ブロックを並べる作業を止めて観測デッキに上がり、久々に屋根を開ける。思ったより寒い。下ろしていた20センチ反射を赤道儀に載せて動作をチェックするが、光軸が動いていて像がボケる。それを何とか調整してバランスを取り、コンピューターと繋いだ。
さて、雲は少なくなったが果たしてこのまま晴れてくれるのだろうか。不安な思いで待ち受けるデッキの気温がどんどん下がる。しかし風はそれほどでもない。うまくいけば星雲も狙えるかなと期待するうちに星が現れ始めた。ただ、何となくスカッとしない。天の川も有るのか無いのか判然としない。とりあえず小さい方のカメラを望遠鏡の上に取り付けてワイドレンズで大三角あたりを狙ってみた。
モニターに現れた星空は全体に黄色っぽく、しかも靄っていた。やっぱりそうか。これでは星雲は無理だな。少しがっかりはしたが、ここでこうして星空を見るのは3か月ぶりだ。我慢しなければ空に叱られるかも知れない。ここに居られることそのものが幸せなのだから。