目覚ましを3時にセットしたものの、寝られたものでは無い。訳有って、どうしても竹取庵の屋根を開けなくてはならなくなったのだ。撮り落としたら恥をかく。きっと曇りだよ、そう言い聞かせて布団に入ったのだが。
昨日夕方からテレビが騒がしくなった。隕石がロシアの街を襲ったと言う。まるでCGのような隕石の光跡が何度もニュースで紹介された。大気圏突入の時の輝きが映し出され、その後割れたビルの窓ガラス、血だらけの人たち。映画のシーンでは無い。現実だ。
その惨事の直後に、今度はもっと大きい小惑星が地球の傍をすり抜ける。それを撮影して欲しいという依頼を受けたのが昨日の午後6時だった。小惑星の大きさは直径45メートル。地球から見た明るさは7等級だ。肉眼では見えない。それが地球からわずか2万7700キロ、静止衛星よりも内側を午前4時から6時までの間にすり抜けると言う。
きっと猛烈な速さだろう。望遠鏡で拡大していては追いつかない。大きいカメラのズームレンズで捉える事にした。