アルビレオのすぐ隣に、こぎつね座と言う小さな星座がある。M27があるのはその星座の真ん中あたりだ。去年の3月、一度撮影を試みながら飛行機に阻まれてやる気を削がれ、その後筒先を向けなかった。しかし、今はその時より機材が向上している。はくちょうのくちばしを撮影した帰りの駄賃と言うとこの星雲に悪いが、一度きちんととっておきたかった天体でもある。
アルビレオを基点に20センチをこぎつね座に振る。一眼レフのファインダーでもこの星雲は淡い光の塊として見えた。これなら感度をそれほど上げなくても撮れる。カメラの感度を2000にセット。露出を3分、4分、5分、7分と変えてみた。そして撮影された画像を処理して重ね合わせたのがこれ。
肉眼で見ると、空に浮いた鉄亜鈴のように見えるため、「あれい星雲」という名前が付けられている。太陽のような星が一生を終えてガスを放出した「惑星状星雲」だ。その例として世界で初めて認定された星雲でもある。ガスが広がる速度から逆算して、爆発したのは3000年か4000年前。縄文人はその輝きを見たことになる。うらやましい。ふとそう思った。