ライブにおいて観ている人たちが音が聞き取れる言うこと、とても大事である。
もう少し細かく言うと、歌、各楽器がなにをやっているか明確にわかる・・・と言うことだ。
これはもちろんPAでの再生にもかなりの比重が来るが、基本となるのは、演奏者側でどんな音作りを
してくれるか、どんなバランスで出してくれるか、が大事な要素にもなる。
元からの音が悪い、バンド内でのバランスが悪いとこちらもなかなか難しい。
そりゃ、バンド内の生音がお客さんにはまったく届かない状態で、こっちで音を100%コントロール出来るなら、
EQなどで調整してなんとかなるかも知れないけど、東京ドームじゃあるまいし、ステージ内の音も相当影響する。
東京ドームでもステージ上の音は届いているだろうけど。
先日出たBunglersと言うバンドは全員の音作りがとてもうまく、ギターのフレーズ、ベースのフレーズ、
ドラム、ボーカルと全ての音がきちんと聞き取れ、どういうアンサンブルなのか非常に良くわかる。
そういう音、及びバランスでバンド内で完結してくれているから。
これはPA側にとって非常に楽で、こちらで大きく調整をしなくてもフェーダーの上げ下げだけで済んで
しまう。
また、Voのモニターもリハ時に下げ気味で作れたので、これまたハウリングの危険が少なくなる。
またドラムも大切で、そりゃわざとやかまいい感じに叩く曲やそういうバンドもあるだろうけど、このバンドは
これまたメリハリがついていて、キック、スネアを中心に演奏を組み立ててくれるので金物で悩むこともない。
曲にもよるんだけど、シンバルをハイハット代わりに叩くとか、オープンハイハットを乱暴に叩くとか、色んな
表現方法があるのはわかるけど、当然そういった奏法はボーカルやギターをマスキングする。
ボーカリストは声を張り上げねば聞こえてこず、ギタリストもハイ、あるいはボリュームを上げ気味にする。
「この曲はそういう音像だから仕方ない」とわかっている場合はいいけど、「原因」がわからない状態で
自分の音を確保しようとすると結局色んな所に無理が来ることになる。
そういう叩き方をものともしないロバートブラントのようなボーカリストなら関係ないだろうけど(笑)。
そしてそういう音像は結局、PA側も対応は難しんだなと心得ておくべきである。
何度も言うが、「そう言う音像」を狙ってやっている場合はそれでいい。
ガレージバンドがあまり小奇麗な音でやってもサマにならないかも知れないしねえ(笑)。