「順受の会」、わかりやすくいうと「論語の会」が20周年を迎え、昨日その記念式典が
埼玉の小川町の「二葉」という老舗旅館であった。午後一時半からだったけど、たま
ちゃんの幇間芸の出前もあり、三味線の調弦などの時間と、連休の渋滞を考えて
8時に押上をスタート。思ったより渋滞はなく、新緑の美しい秩父の山の稜線が見える
まで2時間かからなかった。少し旅行気分になってたまちゃんと和紙などを飾ってある伝統文化
会館などを見学したり、小川の有機野菜などの買い物をした後に旅館に到着。
二葉江戸の「三舟」のひとり山岡鉄舟ゆかりの宿で、看板の寺も彼の書で、五大名飯の「忠七飯」
の命名も鉄舟らしい。ぼくの知り合いで、鉄舟にほれ込んで「真男児」という本を著した人もいる。
あの昭和の哲人・中村天風先生もよく逗留しにきたらしい。
順受の会の先生は「松田先生」で、今はこの旅館の会長としてがんばっておられる。
20年の間の大半の学び場として「天真庵」が使われてきた。ぼくはただ厨房の中で勉強会の後
の飲み会の準備をする典座(てんぞ)よろしく、ただなんとなく話を聞いているだけだったけど、
志を同じくする人たちの生きざまも垣間見られたりして、たいへん貴重な勉強もさせていただいた。
「文花的な寺子屋」の中では一番古くて、くさびのようにどんと中心になっている会である。
少しほろ酔い気分になって庭を眺めていると、天風先生の声が聞こえてきた。
「今日一日 怒らず おごらず 悲しまず 正直 親切 愉快に 力と勇気と信念とを持って
自己の人生に対する責務を果たし 常に平和と愛とを失わざる 立派な人間として活きることを厳かに誓います。」