長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

クジラがイナバウア?

2007-01-31 09:28:48 | Weblog
「長屋茶房・天真庵」から徒歩5分くらいで、「下町人情・キラキラ商店街」がある。80年間、コッペパン(120円)だけ売り続けるパン屋さん、そのコッペパン屋さんの斜め向かいにある、コロッケ屋さんの「すきやきコロッケ」(70円)とのコラボは絶妙!おからの惣菜、揚げだし豆腐、がんも、三角厚揚げ・・・そのまんま
、「家でおでんカフェ」になりそうな豆腐屋や、気合豆腐、という看板の気合があった豆腐屋、朝10時半には売り切れの豆腐屋、などがあったり、もちろんキムチや
チジミの美味いお店、旬のあさりを木の升で売ってくれる魚屋・・・・
歩いているだけで、「キラキラ」してくる商店街。

その中に、築地から仕入れる新鮮な魚や珍味を並べてあるお店がある。「さきいか」は絶品だ。ここにきてまだ3年という新参者らしい。ちょっと強面(こわもて)の主人だけど、お天等さんが沈む5時以降は、一杯やりながら上機嫌に商売をしている。「おじさん、これくじらがイナバウアしているみたいね?」と声かけたら、真っ赤に酩酊した顔をくしゃくしゃにして、「こんど孫がきたとき、この話つかわせてもらうわ」とのこと。3人のお孫さんを持つ、いい親父なのだ。

下町人情キラキラ商店街。東京タワーができて、新しい波がきても、飲み込まれずに、残していたい街。

新しい時代の「江戸の大火」?

2007-01-30 09:05:29 | Weblog
毎日、朝から夕方まで、築60年の長屋をカフェに改装するために、頑張っているメンバーをご紹介。近所の人たちも毎日のぞきにきて、
「モーニング何にするの?」とか「夜は飲めるの?」とか「家族で憩える場所がほしい」とか、いろいろな意見や要望をおしゃべりしてくれる。

写真の右側手前が、今回の総責任者、中西道也さん(芸大・建築卒業)。
その向こうにいる緑の服を着ているのが、林君。この街に住むことになった。
(芸大・デザイン卒業)。左にいる人が、「UNA」の楠木みかん君(芸大・デザイン)だ。彼は「マホマフ」(魔法のマフラー)など、テキスタイラーとして、天真庵でも毎年個展をやっている。

そのほかにも、建築家の白井さん、一級建築士の梅田さん、野本さんなどいろいろなスタッフに協力していただいております。感謝。

今週は木曾の般若君も正面の引き戸の打ち合わせに上京。そして、渡欧前の作庭師
の「ながさ木」君もいよいよ今週末に合流。
先日はニューヨークから帰ってきたデザイン家の「よう君」も手伝ってくらた。
また、川本さん、宮本さん、なおちゃん・・・毎日いろいろな女性たちが、おにぎりや、おまんじゅうや、スープなど、あたたかい差し入れをしてくれたり、掃除を手伝ってくれる。

みんなで、すすよごれた飯場みたいなところで、食事をしたり、珈琲を飲んだりする、こんな日々は、きっと一生忘れられない思い出になると思う。

また、カウンターをくれた居酒屋の人、自分が将来「焼酎カフェ」をやろうと、ためていた古材や骨董をくらた鹿児島人さん、毎日長屋の情報を提供してくれる世話役さん、大家の人たち、陶芸家の升さん、久保さん、渡辺愛子さん・・・・
いろいろな人たちのコラボで、このプロジェクトも佳境を迎えつつある。

ちょっとおおげさだけど、「私」の経営というよりも、小さな市民運動みたいな様相になってきた。このまま「いい波動」が広がれば、いろいろな地域へ飛び火していきそうだ。「平成の江戸の文花の大火」になるかも・・・

長屋の豆腐屋

2007-01-29 09:00:37 | Weblog
最初に押上の街を歩いた時、この長屋の豆腐屋を見て、感動した。
よくわからないけど、直感的に「この街に縁があるかもしれない」と思った。

昨日は「キラキラ橘商店街」の朝一だった。林君がはやく起きていったらしい。
お昼ころ歩いたら、8時から10時までの朝一がおわったら、今日はおわり、
という店がほとんどだった。
でもふだんは、この商店街だけでも豆腐屋が4件くらいある。
しかもどこもおいしくて、厚揚げ(生揚げ)や、がんも、調理したおから、揚げだし豆腐など、それぞれの店で工夫したものが置かれてあっていい。

高い建物が少なく、古色蒼然として、みんないがんでいたり、朽ちそうなものが多いけど、風はあたたかく、そこに住んでいる人たちの営みが垣間見れたり、ときどきおせっかいくらいに人情をよせてくれる人たちのいるこの街は、東京の中では、一番夕焼けがきれいな街ではなかろうか?

昨日も、何人かのアーティストがきてくれた。みんな、それぞれ、この街の風とか、においを五感いっぱいに感じながら、下町ブラリを楽しんでおいるようだ。

「人の住める場所」って、今ほんとうに必要やね。

林君が文房具屋を継ぐことになった?

2007-01-28 10:21:26 | Weblog
キラキラ橘商店街は、今日は朝一。
毎月1日だけ、8時から10時まで市がたつ。

いく予定だったけど、珈琲豆の注文残などがあっ、朝から焙煎。
これから、押上に向かう。
午後は、天真庵でみゆきさんのお茶のお稽古。

キラキラ橘商店街を越えると、明治通にぶつかる。
そこで築80年の長屋で60年間文具店を営んできたご夫婦が引退され、
第二の人生をおくることになり、そこに、芸大出身のアーティストで、
毎日天真庵の改装をやってくれている林君が、その長屋をそのまま
借りることになった。

びくるするほど安いし、冷蔵庫、テーブル、ガスレンジ、オーブン・・
ひとそろえの家具も、在庫の文房具も、そのまんま引き継ぐことになった。

「アスクル」とかの発達で便利になったけど、「わすれてはいけない人情」が
この店に残っている。いい縁に感謝。

自販機がのいた!

2007-01-26 07:48:09 | Weblog
昨日ついに自販機が撤去された。
正確にいうと、6台おいてあった自販機が4台とれた。
画面の右端にまだ2台宿便みたいにあるけど、来週撤去。

どの街にいっても、コンビニの看板、チェーン店の看板、自販機・・・
売らんがための、めだつものがたくさんあるけど、どれも、景観を
くずしているよね、まったく。

窓のひとつは、「結界」のようにして、絵とか陶器を飾る予定。
「雨宿りをしながら、絵が見える」・・・なんて素敵だと思う。

だいぶ、佳境になってきた!

ちい散歩が取材に・・・?

2007-01-25 09:50:18 | Weblog
毎日、朝から晩まで長屋で仕事をしていると、地元のおっちゃんたちが、いろいろ
声をかけてくる。この陶芸家もそのひとり。「升たか」さん。2年前長屋に工房をもって、作陶をしている。彼は絵付けがうまく、その道では、かなりの賞などをもらって、輝かしい経歴をもつ。

彼のこのアトリエをお邪魔したのが、「長屋茶房・天真庵プロジェクト」のきっかけ。おかげで、それに参加したアーティストたちまで、すっかり、この下町にとけこんだり、本気で住み着こうとしている。

昨日は、近所のおばちゃんから「日本テレビの地井さんの番組が、この街を取材したいというのですが、おたくなんかいいと思い、紹介しときました」とのこと・・・

打ち合わせをしたら、「工事中よりも出来上がってのほうがいい・・・」という結論になって、今回のテレビの話はなくなった。
でも、地元と人たちが、すごく楽しみにしているのが、肌で感じられて、とても
気持ちのいい日が続く毎日。

ちい散歩・・・・ではなくても、みなさん、この町を散策にきて・・・

かわいい!夜の天真庵!

2007-01-24 10:21:02 | Weblog
「どうだ。思ったとおりだろう。」

とでも、いわんばかりに、25年ぶりにこの建物に灯りがつく。「上海の租界時代のカフェ」というイメージにぴったりな風合い。

この界隈は夜がはやいのと、長屋の街なので灯りが少ない。
そんななかで、まるで時代に取り残された感じの、レトロな風合い。

昨日は2階の手前の部屋で、4人で珈琲を入れて飲んだ。2杯目はみかん君
が入れた。もちろん一杯目には、かなわなかったが、明るい未来が見えた。
このカフェができあがったら、どんな出会いがあるのだろうか?

芸術は、すばらしいし、芸術家たちがつくるこの空間も芸術。
でも、やっぱり最高の芸術は「人間」だし、人と人が出会うこと、人と人
が語り合うこと、ではなかろうか。

ハンサムなフランス人さんがスケットに・・

2007-01-23 09:06:06 | Weblog
昨日は、二階の床に板を敷き詰めた。
「ごくろうさま」と声をかけたら、青い目をしたハンサムボーイが
ふりかえった。もうすぐフランスに帰国するエーチェン君、28歳。

なかなか器用に大工仕事をこなしているので、宮大工かなにかの修行で来日しているんだと思った。

コーヒータイムに、「フランスに帰ったら、何するの?」とフランス語で質問したら(ウソ 日本語と英語)、「ITの研究者になる」とのこと。

なんと東大の大学院でAI(人工知能)の勉強中らしい。

いろいろなアーティストたちが、積極的に「長屋プロジェクト」に参加してくれて、改装も順調にいっております。

今日から、現場にてコーヒーを入れる予定。これから、「手摘みの完熟(ブラジル)」
を焙煎する!


初公開!自販機の後の窓

2007-01-22 10:04:10 | Weblog
週末は、一階のカフェの部分の大掃除。
築60年で、たぶん、窓枠をとって、洗うのは初めてかもしれない。
「ああ、さっぱりした」という声が聞こえてきそうなくらい、気持ちが
よくなった。
ほこりっぽいところで仕事をして、いがらっぽいのどをコーラで流す快感がなくなるのは、ちょっと寂しいけど、やっぱりきれいなほうがいい。

一段落した後に、みんなでたべた「ままけは・おにぎり」が最高においしかった。
ベストクロップの「モカ・イルガジェフG1」も、芳香な香りを漂わせながら、
新天地の出番を待っているようだ。

こんな空間の中で「おいしい珈琲を・・」というイメージが日1日とできあがってくる。みんなはどんなところで、どんな珈琲を飲んでいるんだろうか?

平成のお風呂?

2007-01-19 10:13:53 | Weblog
京都や奈良のお寺などが、大改修をするときには「昭和の大改装」みたいな呼び方
をする。こちらの長屋茶房は、そんな大げさなことではないけど・・

土間を掘れば、真っ黒い土がでてきる。昭和20年3月の「東京大空襲」の時に焼け野原になって、土まで焼けた跡。その日の空襲の激しさを感じた。このあたりは、工場がいっぱいあったから、アメリカはそれをねらった。

ドアや、窓は木工の般若君がつくってくれるので、昨日は古いのを掃除した。積年のほこりなどを、洗い流すと、まるで「久しぶりにお風呂に入った」みたいな声が聞こえた。外観もこころなしか、さっぱりした感じ。
週末には、いよいよ自動販売機も撤去される。