次の週、みかんの丘は高曇り。春の風が吹いていた。屋根をほぼ一杯に開けてかぐや姫の組み立てにはいる。
まず下半身を真上に向けて架台に固定した後、上半身を持ち上げて下半身の上部に取り付けてある4つのジョイント部にそっと載せる。言うのは簡単だが、軽いとは言え15キロある。しかも頭でっかちで持ち上げると重心は僕の頭よりかなり上だ。一つ間違うと長年の苦労と高額の投資が消え失せる。慎重に慎重に、フラフラしながらそれでも何とかジョイント部にあわせて上半身を載せた。
かぐや姫はトランクルームにかくまわれていた頃、室内で光軸をきちんとあわせていた。それを隠れ家へ移動するにあたって、組み立てのとき間違えないようにとジョイント部に印をつけて上下分離したのだ。
しかしその時から何年も経っていた。セロテープで貼り付けていた紙の印はとっくにはがれている。組み立ては正しかったのだろうか。接眼部からのぞいて見ると案の定、ジョイントの場所が違う。光軸が大幅にずれていた。
まあいいや。見た目姫は元通り。観測デッキに鎮座ましましている。軸合わせは後日やろう。この日は姫の姿を携帯で写メって大工仕事に入った。
まず下半身を真上に向けて架台に固定した後、上半身を持ち上げて下半身の上部に取り付けてある4つのジョイント部にそっと載せる。言うのは簡単だが、軽いとは言え15キロある。しかも頭でっかちで持ち上げると重心は僕の頭よりかなり上だ。一つ間違うと長年の苦労と高額の投資が消え失せる。慎重に慎重に、フラフラしながらそれでも何とかジョイント部にあわせて上半身を載せた。
かぐや姫はトランクルームにかくまわれていた頃、室内で光軸をきちんとあわせていた。それを隠れ家へ移動するにあたって、組み立てのとき間違えないようにとジョイント部に印をつけて上下分離したのだ。
しかしその時から何年も経っていた。セロテープで貼り付けていた紙の印はとっくにはがれている。組み立ては正しかったのだろうか。接眼部からのぞいて見ると案の定、ジョイントの場所が違う。光軸が大幅にずれていた。
まあいいや。見た目姫は元通り。観測デッキに鎮座ましましている。軸合わせは後日やろう。この日は姫の姿を携帯で写メって大工仕事に入った。