腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



先日、ご来店いただいたお客様が

お客様「ネットとかで売ってるROLEXのWネームって、本物かどうか見分けられます?買おうかと思ってるんですけど」


Wネームとは...

文字盤に他社の名前が刻印されているモデル。
ティファニーやカルティエ、コメックス等が存在する。
実際にティファニーやカルティエのブティックで販売されていて、ギャランティにも明記されており、シリアルNO.を照会すればどのブティックで販売されていたものか分かります。
コメックスとは1961年に創設された世界最大のフランスの潜水作業専門会社で、設立当初からROLEXと協力関係を持ちます。
同社の協力により1971年にプロダイバー仕様の“シードゥエラー”が完成、翌72年に正式な提携関係が結ばれます。
サブマリーナやシードゥエラーのダイバーズにコメックスの社名が入ったWネームが見られますが、一般向けに販売はされておらず、従業員用とも言われます。
裏ブタに社員番号(?)が刻印されているので、誰が手放した(売りに出した)時計なのか判ると言われています。
極めて本数が少ないので、大変希少価値が高く、当然偽物も多く存在します。


店主「Wネームですか...もし本物なら数百万すると思いますよ」

お客様「そうかぁ」

店主「ネットで出回ってるのって、殆どが偽物じゃないかと思うんですけどねぇ。よっぽど信頼のあるところで買わないとスカタン掴まされますよ」

お客様「見分ける方法あるの?」

店主「ギャランティ(国際保証書)がしっかりしたもので、それをティファニー(もしくはカルティエ)で鑑定してもらうしかないですかねぇ」

お客様「そうかぁ...ありがとう」


かなり高価な買い物なので、とにかく慎重にお願いします。



と、丁度その同じ日、ご年配のお客様が電池交換にご来店になった。

こちらの時計↓


セイコーの時計です。
文字盤のインデックスが干支。
少々江戸の風情を感じさせるレトロな雰囲気。


この時計が何か?


電池交換しようと裏ブタを見たら...





!!

出た!

何と!

キンチョウとのWネーム!?(笑)

素敵です。


さっきROLEXのWネームの話してたとこなのに、こんな偶然あります!?(笑)


...あれ?

ひょっとして、お父さん、キンチョウにお勤めされてました?



では、修理品のご紹介。
こちら↓
 ROLEX GMTマスター Ref.16700 自動巻き

大阪府門真市在住のS様所有。
分解掃除、ゼンマイ交換、テンプ調整、パッキン交換、防水検査を行いました。

赤い針が24時間計。
2国の時間を表示できるGMT機能を搭載したモデルです。
N品番なので1991年製造。
一般的なGMTマスターはベゼルが赤と青の2色に色分けされていますが、こちらは黒一色。
パッと見サブマリーナと間違えそうですが、GMTなのでお間違えなく。
S様大事にお使いくださいませ。


裏ブタにデイトナ24時間レース優勝の刻印が入ったROLEXデイトナのコピー品をよく見かけるが、「これ本物?」と持ってこられるお客様には「貴方が長谷見昌弘さん、星野一義さん、鈴木利男さんでなければ多分偽物です」と答えるようにしている腕時計修理専門店トゥールビヨン店主
(上記3人は日本人初のデイトナ24時間レースの優勝ドライバーで、優勝記念の副賞に裏ブタに刻印の入ったデイトナを贈呈されています)

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