風の記憶

the answer is blowin' in the wind

お盆には

2008-08-10 | 田んぼ・平野

Nikon D200  TAMRON 17-50□□
山形県遊佐町大蕨岡□□



お盆(おぼん)は、先祖の霊があの世から帰ってきて家族と一緒に楽しいひとときを過ごし、また帰っていく、という日本古来の信仰に基づく行事で、一般に仏教の行事と認識されていますが、仏教の教義で説明できない部分も多く、日本在来の神道的行事に仏教行事の「盂蘭盆会」(うらぼんえ)が習合して現在の形が出来たと考えられているそうです。

お盆の明確な起源は分かっていないそうですが、古には1年に2度、初春と初秋の満月の日に祖先の霊が子孫のもとを訪れて交流する行事があり、初春のものが祖霊の年神として神格を強調されて正月となり、初秋のものが盂蘭盆会と習合して、仏教の行事として行なわれるようになったといわれているのだそうです。

とても喜ばしいことが起きたときや、とても忙しいときに「盆と正月が一緒に来たようだ」とよく言われますが、元々は同じ行事だったのですね。

ともあれ現代においても年2回、お正月やお盆は都市部に出て行った人々が故郷に帰ります。毎年恒例の帰省ラッシュ。大変なご苦労ですが、自分が生まれ育った場所に帰り、父や母、祖父や祖母、そして自分へと繋がる祖先の霊を供養し感謝する、と言うことはとても大切なことだと思うのです。自分をこの世に生み出してくれた両親そして先祖、その誰かが一人欠けても、今の自分は存在しないのです。

つまり、先祖を供養するということは、命に対して感謝するということだと思うのです。
感謝するとは、心が豊かになること、そして心が豊かになることは、つまりは「幸せになる」ことです。

今年もまたお盆の季節がやってきました。
庄内平野には田んぼが青々と広がり、稲が花をつけています。お盆を堺にしたようにその稲穂には実が入り、やがて秋には豊かな実りとなって私たちの糧になるのです。
そんなことを考えるとお米はまるで、お盆にやって来た祖先の精霊たちが、私たちの糧になるようにと稲穂ひとつひとつにおいていった おみやげのように思えるのです。



 











 


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (neko)
2008-08-14 01:16:57
お盆ですね。
今年は帰れませんでした。やっぱり取り残された気がしてなりません。来年は帰ろうと思います。

田んぼの中をまっすぐに抜けるあぜ道。良いですね。
大蕨岡のZ坂からの風景でしょうか。(^^?
上吉出から白井新田へ抜ける坂道の風景をも思い出します。
稲穂に実が入り、田んぼの色が微妙に変わる季節ですね。

暑いので夏ばてに気をつけてください。
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Unknown (伊藤)
2008-08-14 11:49:57
nekoさん、こんにちは。(^^)

そうそう、大蕨岡のZ坂(と言うかW坂ですね(^o^))からの風景です。よく分かりましたね~♪
ここの坂は、桜の季節によく訪れるのですが、遊佐の田園地帯がよく見えてお気に入りの場所です。
それに仰るとおりの、上吉出から白井新田へ抜ける坂道や藤井公民館のあたりとか、金俣から杉沢へ抜ける道なんかもお気に入りですね。
nekoさん、来年は是非帰郷して下さ~い。

お盆を過ぎて、田んぼはほのかに秋色の準備に入りましたよ。
(^^)/
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Unknown (aiko)
2008-08-16 00:11:24
伊藤さん,こんばんは。
お久しぶりです。

1枚目の写真,いいですねー。
田圃の中を真っ直ぐに伸びる道や線路,とても好きです。
その向こうに山があったりすると,もう最高です^^

伊藤さんの記事や写真を見ていると,本当に庄内が好きなんだなぁ,としみじみ思います。
庄内で生まれ育った人は,みんなそうなのかな。
故郷を心から愛する人が多いように感じますよ。

今は仕事中なのですが,日付も変わって,そろそろ頭も手も回らなくなってきたので(笑),ちょっと癒されようかなぁとやってきました。
いつもありがとうございます。
さて,もうひと頑張りしますかー。
返信する
Unknown (NoB)
2008-08-16 06:43:59
 お盆の頃、稲には花が咲き、穂が実り始め・・・こう田に囲まれて日常的に田園を車で走る生活している者にとっては、当たり前の景色なんですが、伊藤さんのカメラアイを通してみると、まさに美しい夏ですね。

 緑が美しい。

 畦に咲く花も美しい。

 お盆って、地方地方で個別な個性を持っている民俗的行事ですよね。それこと、隣村ではまったく異なる習慣を持っていたりする。
 ですから、このような行事を生まれた場所で過ごす度に、先祖との繋がりを空気的に(血が)思い出し、日本人として無個性化していた心身がリセットされるような気がします。

 このような情景を私も撮っていきたいです。
返信する
W坂 (neko)
2008-08-16 22:42:41
伊藤さん、こんばんは。
先日の大雨、ニュースで見ましたが大丈夫でしたか?土砂崩れなど被害も出たみたいですが、田んぼは大丈夫だったでしょうか。

数年前の風台風の塩害を思い出しました。あの時はすごく信じられず悲しかったです。
やはり、稲穂が豊かに実って秋を迎えられるというのは、その風景を見ながら生活できるというのは、幸せなことですね。農家の方々の努力あっての風景ですね。

W坂でしたね。(*^_^*)間違いました~。
また田んぼに囲まれて写真を撮りたいです。
畦道にうずくまって土のにおいを感じたいです。
私が一歩踏み出すたびに、イナゴがザザザーっと逃げていく音が今でも耳に残ります。

伊藤さん、これからも写真楽しみにしてますね。
返信する
Unknown (tacoro)
2008-08-16 23:19:31
ステキですねーーーーーー
心が、とっても和みます。
どうしたら、こんなに詩情溢れる美しいショットが
撮れるのでしょう。
そして、心に沁みる文章もいいですネ!

伊藤さんにお会いしてみたい気がします。
返信する
Unknown (伊藤)
2008-08-17 00:50:11
aikoさん、こんばんは。(^^)

田んぼの風景はこちらでは当たり前の風景なのですが、四季折々に見せてくれる輝きはやはり良いものです。
この写真は、庄内平野の東側の小高い山から西側の日本海方面を撮影したもので、遠くに霞む小さい山並みの向こうは海なんですよ。

庄内、好きですよ~♪ ここに暮らしていたときは何とも思わなかったのですが、一度離れてみたらその素晴らしさが身に染みて分かったんです。
私に限らず、皆さんご自分の故郷は少なからず自慢なんじゃないでしょうかね~。(^o^)最近、TVで県民関係の番組が視聴率が良いそうですので。

お仕事頑張ってくださいね。でも、お身体は大切にムリなさらないでくださいね。人間、身体が資本ですから。
(^^)/
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Unknown (伊藤)
2008-08-17 00:58:39
NoBさん、おばんです。(^^)

そうそう、私たちにとって当たり前の田んぼの風景ですが、四季折々に素晴らしい輝きを見せてくれ、なんとかそれをカメラに納めたいんですよね。
この時期は、緑です。緑の大平原が美しいんですよね。
それに、この時期に畦道に咲く花も美しい。
そちらもそうでしょうね。

それから、お盆の話ですが、おっしゃるとおり地区地区で微妙に違いますよね。同じ庄内でも、いろんな風習があったりして、興味が尽きません。
(^^)/
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Unknown (伊藤)
2008-08-17 01:10:12
nekoさん、こんばんは。(^^)

先日の大雨、凄かった・・・ようですね。(^^;)
と言うのも、酒田市内は大降りだったものの、被害までには至らなかったのですが、庄内空港付近や庄内町ではもの凄い降り方で(庄内町はなんと400ミリ以上降った模様です)被害も、庄内町や鶴岡では床上浸水したり、高速道路では崖が崩れて1日通行止めでした。
最近の雨は本当に超局地的なゲリラ雨で恐いですよね。

数年前の風台風の塩害、あれもひどかったですね。あんな稲穂の光景ははじめてみました。北庄内ではかなりの被害で農家が大打撃でした。
おっしゃる通り、何事もなく無事に収穫される幸せは何にもまして嬉しいことなんですよね。

写真を撮っているとまたそれが実感できます。この青田もこのまま何事もなく順調に育ってくれて、秋の実りを願うだけです。イナゴがザワザワする田んぼって、何だか豊かな気持ちになるんですよね。
(^^)/
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Unknown (伊藤)
2008-08-17 01:14:20
acoroさん、こんばんは。(^^)

この時期の青田は少し高い所から眺めると本当にきれいです。それは、キラキラと宝石のような綺麗さではなくて、しみじみと心に染みて清々しくなるような何とも言えない美しさですね。
そんな写真が撮れたら、何もいらないですね~♪
(^^)/ありがとうございます~♪

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