EL&P図書室3号

2001本目の記事から2.5号から3号に変更

ミュージックライフ 1979年 1月号

2014-05-17 09:52:48 | MUSIC LIFE誌に載ったEL&P関連
ミュージックライフ
1979年1月号



クィーンの時代

本号は、ラヴ・ビーチをリリースした頃ものですね。

この頃になると、EL&Pのメンバーはカラーグラビアには登場しなくなり、
ミュージックライフ誌は、クィーン誌へと変貌を遂げていたわけです。

それでも、カールは、このブログで以前書きましたように、
ラヴ・ビーチの国内発売の前に、来日をしており、
このミュージックライフ誌にも、
ラヴ・ビーチに関するカールへのインタビューが収録されています。


扉部

アルバムを仕上げたばかりなので、
アルバムに対する質問へのカールの応答は、
すべて肯定的な見解となっており、
アトランティックの強引な命令によってアルバムづくりが嫌々行われた事は、
微塵も感じさせない内容になっていますね。

シンセサイザーを強調せずに、ギターでの表現を多くした事にも触れています。

この姿勢に関しては、ワークスのプロモーションのために、
メンバーがインタビューに答えているラジオ番組があって、
その内容がレコード化されているのを取り上げた事がありますが、
インタビューの時点で、(シンセサイザーを強調する)エレクトリックな方向性はもう限界ではないかと、
EL&Pのメンバー全員が納得していたところもあり、
その意見と符合する感じもありますね。

そして、その回答の隙間を埋める記者の文章も、
ラヴ・ビーチというアルバムこそが、
いつまでも同じ場所に立っていないEL&Pが真にプログレッシヴなバンドである証であるような事を述べており、
売れる、気に入られるかという保証は蚊帳の外におき、
肯定的な意見でまとめています。

ラヴ・ビーチの内容はともかくとして、
このインタビューを読んで面白かったのは、
カールの立ち位置というのは、本当に客観的に他のバンドが見える感じなのかなと、
思ったものです。

EL&Pはカールが曲作りに参加しているとしても、
そのメロディーのほとんどが、キースかグレッグによって作られたものであり、
あるいは他者の曲のアレンジであるわけです。

そのため、キースやグレッグというのは、
自分たちのバンドの音楽に対する客観的な見方がカールほどには、
出来ているとは言えないところもあるかも知れないですよね。

その点、カールはEL&Pの過去の音楽を検証しつつ、
他のプログレバンドの音楽の構造についても観察できる視点を、
しっかりと持っているように見えますね。
その自信からか、はっきりし過ぎた意見を述べていますね。



当時、アメリカンプログレとして台頭して来た、「カンサス」等を、

「カンサスやスティックスなど、実にファンタスティックだと思うよ。
でもいずれの場合も既にある音楽だけどね。
~中略~ 
僕らが2~3年前に演奏してしまっているようなものでしょ。」

と一刀両断!

高校生の私は特にカールに心酔をしていたわけではないけれど、
この箇所だけは、記憶に残っており、
その時から数10年した今でも、おおよそは、この言葉の通りのような気がします。

そして、カールがラヴ・ビーチに対して述べた肯定的な意見ではありますが、
同時に不完全燃焼感もあって、
その足りない部分を埋めてくれたのが、ウェットンやダウンズのポッププログレだったという事になりますか。

以上。

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