トンリョウ(TongLiao)ワークブーツ/バイクブーツ

ちょっと作りが違うワークブーツです。

ブーツの吊り込み

2012-08-17 17:02:58 | Boots
 アッパーが完成したのでこれからは底付けの作業に入ります。


まず、“吊り込み”をします。吊り込みとはアッパーをラストの形にする作業です。

それでは順を追って説明しますね。


1、アッパーの甲革と裏革の間にあらかじめ水に浸けておいた月型と先芯を入れます。

月型・先芯共に表面の水気を切り“ばんじゃく糊”という水性の糊を塗ります。
このばんじゃく糊で革と月型を密着させ、月型をさらに硬くします。

このばんじゃく糊はピーナッツバターみたいな色で食べられそうな匂いがするんですよ!
(もちろん食べ物じゃありませんけど・・・)


2、アッパーをラストに被せて仮止めをして、月型の入っている箇所をポンポンで叩きます。

叩く理由は、
A、月型の密度が増す。(より固くなる)
B、甲革のキメが細かくなり踵(先芯のところは爪先)廻りがキレイになります。
C、アッパーがラストになじみ吊り込みがしやすくなります。


3、踵に釘を打ちます。※写真を撮るのを忘れました・・・
みなさんも履いている革靴を見てもらうと踵の上の方に穴が開いてると思います。

これは吊り込む際にアッパーが下に落ちるのを防ぐ為です。


4、踵廻りを吊り込みます。

トンリョウでは踵廻りにウェルトをかけないので“タックス”という釘で止めます。
 釘を打ちますが、ラストの底面に鉄板が貼ってあるので釘の先が潰れるようになってます。

ピンボケしちゃってますが吊り込んだ革の端が凸凹してるの分かります?
これは革を伸ばしたり・まとめたりするのでこうなります。平らな革を立体にするのでこんな風になります。
(後で叩いてある程度は潰します)

5、踵廻りが終わったら爪先から全体を吊り込みます。

使っている道具は“ワニ”といわれています。革をつまむところがワニが噛む姿に似てるからですかね?

踵廻り以外はウェルトをかけるので仮止めになります。使う釘も普通の釘です。


6、すべて吊り込んだら余分な革をカットして、釘を内側に倒し完成です。

釘を内側に倒す理由は、革が引っ張られチョットだけ馴染むのと、ウェルトをかけるときの作業性の向上です。

この状態で底面のエッジを出すために叩きますが、月型・先芯が乾いたころまた叩きます。



 ブーツ作りとは全然関係ないんですが、先日我が家の近くでこんなのを見ました。

息絶えたアブラゼミがアリの巣入口に運ばれているところです。
アリの巣って綿棒ぐらいの大きさなのにセミまるごとって・・・
 ちょっと気持ち悪く見えるんですが、無駄がありませんよね。




トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

興味のある方・ご質問のある方はお気軽にご連絡ください。




価格 : ラスト代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
     ブーツ代  ¥115,000(税込¥120,750)~


 
連絡先等は
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