東京都美術館で開催中の企画展。渋谷駅ホーム上でずっと宣伝ポスターを見て興味を持ち、ぐるっとパス2009で上野に行った際前売り券をゲット、開催を楽しみに待っていました。
狙いは同展パンフレット左にあるカラヴァッジョの「洗礼者ヨハネ」。昨年秋ミラノに行ったリポートは本ブログに掲載済みですが、その際事前知識もなく立ち寄ったアンブロジアーナ絵画館で「静物」という彼の代表作に魅かれ、その後注目しているバロック派創始者の作品でした。
3フロアに渡って展開される今回の企画展。行って一番興味を持ったのはベタなんですが、パンフレット右にあるラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」でした。単純に綺麗です。
でももっと面白かったのは、この作品はラファエロが描いた後、ガウンと車輪(どうもキリスト教では黙示で純潔とかを意味するらしいのですが)が加筆され、それ故にラファエロの作品ではないとされていた。ところがX線検査でガウンと車輪の下に一角獣が描かれているのが分かり加筆部分を取り去って今の姿となり、それでラファエロの作品と認められた、というストーリー。で、更に面白かったのは実際の作品を見ている人より、その説明パネルを食い入るように見ている人達の方がずっと多かったこと^^;
でも、1室トータルで展示を見ると、カラヴァッジョの作品があった最上階、ラス前の部屋が良かったなあ。
カラヴァッジョは当然に達者で、思いっ切り時間を使って見たんですが、左の写真(借用)にある カラヴァッジョの右に置かれたバッティステッロの「ゴリアテの首を持つダヴィデ」という作品にもかなり魅かれました。
カラヴァッジョの同時代、バロック派の画家だそうですが、ぐっと写実的かつ光の使い方がうまかったです。
この企画展を以って古くなった建物改装のため2年間休館に入るという都美術館。その最後の割にはお客の入りはそうでもなかったんですが、それが幸い、楽しく鑑賞出来ました。
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付録:
車輪の聖性について調べていたら、カラヴァッジョのこんな作品に出合いました:
4世紀キリスト教の聖女で、大釘を打ち付けた車輪で拷問を受けた後、斬首され殉教したとされる≪聖カタリナ≫を描いたもの
だそうですが、宗教画っぽくない、写実的なカラヴァッジョの実力が分かる作品だと思いました。備忘録まで。
…え、この作品、マドリッドのティッセンにあるんだ、知らんかった
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