フジコ
峰不二子・・・は、実はルパンと会う前は殺し屋稼業をやっていたので、この「フジコ」とも共通点はある。
いや、むしろ不二子の方がもしかしたらたくさん殺害していたかも・・・?
この「フジコ」とは「森沢藤子」のことで小説の主人公、登場人物の一人ね。
これ、前から本屋で気になっていて、読もうかなあ、どうしようかなあと思っていたんだけど、POPがまず、
連続殺人が主題みたいなことが書いてあったんで躊躇していたんだよねえ。多分後味悪いだろうし。
それも昔の小説なら当時の基準と言うか作者のモラルが利いていて大丈夫かなあと思ってもいたんだけど、
(ま、それもどうかと思うけど)これは立派な最近の本だし、もうモラルのかけらもない描写があったらイヤだな・・・と。
でも誘惑に勝てず買ってみました。題名からして2冊は関係あるんだろうなとは思っていたけど、まずは、
1冊目の方ね。ちょっと前に話題になったんでとっくに読んだって人も多いと思うけど、今更ながら私も読んでみました。
そして、2冊目。
結論から言うと、POPは大げさでもなく間違ってなかったです。大体は「まあ、確かにこんなもんだろうな・・・」程度の
読後の感想な場合が多いんですが、これは本当にPOP通り、かなり仰天します。
それでも謎も多いんで1冊目は本気で一気に読まないと難しいかも。いや、何日にも分けて通勤電車の中で
一回30分くらいずつ読んでたりすると、前の事少し忘れたりするじゃない?それでも大丈夫な小説もあるけど、
これは出来れば一気に読んだ方がいいかなあ。いや、途中で止めれないかも。
でね、謎が多いって言ったけど、読後も一応は「すげ~、そうくるか!」って仰天して納得するんだけど、
でも解決してない問題もあるわけね。で、2冊目でもっととんでもない結末、解決に向かってやっと一応は
納得できる。
でも心配した通り、決して愉快な話ではないんで読後はハッピーにはなれません。ズドーンと衝撃が・・・。
ま、でもやっぱり大ヒットしただけあって納得できる凄い本です。どんな人かと思ったら作者は俺と同じ歳だった。
だろうなあ、20代くらいの勢いだけで書くような小説や文章ではないもんなあ。
前にも書いたけど若い人が書く文章ってどうしても若さが文章に出る時があって、ああ、若いなって思っちゃう
ときもあってちょこっと興ざめするときもあるんだよね。伏線もちょっとあざとかったりして。
いや、年齢が若くても素晴らしく深い人もいっぱいいるとは思うけどさ。
決して積極的にオススメはしないけど、買って損はないから(文庫なんでそれほど高くはないし)、頭がクラクラする
体験がしたい人はどうぞ。必ず2冊読むことをオススメします。そして、1冊目はあとがきの最後の最後まで読まないと
ダメですよ。それだけでも衝撃ですが、2冊目を読んだ時にもっとわかります。