腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



昨日のお昼過ぎにお客様からお電話が掛かってきた。

お客様「オメガのシーマスターのブレスのピンが簡単に抜けてしまうんですが、すぐに直りますか?」

店主「シーマスターのブレスピンはピンとパイプで1セットになっていますが、すぐに抜けるということは恐らくパイプが無くなっている可能性があります。ご購入された時にサイズ調整をしていると思いますが、外した予備のコマやピンはお手元にありますでしょうか?」

お客様「あぁ、あります!あります!」

店主「それを一緒にお持ちくださればすぐに直りますよ。」

お客様「では、3時か4時頃になると思いますが、持って行きます」

店主「お待ちしております」


こういうやりとりがありました。
オメガの金属ブレスのコマとコマを繋いでいるピンは長年使用していると結構抜けやすくなる構造になっています。

これがピンとパイプ↓


ピンが磨耗してやせ細ってきて抜けやすくなるパターンと、パイプがボロボロになるパターンがあります。

結構多いです。
オメガさん、改良の余地ありですよ。


で、2時半頃にシーマスターを持ってこられたお客様がいまして、

お客様「ブレスが切れたんです」

店主「あぁ、先ほどお電話いただいたお客様ですか?」

お客様「...? いえ、電話してないですけど...」

店主「ありゃ!? すみません。先ほ同じ内容で修理依頼のお電話があったもので」

そのお客様もキチンと予備のパーツを持ってきていただいていたので、すぐに取り付けできました。


そして3時過ぎにやっとシーマスターを持ってお客様が来られた。

お客様「時計のブレスが壊れたんですが」

店主「ピン取れですね。先ほどお電話いただいた...」

お客様「いえ、電話してませんが」

店主「う゛ぇ!? お電話いただいてない...すみません」


なんと2度も続けて店主の早とちり。
そんなことってある!?


そして夕方の4時頃、お電話のお客様が来られた。

お客様「先ほどお電話した者ですが」

店主「嗚呼、お待ちしておりました~!」


あのまま更に5件くらい続いたら“どっきりカメラ”かと思ってしまったであろう腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
 

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