今年のゴールデンウィークは久々にこよみ通りのお休みをもらった。4月28日からの三連休と5月3日からの四連休だ。とりあえずドアを完成させるという命題が有ったため、この間昨日までに3回も丘に上がって来た。もちろん毎回カメラは車に積んではいたが、来客が有ったり天候が悪かったりと、星を撮る機会にはどうしても恵まれない。
このままではせっかくの大型連休を星無しで過ごすことになるではないか。いやだ。心の健康のためにそれだけは避けたい。と言うわけで、今日は何が何でも星を撮るつもりでやって来た。天気予報は雨のち晴れ。
晴れ。そう、確かに晴れなのだが、あたり一面春霞のようなベールに包まれている。島影もはっきりとしない。
まあいいさ、星雲や星団を撮影しなければいいのだ。3週間前に最接近したばかりの土星を写そう。そう決めていつも通り大工仕事に掛かる。ノミで玄関ドアの蝶番を埋め込む切込みを付けながらふと考えた。僕はいつまでここで大工さんをするんだろう。竹取庵を作り始めた時、完成は4年後と決めていた。なのにもう12年。まだ作り続けている。僕は何をやっているんだろう。どこまで作ってもまだ先が有る。なんだか自分がだまし絵の中の人物に思えてきた。