宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

ファーストライトはシリウス

2009年04月13日 00時03分02秒 | Weblog
それからさらに1週間が経った。今日こそは光軸を合わせてかぐや姫で星を見なければ。そう思いながらみかんの丘に行く。自家製のレーザーコリメーターを当て主鏡と副鏡を動かしながら、鏡の軸を合わせていった。
実は、僕には大変な不安があった。今更言うのもなんだが、かぐや姫の主鏡の公称は、直径453ミリ、F値5.5。つまり焦点距離は2491ミリだ。これをずっと信じて鏡筒の設計から製作まで行ってきた。もしこの値に偽りがあれば、かぐや姫はピントの合わない出来損ないになってしまう。それだけはいやだ。
光軸をそこそこに合わせて屋根を開く。薄雲のたなびく春らしい空が広がっていった。ファーストライトにはどの星を通そう。そんな僕に天狼星が名乗りを上げた。そうだ、全天一の輝星、シリウスこそファーストライトにふさわしい。ひとり納得して筒を傾けた。40ミリのアイピースを差し込み恐る恐るのぞく。丸い視野にちらほら見えるピンボケの星たち。ドロチューブを動かしてピントを合わせてゆく。かみさまぁ…

ほどなくピタリ。シリウスが視野の中央でわずかに十字の光芒を放ちながら輝いた。主鏡の焦点はちゃんと設計値の場所にあった。
何年も何年も頑張った、その苦労が報われた。そんな気がした。
コメント (1)
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