土星は英語でsaturn「サターン」という。この読みゆえにかなりの人がこの星をsatan「サタン」悪魔の星だと思っている。もちろんそうでは無い。saturnはローマ神話の農耕の神saturnusの英語読みなのだ。
高度40度を超える高みに昇ってきた農耕神に8センチを向けて覗いてみる。2年前にこの星を撮影した時、自慢の輪は真横を向いていた。それはまるで串刺しになった団子の様に見えた。それが今傾きを得て美しい姿を見せている。そう、これでこそ土星だ。ただ全体に何となく薄茶色い。黄砂の影響がこんな所にまで及んでいるのだ。それはカメラのモニターを通してみると更に顕著だった。
仕方が無い。現れはじめたまだらの雲間を縫って70枚ほど撮影する。その中から良さそうな10枚を選んで重ね合わせたのがこれ。
茶色い上に、コントラストが低い。それを少し画像処理してみたがどうだろうか。
ローマ帝国の農耕の神様は、今不毛の地ゴビ砂漠の砂埃にまみれている。綺麗な姿は後日機会が有れば撮ることにしよう。
使用機材:ミザール80ミリフローライト屈折望遠鏡
ペンタックス5ミリツァイスサイズアイピース
キャノンEOS5DmarkⅡ
タカハシEM200Temma2