東北本線,東海道本線沿線 全線全駅歩き旅のブログ

旧東北本線と田沢湖線,花輪線,釜石線,八戸線,山田線、北上線、東海道本線、奈良線、大船渡線沿線歩き旅の記録。

東海道本線全線全駅歩き旅 【番外編】

2019年06月12日 | 東海道本線 熱海駅~浜松駅
大井川鉄道に乗る旅  2019年(H31)4月5日(金曜日)

今日は東海道本線に沿って歩き始めてから9日目で初めての休養日だ。


この歩き旅を計画していて必ず観光するぞ!と決めていたのが横浜の鉄道模型博物館、大井川鉄道そして京都の鉄道博物館だ。

今日はその大井川鉄道に乗る予定である。

蒸気機関車の保存鉄道はイギリスに多いそうだが、アメリカにも観光用に蒸気機関車が活躍しているところがある。
テレビで見たのではコロラド州のデュランゴとシルバートン間の鉄道がよかった。
大井川鉄道もテレビで何度も取り上げられている。
最近では「きかんしゃトーマス」の運行で人気である。
観光客を増やそうとSLを走らせる企画は「SLばんえつ号」もあるし、わたしの住む岩手県には「SL銀河」がある。
だが蒸気機関車に興味のない人にとってはどれも似たようなものにしか見えないだろう。

その意味で“きかんしゃトーマス”を実物の蒸気機関車で再現しようと企画した人はスゴイと思う。
子供は喜ぶし、親も楽しめる。
鉄道会社にとっては大きな収入になるわけだ。


朝食のパンをかじりながらテレビの天気予報を見る。



天候は晴れだが花粉が非常に多いという予報だ。
さいわい今のところは花粉症の症状は出ていないがマスクと花粉症薬は常に持ち歩いている。



島田駅から隣の金谷駅へ行く。





金谷駅のホーム脇でも桜が満開だった。
駅のとなりにある観光案内所でパンフレットをもらう。



「テレビで見てぜひ乗ってみたいと岩手から来たんですよ」と言うと
「ええ、今日もテレビ局の人が取材に来ましたよ」とのこと。
この時期なら桜とSLの組み合わせで番組を作るのかもしれない。

大井川鉄道の金谷駅を見て岩手県の三陸鉄道の久慈駅を思い出してしまった。





どちらも小さな駅で、ちょっとごちゃごちゃ感のある駅なのだ。



きっぷは“大井川鉄道フリーきっぷ”を購入する。



3440円と安くはないのだが往復運賃よりは安い。
足が痛まなければ途中一部の区間だけでも歩きながら写真を撮りたかったのだけど、今日は足を休ませるために鉄道に乗るだけにする。





この駅名標のサビ具合がじつによい風合いである。



電車も博物館から借りてきたかのような味のある車両だ。



後日調べてみると南海電鉄の21000系というものだった。
ヘンに色を塗り替えたり自社のロゴやイラストを入れたりしていないところがよい。
車体に「ふるさと電車」とか「がんばろー○○」というような文字を大きく書き入れたくなるのをぐっとガマンしているんだなあ。
実際のところは元のものをそのまま残すというのはかなり大変なことだと思う。
部品のスペアも残っていないだろうし、モーターの出力も落ちてきているはずだ。
こういうプレートを残してくれているというのはファンとして好感が持てるなあ。



わたしはタイを旅行した時にイースタン・オリエント・エクスプレスを見たことがある。







駅に停まっているところを見ただけだが、プレートがかっこよかった。

さすが世界でも有数の豪華列車だけあって最後部の展望客車もこの豪華さ。



でも一度でよいから乗ってみたいのはこの列車ではなくロシアを横断するシベリア鉄道だけど。


運転台、座席も古いのをそのまま使っているようだ。





つぎを当ててある座席もあって保存するのは大変だろうなと思わせてくれる。

平日だから乗客は少ないが台湾からと思われる若いカップルの姿があった。
日本の鉄道マニアの間では台湾の鉄道に乗りに行くのが流行っているけど、台湾のマニアは日本にくるんだろうな。

車窓から見えるのは茶畑だった。





これは岩手県では見ることのできない風景だ。


列車は大井川に沿って進んでいく。





川幅の広いことに驚いているとつり橋が見えてきた。





観光用のつり橋だろう、早朝だからか人の姿はなかった。
ダム湖の水の色がまるで誰かが塗料を入れてしまったかのような美しいエメラルド色だ。



千頭駅で井川線に乗り換える。



これもなんどもテレビで見たのだが乗ってみると本当に小さな車両だった。
なるほど確かにこれはトロッコだな。







ダム建設のために作られた路線とのことで作業員や資材を運ぶためだから小型なんだな。





乗車しているのは観光客だけなので車掌さんは観光案内もしてくれる。





奥泉駅で下車する。





この駅からバスで千頭駅へ戻ってSLを撮影しようと考えたのだ。

駅前のバス停前には銅像があった。



人家の少ないところにある小さな駅なのになんの銅像だろう。
ここで縄文時代の遺跡が発掘されたので縄文人の家族像なのだ。





脇にあるトイレも縄文時代風の建物にしてある。

あれ、、予定の時間になってもバスが来ない。
なんとわたしが乗ろうとしているバスは「季節運行」だったのだ。



平日の今日は運行されないのだった。
いつものことながら事前にしっかりと調べておかないからこんなことになってしまう。

まあ、こんな失敗もひとり旅ならではの楽しみと考えよう。

奥泉駅に戻り、井川行の列車で接岨温泉郷駅まで行くことにする。





きっぷは車内で車掌さんから買う。
こういうきっぷも大切な記念の品である。



アプトいちしろ駅ではアプト式機関車の連結がある。





乗客はいっせいにホームへ出て連結作業の見学だ。







もちろんわたしもカメラを抱えて走り出す。
連結作業が終わり発車の案内があると全員大急ぎで車内へと戻る。



乗客もかなり忙しいのである。
なにしろこれを見るためにこの列車に乗っているわけだからね。



アプト区間はやはり勾配がすごかった。
自動車ならなんなく登れる坂だが列車だとアプト式にしないと登れないのがわかる。





長島ダム駅では機関車の切り離し作業がるのでまた乗客は降りて見に行く。



ぐんぐんと山の中へ進んでいくと奥大井湖上駅が見えてきた。
この駅もテレビや雑誌でなんども取り上げられている。
観光のための駅だから「奥大井恋錠駅」という無理やりな名前も付けて、恋人同士で来てくださいね!とアピールしているのだ。
人気の駅だけあってかなりの数のカップルがこの駅で降りて行った。
ひとり旅のじいさんには縁もゆかりもない駅である。

接岨温泉郷駅でいったん下車して千頭駅方面の列車を待つ。

まわりにはなーんにも無い。
駅から坂を下っていくと接岨温泉郷だから時間と予算があれば温泉宿に泊まってゆったりと、、というところだが時間はあってもあいにく金がないのだった。





帰りの奥大井湖上駅のベンチに忘れ物らしきバッグがあった。



車掌さんが見つけて「このバッグの持ち主はいますか?」と声をかけて回っている。
うーん、じつによく見ているし気配りがすばらしい。
観光列車はこうでなくちゃと感心する。
帰りもアプト式機関車の連結作業を撮影していると、周りから外国語の会話も聞こえてくる。



やはりここは人気の観光地なんだなあ。
アプトのラックレールの部分を撮影する。





なるほど噛み合わせの部分は最初は歯の山の高さを小さくしてじょじょに噛み合うようにしているのか。


千頭駅にはSLが停まっていた。



パンフレットを見ると大井川鉄道保有の蒸気機関車はこのC56型のほかにC11型が2台とC10型の8号機があるのだ。
お! このC10型8号機はたしか見たことがあるぞ。
1988年のことだが岩手県の宮古市でごく短い区間を観光列車として運行していたのだ。
わたしの地元なので写真を撮りに行ったものだ。





上の2枚は宮古港を走るC10型8号機だ。

右側に見えるのは海側の堤防で、2011年の東日本大震災の時に津波がこの堤防を越えてくる映像はテレビで放送され衝撃を受けたものだ。いまでもYouTubeで見ることができる。
そのSLがこの大井川鉄道で活躍しているのだった。

運転士の方が観光客の質問に答えてくれたり運転室に入って撮影できたりもするのもSL好きにはたまらないところである。





ホームにいた案内の方がシャッターを押してくれたりもするので一人旅でも楽しめる。



そして連結されている客車が昔の車両そのままというのがよい。
わたしの乗るのはいつもこの三等車だったなあ。





当然だが当時は自動ドアはなくて重いドアをガラガラと開けたものだった。
写真を撮ってあとから気づいたのだが蒸気機関車の運転席の窓にワイパーは無かったんだな。
なぜワイパーを付けなかったんだろうか?

写真撮影に夢中になっていて食事をするのを忘れていた。
駅中で山菜そばを大急ぎで食べる。



駅前もぐるっと見て回る。
なんとこの駅でもステンレスの柱に時計という組み合わせ、東海地方の人はこれでないと気が済まないのだろうか。



別の柱にもステンレス、うーんこだわっているんだなあ。



もういちど駅にもどると電気機関車が入線していた。
E10型でわたしはこの機関車の模型を作ったことがある。







模型雑誌に型紙が載っていたのでボール紙を切って作ったものだった。
いまなら3Dプリンターで作ってしまうんだろうな。

SLは引き込み線へと移動していた。





ターンテーブルは人気の撮影ポイントだからちゃんと記念撮影用にこんなものがあるのだ。



駅に隣接するSL資料館にも入ってみる。



むかしの駅窓口も再現されている。窓の右側部分に見えているのがタブレットだ、ウィキペディアによるとJRでは2012年まで使っていた区間があるとのことだ。



新金谷駅でも下車してみる。
駅前にあるポストが黒く塗られているので説明を読んでみると、蒸気機関車と同じ塗装をしているのだそうでSLへのこだわりがここにも出ているのだった。



平日だが団体客は多かった。東京からも近いし富士山や箱根などとのセットで訪れる人が多いのだろう。





早朝から一日中乗車していたけれど天候にも恵まれて楽しめた。

今日もコンビニのおにぎりとカップ麺の夕食だ。
これはイカンなあ、ちゃんと食べなきゃとは思うのだが・・。




コメント
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