チビクロの美術さんぽ

ぬいぐるみの黒猫チビクロがお出かけしますにゃ。休みの日に美術館へ行って、絵を見るのが
楽しみなのですにゃ。

「爆発物処理班の遭遇したスピン」佐藤究

2024-11-12 20:00:00 | 2024読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。
「爆発物処理班の遭遇したスピン」
佐藤究 講談社 2022年刊行
この作品にわ、暴力的描写があるので
ご注意くださいですにゃ。

表題作「爆発物処理班の遭遇したスピン」わ、量子力学をモチーフにした作品ですにゃ。導入がキレのある警察小説でカッコイイのだ。だけど、現場の警察官が、人命よりも優先される軍、国家の威信という大きな権力に圧せられるのですにゃ。佐藤究さんの国家権力への考え方わ、前作に共通してほうちこっかの民主主義とわ真逆の方向で描かれていると思うにゃ。CIAとか、ペンタゴンとかわくわくしますにゃ。量子力学わ興味深いし、難しいけどここでわうまく説明されてチビクロにも小説を楽しむにわ十分にりかいさせてくれていますにゃ。蝶のはばたきに浮遊感でしたにゃ。

8つの作品の短編集ですにゃ。
小説を読んでいるはずなのにふとまるで現実のように感じて、せんりつしてしまう一瞬がありますにゃ。
佐藤究さんわ、前作「QJKJQ」で
江戸川乱歩賞を受賞していまスにゃ。

今日もチビクロのブログをお読み頂き
ありがとうございますにゃ。

備忘録
量子エンタングルメント
EPRペア


「Ank︰a mirroring ape」佐藤究

2024-11-07 20:00:00 | 2024読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

「Ank:a mirroring ape」
佐藤究(さとうきわむ)
講談社
2017年刊行

この作品にわ、暴力描写が多くあるのでご注意くださいですにゃ。

京都で未曾有の大暴動が起こるのだけど、アフリカからきたアンクAnkと名付けられたチンパンジーが関係していたですにゃ。霊長類研究者×遺伝子×進化の過程×トラウマ。apeというのわ、「類人猿」のことでオランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボのことをいいますにゃ。
ネタバレを避けたいのでヒミツだけど、8分19秒わ、驚きでしたにゃ、
そこまでスケールが広いとわ…
そして真実わ、こっかの権力に隠蔽され、なかったことになるのだ。

読み始めたら止まらないどんどん読み進んでしまう、作家さんの筆力が熱いですにゃ。作家さんわ、1977年福岡県生まれの九州男児さんですにゃ。今後のご活躍楽しみですにゃ。

今日もチビクロのブログをお読み頂き
ありがとうございますにゃ。



「仮面絢爛」神奈川県立歴史博物館

2024-11-05 20:00:00 | 2024美術館 博物館
チビクロわ、お出かけしましたにゃ。
今日わ、横浜関内駅ですにゃ。

「特別展 仮面絢爛
中世音楽と芸能があらわす世界」
神奈川県立歴史博物館

序 音と音楽のあわい
破 移動する中世武士と音楽文化
急 地域の民俗芸能で甦る仮面たち

チビクロわ、古めの歴史資料を見たくて訪れましたにゃ。今回鎌倉時代からのお面や古文書が多数展示されていましたにゃ。舞楽、能などまるで知らないチビクロですが遠く知らない過去に思いをはせつつぼんやりする時間わ、トクベツですにゃ。

展示会場入口の映像資料わ、千葉県広済寺に伝わる国指定重要無形民俗文化財で野外の手作り舞台みたいなところで行われた鬼来迎(鬼舞)ですにゃ。お面をつけた鬼が罪深き亡者たちを痛めつけているとやはりお面をつけた観世音菩薩が現れ、救ってくれるらしいですにゃ。映像から聴こえてくる楽器の名わ、知らないけど音色が館内に響いていましたにゃ。音色に、現代文化との隔絶を感じて哀しさを感じるのわ、ありきたりの感想かにゃ。

展示の解説に、
「音楽がなければ権力を象徴する儀礼は行えない。」とありましたにゃ。
鎌倉時代民衆を支配するために音楽や舞が利用され、鎌倉幕府の支配となったけど、その没落によりそれらの音楽わ、離散してどっかいっちゃって、今でわ、細々と地域の民俗芸能に残るだけになったのかもしれないですにゃ。

チビクロわ、円覚寺門前遺跡で見つかったという
山猫形木偶 木製 鎌倉時代
が、気に入ったですにゃ。ヒゲのあとがあるんだって。職能民のくぐつが操っていたらしい。猫わ、どんな役回りであったのかにゃ。

お休みの日にいつまでも寝てしまうチビクロ。今日わ、予定よりだいぶ遅れたけど、なんとか出かけられたですにゃ。風が涼しくなったにゃ。11月。

今日もチビクロのブログをお読み頂き
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「QJKJQ」佐藤究

2024-11-01 20:00:00 | 2024読書
チビクロわ、読書しましたにゃ。

「QJKJQ」
佐藤究 (さとうきわむ)
講談社 
2016年刊行


この作品わ、暴力的描写があるので、
ご注意くださいですにゃ。

猟奇的でシリアルキラーの家族の話と
思ったら、違ってましたにゃ。
自分が現実と思っていたことわ、実わ、虚構でした展開わ、映画「マトリックス」とか最近の小説でわ、よくあるパターンだから、そうかふむふむと思っていたら、マックス・ウェーバーが出てきて「正当な物理的暴力行使の独占を要求する共同体」なるほど「国家」のことらしいですにゃ。国家権力の話へと意外な向に展開していきますにゃ。

1度目通して読む、2度目わ伏線を回収するために読む。伏線があらゆるところにある。最後まで読まないと伏線と気づかないなんてにゃ。3度目わ、主人公への憐憫としてですにゃ。ほぼ伏線が回収されるので、2度読むのがおすすめですにゃ。わからないとこもあるのが悩ましく、ボクの誤読もしくわ、読解力想像力が足りないのかしらにゃ。本編の前後に添付資料がある構成になっていてそれわ作品をカッコよくしていると思うですにゃ。
読み始めたら止まらなくなる作家さんの熱い筆力を感じますにゃ。

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「菓子フェスの庭」 上田早夕里

2024-10-27 20:00:00 | 2024読書
チビクロわ読書しましたにゃ。

「菓子フェスの庭」上田早夕里
角川春樹事務所
2011年刊行


上田早夕里さんといえば近未来的SF
小説が得意だけど今回わ、SF小説の
ガジェットを製菓用語に代えて構成と いう感じですにゃ。

この作品に出てくるお菓子がスゴク 
おいしそうなんだけど実在しないから
食べられないのがとてもつらいですにゃ。有名パテシィエのお店にいって
片っ端からお菓子食べてみたいですにゃ。

「ラ・パティスリー」の続編なので、
先にそちらを読む方がおすすめですにゃ。少し前の作品だけど古さわ全く感じませんにゃ。さらりと読めるよき作品ですにゃ。

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