長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

江戸一、という名の日本一の居酒屋

2007-02-28 07:07:10 | Weblog
昨日は木工のい般若君がカウンターの籐の椅子と、玄関の引き戸を
はめにきてくれた。昨日は現場にはいかなかったけど、すごく気になる。
取っ手は、金工の角居君がつくってくれた。「いいとこどり」ではないけど、
それがなければ、ただの木、みたいに見える。

夕方は、般若君と江戸一で飲んだ。35年になる檜のカウンターには、酒豪たちの
「暦」が積み重なれ、えもいわれぬ雰囲気が漂っている。
折敷に白磁の酒器で燗酒を独酌で飲む、のが流儀。真夏でも9割の人が、白鷹の
燗酒を楽しんでいる。お客が店を育て、お客を育て、お互いの共育するような「学び場」でもある。昨今、こんなにいい店が少なくなった。

そこのお店には短冊に、さらりと「一斗二升五合」と書いたものが飾ってある。

「一斗」・・・五升の倍・・・ご商売
「二升」・・・・・・・・・・ますます
「五合」・・・一升の半分・・ご繁盛

禅問答みたいだけど、人生の妙味みたいなものを感じられる。



渋い?看板ができました!

2007-02-27 10:53:56 | Weblog
友達が看板をつくってくれた。

先週、「江戸一(大塚にある居酒屋)をおごってくれたら、書いてあげる」
という約束を履行してくれた。

さっそく、60年前からそこにあった雨戸を解体して、額を作成して、そこに
貼り付けてみた。
「渋すぎる」・・・

今日は木工の般若君が、玄関の引き戸を木曾からもってきて、はめる。
長屋の改装も、いよいよクライマックスが近づいてくる。

その玄関には、イギリス製のアンティークな街灯が用意されてある。


始めまして、南條です!

2007-02-26 09:19:21 | Weblog
二階のギャラリースペースは、だいぶ完成してきた。
あとは、いろいろなアーティストが、それぞれの作品をそこに展示して、
歴史を紡いでいってほしい。
カフェとギャラリー、ある意味では、「一度はやってみたい」と思うことを、
いっぺんにやろうという贅沢なプロジェクトではある。

3月31日から、4月8日(日)までは、「南條観山展」。
寒山拾得の世界を描き続ける77歳の画伯。
作品と生き方が鏡写しみたいに、ぶれがない。

この写真は2000年にニューヨークのソーホーで個展をやった時のもの。
9.11の前年で、まだ、平和でニューヨーカーたちが輝いていたころ。

珈琲とかアートとかを楽しめる時というのは「平和な時代」だと思う。

今日は池袋では最後の「順受の会」。
ここで打つ蕎麦も千秋楽。


雨宿りができるギャラリー

2007-02-25 09:52:08 | Weblog
下町といえば、縁台あたりを中心に、街自体がぜんぶ家族みたいな感じがある。

路地で子供たちが遊んでいたり、銭湯かえりのおじいちゃんやおばあちゃんたちが、縁台で涼んでいるようなことが日常。

3月の終わりから「南條観山展」をやることになった。13回目だけど、押上
では初めて。バス亭からそんなに近くはないけど。バスを待ったり、雨やどり
をしながら、絵とか陶器を楽しんでもらうスペースを作成中。

いきなり「寒山拾得」だと、どこかの宗教法人かなんかと、思われるかも?
でも、日本人が昔から愛してきた構図。

回春?そんな名前の銘酒が・・・

2007-02-24 09:42:59 | Weblog
昨日は、音大でピアノを学んだT君が遊びにきた。無類の酒好きで、中学生のころから「骨董病」にかかっている。ぼくの骨董の師匠だ。年齢はまだ31歳。
その道では、天才という人が多い。

約束の13時になってもなかなか、あらわれない。
超あなりぐ人間なので、先に食事をすませて、「ほぼブラジル」をいれていると、
颯爽とやってきた。

いつものようにリュックの中に、なにやら美味しそうなものが入っている予感。
「天真さんの今の心境にぴったりのお酒を持ってきました」と「帰山」(きざん)
をお土産にくれた。
「帰山」・・・もともとわらわれ日本人は山の中に住んでいた。自然に帰る・・
みたいな意味なのだろう。

久保忠廣さんの斑唐津(まだらからつ)に、なみなみと注いで、久しぶりに「日本酒談義」。
話が興にのって、「ひさしぶりに、温泉津温泉(ゆのつおんせん)にいって、回春
が飲みたい」というと、リュックの中から、回春がでてきて「どこかで、これを買うのを見てたみたいですね」という話になった。

「ま、いっか」と、回春の封もあけて、談義が尽きなかった。


33年やっている近所の「もんじゃ焼」店。

2007-02-23 09:30:22 | Weblog
二日続けて、もんじゃ焼を食べた。

正確に言うと、「二日続けて、もんじゃ焼を食べたこのない友達」がきて、近くの
「もんじゃ焼」の看板を見て、「美味しそう」といったので、「では・・」ということになった。

昔は中学生の御用達だったらしいが、時代の流れで彼らは、マックなどへ行くようになったらしい。でも下町では、根強いファンがいて、いついっても女性客がいて、「ま、いっか」なんていいながら、昼間からビールを飲んでいる。

ここは店主の母親が始めて33年になる。うちの近所のカフェやすし屋が同級生という話も聞いた。
トッピングが選べて、このラーメンが入ったスタンダードなもので300円。
テイクアウトして、ホットプレートで焼きながらビール、というのも、ありらしい。

観光化されている街にはない「やさしさ」がある。

桃山時代の手洗い鉢を再現?

2007-02-22 08:12:53 | Weblog
天真庵の器の9割が、陶芸家久保忠廣さんのものだ。天真庵を結んだ12年前から、
少しづつ揃えていったもの。彼は、織部、志野、黄瀬戸(きせと)、いわゆる桃山時代の陶器をつくる。ただ作るだけではない。その時代の陶芸家たちが掘ったであろう土地の土を探し、釉薬も自分で研究しながら、陶芸の道を歩んでおられる。

天真庵にくる若い芸術家たちも「ものつくりの哲」を、彼の姿勢から学んできた。
もちろん私もそうだ。今回の「長屋茶房」のプロジェクトでも、尽力いただいた。

昨日、黄瀬戸の「手洗い鉢」が届いた。さっそく現場にいって、若い芸術家たちと、「この肌がいい」「さすが久保さん、すばらしいタンパン(緑の模様)だなあ」とか、「天真庵にこれからくる陶芸家たちの手本になりそうだ」・・・などと
話ながら、「ホボ・ブラジル」を飲んだ。

今日も信楽と千葉から客人あり。

下町ブラリ

2007-02-21 09:07:43 | Weblog
「銀恋」ではなく「銀ブラ」。
銀座をブラブラする・・・・という意味だけど、もともとは「銀座でブラジル」
という意味だった。銀座、上野、浅草あたりには、珈琲専門店があって、ブラジル
が人気だった。「ブラジル」「サントス」・・そんな名前の店が流行っていたように思う。

「下町ブラリ」というのも、下町をブラリと散歩する、という意味だけど、「下町
でブラジルを・・」という意味になればいいのに、なんて思う。

「長屋珈琲」の中身は、手摘みの完熟のブラジルとモカなどをブレンドしたもの。
いってみれば「ほぼブラジル」
昔、そんな名前の名レスラーがいた。

毎日、いろいろな人が押上の現場にこられる。
今日のメルマガにも書いたけど、迷ったら、すぐに電話しなくて、迷った道
を楽しんでほしい。今、東京で「ゆっくり時間」が流れていて、長屋の風景、人が住んでいるぬくもりなどを感じられる場所は、そんなに多くないから・・・

♪現在・過去・未来 あの人に逢ったなら
わたしはいつまでも 待ってると誰かに伝えて
まるで喜劇じゃないの 待ってると誰かに伝えて
さめかけた あの人に 意地を張ってたなんて

ひとつ曲がり角 ひとつ間違えて
迷い道 くねくね (渡辺 真知子)


死ぬまで未完成、死ぬまで迷い道 くねくね

元気と旅へ

2007-02-20 09:52:37 | Weblog
半蔵門線の「押上」に長屋茶房・天真庵ができる。
ひとつ手前の駅が錦糸町。錦糸町の夜は、無国籍というか、歌舞伎町とは
また違った風合いのディープな歓楽街がある。

不動産屋をまわると、「ペット可能」な部屋が昔にくらべて増えてきた。
宿もその傾向にある。とくに錦糸町は、「水商売のおねえさん」がたくさんいて、
ペットと暮らしている方が多いので、「ペット可能な部屋・率」が、かなり多いみたいだ。

最近の男たちは、なんだか「大人」になりきれていなくて、躾もできてなくて、
なんかペット以下みたいなのが多い。そんな男たちのグダグダ・・・を聴いたあと
に帰って、迎えてくれるペットは家族以上のあたたかみ、みたいなものがあるのでは・・・
「日本人にもどる」「男にもどる」・・・置き忘れたものが、ほんとうに多い、
と感じる今日このごろ・・

今日は、上池で最後の「英語で蕎麦会」。
来月から、「長屋で英語」。




先客万来

2007-02-19 09:11:56 | Weblog
週末は、九州とか三重からお客さんがきた。
昨日は、京都から・・・
今日は、福島から友達がくる。夕方は大阪と横浜から骨董屋さんがくる。
みんな「できあがる前のお店を見てみたい」らしい。

二階も床がきれいに張られたけど、その上に塗る「柿しぶ」のにおいが、
強烈な中。でもそれが、ライブみたいでいい?写真では伝わりにくいけど、
今日くらいまでは、すごいにおいだと思う。

昨日は木工の般若君から、サイフォンのヘラがおくられてきた。
玄圃梨、ローズウッド、栗、もう一種類・・・めちゃくちゃ贅沢なもの。

予定していなかったけど、サイフォンも使うことにしよう。

「なにもきめていなくて」、付和雷同的なカフェ。
でも、そんじょそこらのチェーン店には、絶対に負けていない、と思う。