長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

塔のへつり

2009-10-31 06:18:55 | Weblog
南会津に「塔のへつり」という春は藤、秋は紅葉の風光明媚な
場所がある。写真をやっていた時に、三脚とカメラをもって
よくいった場所だ。へつり、とは、方言で「崖」という意味
だけど、むきだしの岩肌と紅葉とのコントラストの美しさが、
まさに神がつくりたもう「真・善・美」というにふさわしい場所だ。
先日のみちのくの帰りに、ひさしぶりに、そのへつりの風景を
堪能した。

明日から11月。織田流煎茶道も、3日に広尾のお寺でお茶会を
やる。その時に描ける茶掛けが、悠然見南山 」という書。
菊を采る東籬(とおり)のもと 悠然として南山を見る
お酒が大好きだった陶淵明の飲酒二十首の中の一句だ。
久しぶりに見た風景に、おもわず陶淵明の詩が浮かんできた。

11月21日(土)の夕方5時から天真庵でも「晩秋のお茶会&インド音楽」
というイベントを企画した。一服のお茶を飲む刹那に、悠然とした自然、宇宙
を思い浮かべる。そんな一期一会の空間に、インドの神の調べみたいな音楽を
あわせてみたいと思う。さて、どんな会になるのだろうか。
まったく、形式とかにおだわらないアバンギャルドな煎茶会にしたいと
思っている。

明日11月1日(日)は、「エリカ庵」
月の初めに、体を整え、インフルエンザや不況に
負けないようにしたいものです。


月曜日は「順受の会」
月に一度の論語の会。

火曜日は「英語で蕎麦会」




みちのく蕎麦の旅

2009-10-30 06:20:59 | Weblog
3ヶ月前くらい前、青山ブックセンターで、廃刊になった雑誌の本を買った。

そこに気になる蕎麦屋が紹介されていた。
そもそもその雑誌が、今の雑誌と違って、スポットライト
のあたっている分野のトレンディーなお店などを紹介していない。
風光明媚な寒村で、寒風にさらされた大地の上で、清涼な水を使って
サイフォンコーヒーを毎日入れるおばあちゃんのカフェなどが、
自然にのっている雑誌。
そこにみちのくの街道にあり、昔は「そば」が名産だった地を、
村おこしのために、役場の公務員の地位を捨てて、そばやになった
人が小さく紹介されていた。さっそく、いってみた。

平日の13時半過ぎに着いた。駐車場に車が並んでいる。
ほとんどが県内のナンバーだったので安心した。
雑誌などにのるとどこかまわず飛んでいくソバオタクがいないのがいい。
入り口に、待っている人の名前が書いてあるノートがあった。
前に四組ほど、待ち人がいた。敷地の横に小川が流れていて、
そこにいわなが泳いでいた。その横には、お店の主人が飼って
いるかわいい柴犬が繋がれていた。しばらく遊んでいると、
店の女将に名前を呼ばれて、お店に入った。
自分で蕎麦畑もやっている主人が育て、自家製粉した10割そば
が、目の前に現れた。思わず、手をあわせたくなる。なにもつけずに
3本ほど手繰って口にいれたら、蕎麦の土味が、体中にひろがっていった。
主人の人生が、全部内包されているような蕎麦だ。こんな蕎麦はうまれて
初めて食べた。筆舌が及ぶはずがない。

その後、「古道具」の看板にひかれて、老夫婦が営むお店にたちよった。
ら、天真庵で「ほぼぶらじる」を入れる器の親戚をみつけた。
もちろん無名の陶工がつくったものだけど、きっと同じ作者ではなかろうか。
蕎麦も磁器も、大陸から海のシルクロードを通って、北九州に伝わったものだ。
それが、長い時間を経て、みちのくに伝わっていたことを思うと、なんだか
わくわくしてくる。
旅は、ほんとうにいいものだ。















京都

2009-10-27 06:50:51 | Weblog
昨日は、「染めもん展」が終わって、二階に飾っていた「着物たち」が
また京都に帰っていった。最近はあまり京都にいかなくなったけど、
やはり京都に人たちがきて話ていると、ついついイントネーションが
「京風」になっていく。
ホボブラジルを供する時に使う汲みだし茶碗や、水のグラス、
店の照明の碍子(がいし)など、京都の骨董やから調達したものが多い。
お店の照明や、柱時計は、建築家の白井晟一さんのコレクション。彼も
もともとは京都の人で、最後も京都で天国に召された。

昨日の夕方、いつものようにひょこっと中村さんたちが、遊びにこられた。
夫婦で、「インド音楽」を伝道師みたいにやっていて、スペインと東京と京都
を中心に演奏している。昨年も天真庵でライブをやってくれた。
11月21日(土)に、2回目のライブをやることになった。
「晩秋のお茶会&インド音楽」
と題して、ちょっと不思議な玉露会を企画したいと思う。
野村南九として活動していく最初のイベントになりそうだ。

今日は「英語で蕎麦会」
終わったらそのまま車で東北に蕎麦喰いにいく。



♪雨がしとしと日曜日

2009-10-26 06:28:01 | Weblog
タイガースの歌にそんなのがあった。今日は月曜日。
カーペンターズの「雨の日と月曜日は」がこんな日には
ききたくなる。

先週、カウンターに座った女性が、「昨日40才になりました。」
といって、ケーキに40という文字を模ったローソクの写真を
見せてくれた。
「22歳の別れみたいやね」といったら、「?」という顔をする。
ぼくてきには、40才とかいうと、仲間みたいな感覚になるけど、
微妙に格差がある、というのを実感した。
「どんな歌ですか?」というから、小さな声で
♪あーなたに さよーならって、いえーるのは 今日まで・・」
と口ずさんでみても、「?」が続いている。
17本目からは・・・青春は遠くへいってしまった、みたいな
むなしさを感じた・笑

昨日まで、京都から友だちがきて「染めもん展」をやった。
そこの弟子が、木屋町のエンパイヤビルでライブハウスを
つくって、そこで来月「山下top洋平君」がやるらしい。
最近のことをよく覚えていないが、昔のことは
すぐわかる。「エンパイヤビル」といわれるだけで、その周りの
店とか景色が、すこっとでてくる。それも青春。

今日は「スケッチの会」
明日は「英語で蕎麦会」

おでんがおいしい季節になった。
ぼくらが学生のころ、御所の近くの
荒神口に、「シャンクレール」という有名なジャズ喫茶が
あった。そこから50mくらい下ったところに、「安兵衛」
というおでんやがあった。おでんをつまみに、名誉冠を飲む、
というのが、そのころ一番うれしいことやった。今は少し
出世して、もうちょっと酒のランクがあがったけど、
あのころの「味」には及ばない気がする。それも青春?



昨日のこと

2009-10-25 06:14:20 | Weblog
昨日から「染めもん展」が始まった。
今日まで。
1年に1度しかやらないことを、10年くらいやっていると、
1年に1度しか会わない人でも、10回あうことになる。
毎年年賀状をやりとりしている人でも、毎年あうことなく
終わる、というのはままある。近くに住む親戚とも、10年
に10回あっている人はいない。
というわかで、うちでは「年に一度くるお客さんは常連さん」
なのだ。
カウンターにぶすっとして座った、年に一度くる大学の後輩の
女性に「きれいになったのに、なんでぶすっと、しているの?」
と、しばらくして声をかけたら、「無表情なんで、私のこと
わすれはったんかいなと思った」とのこと。
飲むと豹変するその後輩が、来春母親になるという。
「そのDNAを受け継ぐ子どもの将来が楽しみや」
といったら、ぶすっとしていた美人の後輩が、笑った。

昨日は、「元気ののれん」のパワーもあったけど、
開店から、閉店まで、ほぼ満席状態で、充実した1日だった。
夜の蕎麦会は、来年結婚する女性がふたりきた。ひとりは、
結婚式に招かれた。明るい明日を夢みている人たちは、みんな
きらきら輝いている。

これから、蕎麦をうちに出陣。コーヒー豆も、米びつの底状態
なので、今日は、開店までフル回転しそうな日曜日。

明日は、「スケッチの会」
明後日は「英語で蕎麦会」
英語が終わったら、そのまま東北へ「蕎麦喰いの旅」
にでる。どうしても食べておきたいそばやが宮城にある。

元気なのれんがでけた。

2009-10-24 05:45:08 | Weblog
昨日の3時ころ、元気ののれんがやってきた。
さっそくかけてみた。
元気が旅立った朝に、足うらをデジカメで撮って、
それを書の貞本先生におくり、トレースしてもらった。
すぐにつくってもらったので、それをのれんやさんに
もっていき、貞本さんの「天真庵」という文字と
いっしょに、デザインをきめ、兵庫の染やさんに作成
してもらった。「元気」という落款まである!

さっそく、それを見たお客さんから、
コメントをいただいた。
そののれんをかけたら、すぐに、テレビ局の人が
入ってきた。「長い時間をかけて、この界隈のドキュメント番組を
つくりたい」とのこと。これも元気がとりもつ縁。

先週も違うテレビ局の人が取材にきた。来月そうそうの深夜番組で
紹介されるらしい。でもその番組は、「下町のおっちゃんたちが、今の
不況の中で、どうしているか」を伝える趣旨の番組らしい。
テレビの番組というのは、よくよく見ていると、人が死んだり、苦しんだり、
政治家の汚職だ、清純派のアイドルの転落の人生だったり・・・
ネガティブなものが多い。
こんな時代だからこそ、もっともっと「明るく元気な話題」を
発信してもらいたいものだ。

今日から、「染めもん展」が始まる。
昨日は京都からきはった野村さん、河野さん、ゆりちゃんたちも
参加して、「日本酒の寺小屋」で盛り上がった。
来月結婚式をあげる般若君とよくイケミという金沢のイタリアン
レストランに持ち込んで飲んだ「常きげん」の、7年古酒も
飲んだ。結婚式の披露宴は、福山の超人気店のイタリアンでやることになった。
なりゆきから、自然にそうなったのだが、仲人という話になった。

今日は、また「お花の会」。
天真庵では「染もん展」をやっているので、これは自宅でやることに
なった。3組の蕎麦会も予約を受けたので、これから蕎麦を打つ。
蕎麦を打っていると、なんだか元気になってくる。
そんなお店に、元気印ののれんがよく似合う?

元気でないときも、元気になる簡単な方法・・・
を身につけておかないと、やっていけないくらい、元気が
必要な時代がきた。



湯冷まし

2009-10-23 06:30:49 | Weblog
昨日は休みだったけど、お店にいって少し焙煎をしていたら、
久保さんから、荷物が届いた。
新作の湯冷ましが入っていた。焼締めの湯冷ましは、彼らしく
薄手で、無駄のないフォルム。玉露をさっそくいれてみた。
お手前では、両手をそえて使うけど、これは片手でやると、
なんだか絵になる。
もうひとつは急須みたいに取っ手がある黄瀬戸の湯冷まし。
煎茶仲間で先日、実家からおくってきた「かぼす」(かぼすをすだちといっては
大分の人におこられる)をおすそわけしてくれた女性に、お返ししたら、
たいへんよろこばれた。彼女はNPOで、大分の物産を紹介している
のだが、とくに「かぼす」の話になると、目に力がこもってきて、機関銃の
ように熱く語る人だ。でもそのかぼすは、みてくれは悪いけど、原種に近く、
しぼった時の、ジューという量がます違っていて、飲んでも、毛細血管の中を
柑橘君が、全速力で走る、みたいな感じ。
都会では、野生を失った工業生産みたいな野菜が多いけど、地方には、
まだまだ野性的な野菜が多い。

煎茶の「雅名」がきまった。
「南九」(なんきゅう)
とした。書の会の時に、貞本先生が、「九」というのは永遠を
表す数字で、中国では徳に縁起のいい数値であるということ。
南・・・困難の言霊だけど、発想を変えたら「南の島」みたいでいい。
それに「苦しい」という意味合いで、どちらかというと、日本では
意味嫌われる言葉だけど、これも「転」じて、いい意味にできる。
それに、私が九州人であることもかんがみ、「南九」となった。 感謝。
煎茶の会で、そのことをつげると、「いっきゅうさんみたい」
といわれた。そのうち、かっぽれをきわめ、ぼうさん、あたりを
うまく踊れるようになった曙には、この名になれてくるかも。

休日&週末の予定

2009-10-22 08:41:25 | Weblog
今日は定休日。
天気がいいので、一時間くらい軽いジョッギング。
いろいろなところから、タワーが見えるようになってきた。
まるで、オーケストラの指揮者がタクトを上げる瞬間に凛と
するように、この街も、タワーが高くなるにつれ、ざわめきたって
くる気配がする。
悪いクセ?なのか、路地裏に入って、おもしろい建物があったりすると、
「ここで、年増だけど美人の女将さんが割烹着を着て、熱燗をだして
くれるようなお店ができるといいだろうな」など、いろんな想像を
しながら、街を駆けていく。なかなかいいものだ。

今日は午後に煎茶の教室。いよいよお茶名を決定しなければいけない。
明日は、「日本酒の寺小屋」。定員オーバーの15人が、手をあげた。
楽しい会になりそうだ。明後日は、「花」。これもまた新人の男の子
がデビューする。多士済々の人たちが、あまたやってくる日になった。
土曜日・日曜日は、京都の染めものやさんがきて、「染めもん展」。
池袋時代からやっているので、かれこれ、10回目くらいになる?

體中玄

2009-10-21 07:34:01 | Weblog
昨日は、「書の会」だった。
2年以上も続けているので、みんなそれぞれ
「個の花」みたいな字が咲き始めた。

昔から禅僧がよく、こんな揮毫をした。「體中玄」
心頭を滅却すれば、體(体)の中に幽玄な宇宙みたいな広大無辺な
世界が広がっている、みたいな意味だろうか。

昨日は書に最初から参加していた友達が、朝一番にきて、
ぼくの体の中にある「よごれ」をとってくれた。
彼女は今年の春に、仕事のストレスから、気効や整体
などにふれ、自信もその世界にはいりこんで、「何か」
をつかんだみたいだ。
昨日は一時間くらいやってもらったら、なんだか10歳くらい
若返った気がした。
「今日はあまり飲んではいけませんよ」といわれたけど、
書の会の人たちと、11時まで、かなり飲んだ。
でも眠りが深く、今日は体が軽い。
「応仁の乱」みたいな時代がきているようだけど、
こんな時代を生き抜くためには、明るく元気で
なければいけない。
それに、「一に健康、二に健康、三四がなくて
五に仕事」

今日は「かっぽれ」。
何か「壁」を感じている人は、それを
突き抜けることが肝心だ。
そのためには、バカに「なりきる」こと。
かっぽれにはそんな力がある。
♪さあて、カッポレ カッポレ・・・



はちのムサシは・・・

2009-10-20 06:23:02 | Weblog
♪はちのムサシは死んだのさ~

そんな歌があった。今は昔の話のころ。
新しい東京タワーが、予定より高くなるそうだ。
むさし(634m)になるらしい。
予定の高さだと、どうも中国にできるタワー
が世界一になるので、「世界一」の意地をかけて、その高さに
するらしい。オリンピックで、レイコンマの世界でしのぎを
けづって「世界一」を争うのに、くらべて、この世界はずいぶん
と、安易というか、軽いような気がした。
京都の人なんかにいわせると、
「むさしにあわせて背伸びしはるんやて、むさしやのうて、むちゃしーいやな」
なんていいそうな感じ。

今は170mを越えた。普通の携帯で写真にとると、駅前あたりからだと
はいりきれなくなった。ので、天真庵のある十間橋通りの十間橋あたりが、
いいらしい。ぼくが自分のサイトの「うぃーくりー」で「定点撮影しているところ」でもある。

今日は「書をしよう会」
文人墨客たちが、集まる日。
おいしく酒を飲む日

しらたまの歯にしみとおる秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけり (牧水)