夕方、うれしい知らせ。
こちらも肩の荷がおりた感じもある。
吉本隆明さんの「カールマルクス」。
いままで、なぜか、「理解できないだろうな」と思って
アマゾンでの購入をひかえてきたけれども、
なぜか、ここにきて購入し、三時に目が覚めて読み始める。
中沢新一さんの解説を先に読むと、かなりの大絶賛である。
吉本さんによれば、マルクスの生涯の大きな流れとして三つあると。
(1)宗教から、法・国家という幻想への流れ
(2)市民社会の構造を解明するカギとしての経済学
(3)自然哲学の道
であると。
特に、(3)が重要で、経済的カテゴリーのみの「資本論」だけで、
代表的に言われる「疎外」とか「自己疎外」とか「疎外された労働」とかを
語ってしまうと、マルクスの全生涯を語ることにならないのだと。
唯物史観になるかもしれないが、物質ベースで自然科学的に、つきつめていって、
なお、幻想性を有する「法・国家」にいたっているという、ふわふわした幻想のみを
切り離して、幻想的な「法・国家」を論じていないという点が、重要で、まさに「古典」になりえた
といっているのかもしれない。
話は飛んで、「階級」といっても、資本家の友達が、労働者かもしれないし、
労働者の身内は、資本家かもしれないし、ということを想定すると、
「階級」とだけいってしまうと、「政治的」な言葉になってしまうとのこと。
まだ、途中ですが、かなり読みやすいし、刺激的。
宮台先生がいっていた、吉本さんの知識人に対する「構え」を如実にあらわしている
文章があり、この文庫本に「招待」されているように感じた。
内田樹さんがいっていたが、頭にキックをいれられた気分である。
「自然哲学」を勉強してみたい気もするが、大変だろうな。