<川は流れる>

Reiの好きなこと、ここだけの話

「悲劇喜劇」②

2008年10月27日 | ジュリー演劇
「悲劇喜劇」で「横内謙介」さん(扉座主宰)が、ジュリーと同じく、マキノ氏に寄せた文章があるが、その中でとても興味深い箇所を抜粋したい。

「異端なる正統派」

この二十数年、演劇界というのは、それほど変わってきたということである。  そういう変化を生んできた一人が、ほかならぬマキノノゾミである。

そんなマキノはアンチテアトロ派の圧倒的隆盛に対する、大衆劇派逆襲の旗手である。

そもそも現代演劇界においては、アンチが主流というのがおかしなことだった。しかしそれはおそらく文明開化以降の潮流であったと言えるだろう。新劇は伝統芸能のアンチであり、アングラはその新劇に対するアンチであった。小劇場ブームはアングラのアンチであったのだが、だからと言って一気に大衆に開かれた演劇の王道に回帰するのではなく、あくまでも新人類文化という、カウンター的カルチャーとして花を咲かせた、
言ってみれば、我が国の現代演劇は実はずっと大衆と付き合ってこなかったのである。


すごくおもしろくてわかりやすい解釈である。
私たちは演劇と言えば、アングラ(ワケがわからない)だと思っていた。ちょうど高校時代に流行したからだ。演劇部員たちはこぞって、わけのわからない脚本を書き、それを競っているようにも見えて、どうしても文化祭に上演される劇も見に行こうという気持ちにならなかったのを覚えている。
今、純粋に正統派に見えるマキノ氏も実は、「異端なる正統派」として戦ってきた歴史があるのだな、と思った。
それはジュリーにも同じく、不思議とこの「異端なる正統派」はジュリーの歌手人生にもあてはまる。
ジュリーとマキノ氏が通じる部分はこういうところにあるのかもしれないと思った。
マキノ氏ならジュリーの良さを存分に引き出してくれるかもしれない、と大きな期待で胸が膨らむ^^。
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2008年「悲劇喜劇」を読んで

2008年10月27日 | ジュリー演劇
最新のジュリーの演劇に対する想いが載っています。
ジュリーは最初から演出家には恵まれていて、蜷川幸雄さん、宮田恵子さん、栗山民也さん、串田和美さん、久世光彦さん、加藤直さん、など、そうそうたるメンバーが揃い踏みです。
けれど、ジュリーが恵まれているのではなくて、演出したい!と演出家たちを誘惑する魅力がジュリーにはあるからですね。
そして近年はマキノさんです。このマキノさんはジュリーよりもずっと年下だし、ジュリーはスター、マキノさんはファン、そういう関係で、マキノさんに対して偉そうにしててもちっともかまわないし、むしろ、そうするほうが自然だと言えるのに、そんなことはせずにきちっと演出家として尊敬しているジュリーは謙虚な人ですね。
この謙虚な姿勢と、持ち前の頑張りと、コツコツと努力を積み重ねる性格と、そして類まれな感性で、どんな経験を積んだ役者よりも、その舞台を魅力的に演じてこれたんだと思うのです。

来年は「桂春団治」の再演もありますが、実は春団治より、「夫婦善哉」の柳吉の方が自分に合ってるし好きだと書いてあったので、とても嬉しかったです。何故なら私も柳吉さんが大好きだから。3回目になる春団治より、柳吉さんを見たいと直美さんに言いたい気分でいっぱいです。
ジュリーとしては、マキノさん演出で再演、なんて構想があるのでは?と思われるような文章でした。
それと久世さんから遺言のように言われていた「センセイの鞄」の再演、こちらも楽しみです。まだまだ枯れたセンセイを演じるには早すぎたジュリー、私としては役柄と同じ年齢になった時がいいのでは?なんて思ってます。
そしてそして~、「哀しきチェイサー」ですよ、来年の音楽劇は「探偵」です。マキノさんの思い入れのある歌、それを脚本にする喜びなんてものが、観客にも伝わるような、そんな舞台を期待しています。
若いときに裕也さんが演じたあの、探偵なんだか、詐欺師なんだか、チンピラなんだかよくわからない、うらびれた淋しい場所で生きているゴミみたいな男、だけど自分を慕う弱い仲間たちへの愛情が強くて哀しい、あのイメージが今も脳裏から離れない私たちだから、きっと少しはそんなものも感じさせつつ、マキノさんの演出が光るのではないかと、すごーく期待しています。

今年は還暦イヤーで、ドームまで突っ走るジュリーだけど、この演劇の部分でも自分を余すことなく表現して私たちを楽しませてくれるジュリー、来年は演劇イヤーになっちゃうかも。^^
そして、歌手沢田研二だけにしか興味のないファンの人たちに、紛れもない本物の役者ジュリーを是非感じて堪能していただきたいと切に願っています。

コメント (2)
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