姫の上半身は軽い。トラックの荷台にスロープを掛けて地面に降ろした後、トラスの部分を持ち上げれば楽に竹取庵に運べる。問題は下半身だ。隠れ家で積み込むとき、布団にくるんで台車に載せ、ロープで固定してある。とりあえずそのままの状態でスロープから降ろした。ただ、竹取庵の裏口まではかなりの坂だ。しかも雨水が地面を削ってでこぼこ。小さく切った板を2枚、交互に台車の前に置きながら、少しずつ少しずつ前進していった。
板を移動させる時には台車から手を離さなければならない。そうすると小さな台車はいつ倒れるか分からない。後ろに転がるかも知れない。倒れてしまえば長い間の苦労がすべて水の泡だ。
こんなもの二人掛かりなら訳は無い。いつもそう思う。そして、それをあえて一人でやっている自分に笑いが出てしまう。
板を移動させる時には台車から手を離さなければならない。そうすると小さな台車はいつ倒れるか分からない。後ろに転がるかも知れない。倒れてしまえば長い間の苦労がすべて水の泡だ。
こんなもの二人掛かりなら訳は無い。いつもそう思う。そして、それをあえて一人でやっている自分に笑いが出てしまう。