本の伝統的な「桃山陶」が中心で作陶をしておられるけど、この「白い恋人たち?シリーズ」も、いい。
最近どこのお店にいっても、「晴れも曇りも、嵐もない」ような無味乾燥な白が多いけど、彼の作品には「そそられる」ものがある。

それは、土の肌触りとか、口につけたときの感触とか、いろいろな要素があるけど、結局はそれらに「人間味」を加えた「総合力」だと思う。

今日はバレンタインデー。チョコレートをもらったり、マシュマロをお返ししたり
するのもいいけど、お部屋の中の「器」というのも、すごく大事なものだと思う。
これも、「恋」を演出するひとつの道具でもある。

今日はここの天真庵での最後の「テイムドメインの試聴会」。

止まり木・・・ってホッとしますね!

2007-02-13 10:46:01 | Weblog
解体現場から譲りうけたカウンターが蘇った。

みんなうれしくなって、ビールとワインで乾杯した。
あまりに、雰囲気がいいので、終電の時間も忘れて、飲んだ・・

新しい素材では、醸し出せない雰囲気が、「骨董」にはある。やはりそこに「人」がかかわっているから。
住宅展示場やマンションギャラリーなどは、どんなにいい内装しても、高級な家具
をおいても、「冷たい感じ」がする。それは、当たり前。人が住んでいないから・・

でも、匿名性のある都会には、セキュリティーみたいな「お金で買う安全」
はあるけど、みんなで「守りあう」みたいなぬくもりがない。

「ロハス」・・・自然の中でゆっくり暮らす・・ちょっと功なし名をとげた人たちが優雅に暮らす・・みたいなイメージがあるけど、草木や鳥の名前は知らず、へび
も魚もつまめない、ような人たちには、できるものではない、ような気がする。

「できる一」から、新しいこと(釣りをする、山に登る、きのこをとる、料理をする、陶芸など趣味をやる・・・)にチェレンジしていかないと、むずかしいと思う。商品化したようなものには「味」がない。

好きでない仕事をしていく、ってつらいように、好きでない趣味を持ってもしょうがない。「寝食を忘れるくらい好きなこと」をひとつ持つ、って大事なことやね、最近そう思う。やはり「自分」の問題やと思う。

テラス付きの長屋

2007-02-12 11:34:03 | Weblog
昨日、アーティストたちと、3月から空き家になる物件を見に行った。
一階が土間で製造業、2階が居住空間という長屋の並びにあるその家には、
今学生さんが住んでいるらしい。

だから中は見ることができなかったけど、レンガ創りのふんいきとかテラスがとてもかわいらしい。「カフェ」をやっていた時代があったような家。
これで、家賃は5万くらい・・・
少し才覚がある人がくれば、「週末はカフェ」とか、「仕事場とお店と家」
がいっぺんに手にいれることができる。

そんな「ものつくり」ができて、人とコミュニティーをとれて、街ともうまくやっていける人が増えると、この街は「モンパルナス」になるかも・・・?

王さんもとまったカウンターがリニューアル

2007-02-11 11:10:37 | Weblog
正月もなかったけど、もちろん三連休も返上して、長屋プロジェクトは急ピッチで
はかどっている。

昨年末に、近くで居酒屋さんの解体作業があった。その中から、九死に一生みたいな感じで、むくのカウンターをいただいた。「百尺」という居酒屋で、「元祖チューハイ」を主人が発明し、近所の溜まり場だった。王さんも押上出身で、リトルリーグ時代に、そこの主人とライバルで、時々、このお店にきていた。
主人が昨年旅立ったので、お店は取り壊された。でも「思い出」が新しいお店で
紡がれていく。

「いいもの」もときどき、人の手にわたると、また新しい思い出ができる。
骨董とかの楽しみもそれに似ている。

カウンターは、金庫と微妙な感じで、風合いを醸し出している。
掃除ができたら、アップしたいと思う。

般若君が、それにあわせて、籐をあんで椅子を作成中。
きっと血だらけになっていると思う。

下町人情キラキラ商店街のびっくら市

2007-02-10 17:09:53 | Weblog
今日は朝からどんよりした天気だったけど、カウンターもできあがったし、だんだんカフェも完成されてきた。
今日の昼ほはんは、みんなで「かしわ飯」。鹿児島本線に「折尾」(おりお)という駅がある。高倉健さんが通った東筑高校がある駅。駅が出来た時に、駅員さんが「おりおー、おりおー」とアナウンスするので、電車のお客さんが全員降りていた駅。

ここの駅弁の「かしわ弁当」は絶品で、駅弁の需要が少なくなった昨今でも、人気
商品。古くも新しくもなく、たくさんの人の支持を得られているものは、「ほんもの」だと思う。味もいたって普通だけど、その普通さの中に、非凡なものがある。
ごはんを炊くときに、料理酒をいれると、ぐっとうまみが増す。

今日まで、押上の「キラキラ立花商店街」で、「びっくら市」をやっている。
このチラシのロゴとか色使いとか、時代を感じてしまう。
「いまださ」(ださいけど、今い?)とまで、洗練されていないけど、どこか、懐かしさみたいなものを感じてしまう。

新しい東京タワーができても、コロッケが70円でおいしく、豆腐屋さんの調理されたおからが200円で、それだけで二合半くらいのお酒が飲める、そんな商店街のままでいてもらいたい。

日本一のジャンボすべり台

2007-02-09 08:27:38 | Weblog
子供たちにとって、愉快な遊び場がいっぱいある街、押上。
町内会の人たちが、「結」(ゆい)ではないけど、協力しあっているからだと思う。まだまだたくさん長屋が残っている京島というところに、この大きなすべり台
がある。都会の真中にこんな大きなすべり台ができたら、PTAのおばちゃんたちに「うちの子供が遊んでいて、けがしたらどうするの・・」みたいなクレームがきそうなくらい、大きい。

でも地元では、大人たちが、自分の子供だけでなく、よその子にも注意をはらっているので、今でも、問題なく存在しているし、子供たちにも大人気なのだ。
先週の日曜日の朝のNHKでも紹介されていた。

この公園には、桜の木もたくさんあって、花見の時には、一段と華やかになる。

おじいちゃん、おばあちゃんが元気で、大人たちも協力しながら、子供たちを見守っている・・・昔は「普通」だった光景が、今は昔になりつつある・・

この公園の前を散歩しながら、深呼吸すると、いつも元気になる。たぶんぼくだけではないと思う。

ここが新東京タワーができる場所

2007-02-08 09:38:08 | Weblog
東武鉄道の車庫跡のセメント工場の場所に、新東京タワーができる。
押上のB3出口の階段を上がったとこから撮影。
右手のビルは、浅草(吾妻橋)のうんこビル。あさひビールの本社。

たぶん、もう、どんなテナントができて、どんな設計図で・・・みたいな話はきまっているんだろうね。「鳩の街商店街」という昔赤線だった商店街もあるけど、はとのマークの大手スーパーも日本一の規模のものができるらしい・・・

欧米人たちが、世界に覇権を求めた20世紀は、いろいろな「マネー」が動いた。
でも彼らは、文化とか芸術には関心がなくて、ただ「マネー」だけを求めた。
大手スーパーがひとつできると、近所の家族でまじめにやっている魚屋さん、豆腐屋さん、八百屋さん、お惣菜屋さん・・・などがバタバタと倒れていく。今、どの
街にいってもそう。駅前の商店街などは、シャッター通りになっている。
でも、いっしょに、その街の文化とか、ふれあい、人情も消えていってる、ことに
あまり気づいていないようだ。

5年後にタワーができた副産物として、この押上界隈も、いろいろなものが時代の
波に飲み込まれていくのだろう。
でも日本人が、本来のDNAを発揮したら、もう少しましな「街つくり」ができる
のではないか、と思う。

ささやかながら、そんな街創りに一石を投じたいと、3丁目の夕焼けに向かって
誓う毎日。

明日までメールが使えない。けっこう「あなろぐ生活」もいいものだ。
今日は煎茶のお稽古。