“ドラマは疲れるけど、クサイ芝居はしたくない”
「いっぱい役者さんがいるのに、歌手の僕を使ってくれるなんて光栄だけど、複雑な心境です。プレッシャーもなくはないしね。」
新設される二時間ドラマ「ザ・サスペンス」の第一弾「陽のあたる場所」である。
主演が決定した後、このドラマの下敷きとなった、アメリカ映画「陽のあたる場所」を見た。下層階級で育った男が、出世の野心と、素朴な愛の狭間で苦悩し、哀れな結末を招く物語である。
「見たから、自分の演技をどうこうしようと思いませんでした。ただクサイ芝居はやりたくないから、できるだけさりげなく演じたつもりです。」
主人公・菊池康雄は、出世の妨げになる妊娠した恋人を、溺死させてしまう。事故だったのだが、彼は裁判で罪を認める。
「このあたりの心理描写が見せ場やね」とニヤリ。
「でも、この主人公、人を踏み台にしていいわけないよ。後ろめたいし、良心が咎めるもの。僕だったら、自分の足で一歩一歩登っていきたいと思うけど・・・。」
キンキンキラキラ一等賞のキャッチフレーズを背負うジュリーの素顔はいたってきまじめなのだ。
「もともとは、ごく平凡。自分は普通やから、ここまでやってもいいんだ。“見る人だって、僕が本気でやってるなんて思わないでしょう”と思ってやっている。化粧をするからホモかとか、女か男かとか、平たく見られるのはどうも・・・。僕は歌を演じてるんだ。」
したがって、歌も芝居も演じることに変わりはないが、慣れ不慣れの点で、歌の方が楽だという。
「芝居は、神経がとにかく疲れます、僕はこんなことはしない、そんな顔はしないと思いつつ、演出家に従ってやってしまう。演技を演技するいうんかな。いつも構えている。歌はメロディーがあって、曲が後ろに流れていて、スキが作れるからね。」
多才多芸な人である。十年ぶりに復活した「タイガース」も大成功。記念コンサートに忙しい。
「そんなに甘くはないと思いながらも、歯車が合えば絶対売れると思った。タイガースは航空母艦、僕はロケット。四人に会わなかったら僕は影も形もなかった。また十年たったらタイガースで芸術祭でも狙おうかな。作曲の仕事もあるし、今年は何でもやろうと思っているんです。」
一流のエンターティナーとして、ますます意気軒昂なジュリーだ。
夏目雅子、森下愛子、世良正則等と共演した「陽のあたる場所」というTVドラマを撮ったときのインタビューだ。
これは録画をあとで見たのだが、ドラマとしてのあまりの出来の悪さに腹が立ったので、ほとんど2、3回しか見ていない。
ジュリーが自ら言っているように、たぶん主人公に共感できなかったんだと思う。さりげなくもなにも、何を考えているのかさっぱりわからない男だった。
ものすごく心理描写はむつかしかったと思う。
同僚の行員である森下愛子を本当に愛したのか、本当に邪魔になって殺そうと思ったのか、本当に出世だけが願いだったのか、お嬢様の夏目雅子を本当に愛したのか、お金だけを愛したのか、どれにもあてはまらず、ただ、茫洋として、なるがままに流されてしまった、という風情だった。
ジュリーはこの頃から犯人役なんてやりたくなかったんだろうなあ、と思う。
心の中で「こんなん違う、違う」と思ってやっていれば、表には現れるものだ。
まだまだ、演技開眼してない頃のジュリーのインタビューだ。
「いっぱい役者さんがいるのに、歌手の僕を使ってくれるなんて光栄だけど、複雑な心境です。プレッシャーもなくはないしね。」
新設される二時間ドラマ「ザ・サスペンス」の第一弾「陽のあたる場所」である。
主演が決定した後、このドラマの下敷きとなった、アメリカ映画「陽のあたる場所」を見た。下層階級で育った男が、出世の野心と、素朴な愛の狭間で苦悩し、哀れな結末を招く物語である。
「見たから、自分の演技をどうこうしようと思いませんでした。ただクサイ芝居はやりたくないから、できるだけさりげなく演じたつもりです。」
主人公・菊池康雄は、出世の妨げになる妊娠した恋人を、溺死させてしまう。事故だったのだが、彼は裁判で罪を認める。
「このあたりの心理描写が見せ場やね」とニヤリ。
「でも、この主人公、人を踏み台にしていいわけないよ。後ろめたいし、良心が咎めるもの。僕だったら、自分の足で一歩一歩登っていきたいと思うけど・・・。」
キンキンキラキラ一等賞のキャッチフレーズを背負うジュリーの素顔はいたってきまじめなのだ。
「もともとは、ごく平凡。自分は普通やから、ここまでやってもいいんだ。“見る人だって、僕が本気でやってるなんて思わないでしょう”と思ってやっている。化粧をするからホモかとか、女か男かとか、平たく見られるのはどうも・・・。僕は歌を演じてるんだ。」
したがって、歌も芝居も演じることに変わりはないが、慣れ不慣れの点で、歌の方が楽だという。
「芝居は、神経がとにかく疲れます、僕はこんなことはしない、そんな顔はしないと思いつつ、演出家に従ってやってしまう。演技を演技するいうんかな。いつも構えている。歌はメロディーがあって、曲が後ろに流れていて、スキが作れるからね。」
多才多芸な人である。十年ぶりに復活した「タイガース」も大成功。記念コンサートに忙しい。
「そんなに甘くはないと思いながらも、歯車が合えば絶対売れると思った。タイガースは航空母艦、僕はロケット。四人に会わなかったら僕は影も形もなかった。また十年たったらタイガースで芸術祭でも狙おうかな。作曲の仕事もあるし、今年は何でもやろうと思っているんです。」
一流のエンターティナーとして、ますます意気軒昂なジュリーだ。
夏目雅子、森下愛子、世良正則等と共演した「陽のあたる場所」というTVドラマを撮ったときのインタビューだ。
これは録画をあとで見たのだが、ドラマとしてのあまりの出来の悪さに腹が立ったので、ほとんど2、3回しか見ていない。
ジュリーが自ら言っているように、たぶん主人公に共感できなかったんだと思う。さりげなくもなにも、何を考えているのかさっぱりわからない男だった。
ものすごく心理描写はむつかしかったと思う。
同僚の行員である森下愛子を本当に愛したのか、本当に邪魔になって殺そうと思ったのか、本当に出世だけが願いだったのか、お嬢様の夏目雅子を本当に愛したのか、お金だけを愛したのか、どれにもあてはまらず、ただ、茫洋として、なるがままに流されてしまった、という風情だった。
ジュリーはこの頃から犯人役なんてやりたくなかったんだろうなあ、と思う。
心の中で「こんなん違う、違う」と思ってやっていれば、表には現れるものだ。
まだまだ、演技開眼してない頃のジュリーのインタビューだ。