「福祉は金のない弱者から金を巻き上げる仕事」と今や公然と学生に伝える、福祉大での教育。私の現実に知る医療福祉は〈特に精神科医療関係は〉、まさにその通り。ストレートな言い方をすると、そうなる。肯定しないが、まぎれもない現実である。
そこから脱出するにはやはり、理論武装し、自分から法的にやっていくしかない。
法律とは
国連障害者権利条約
日本国憲法〈社会権、生存権、労働権、など〉
障害者基本法
障害者総合支援法
障害者差別解消法
障害者虐待防止法
障害者雇用促進法
その他、根拠法令
これらを武器に、不当なことには集団で立ち向かう。弁護士を雇ってでも権利侵害から身を守る。
そう、役所も福祉現場とつるんで、当事者を言い含めることがある。自分は専門職資格を持ち、その誘導が違法行為だと看破できるので、強く抗議し自分で法令を調べて、その通りにさせることを獲得してきた。その歴史は、このブログをたどれば綿々と描かれている。
医療福祉牧畜産業に囲われたい人は、それでいい。
でもなぜ、そこに囲われたいと思われるでしょうか。
きっとその方には社会でのつらい過去があり、保護を求めておられるのでしょう。
本当なら、福祉の理念通りなら、「それでいいのか」と問うべきなのかもしれませんが、現実の福祉現場ではそういうのは駄目ですね。事なかれ主義。諦観と傍観が肝要。
昨日、福祉の理念通りの相談支援を実践されている事業所の講演会に参加し、先日の大先生出身校の人たちの話を聞いてきました。利用者さんもしっかりとご自身の話をされ、立派な実践だと思いました。でもそこにいくまでは、かなりの労力が使われていることは明らかでした。対立を乗り越えて対話することは、時にケンカになります。そのケンカをも覚悟する必要があります。私の働いた現場に、その労力やケンカを受け入れる余地のある福祉現場はありませんでした。そういうのは極力排除したいのが、今の医療福祉の現実です。だから、オープンダイアローグも当事者研究も、医療福祉現場一般に広まることはないと思います。
そういう面倒くさい営みを排除すると、当事者は育たないと思います。福祉牧畜産業にとっては利用者はブロイラーか金を産む鶏ですから、健康になってもらっては困るのです。だから、先進的営みは決して医療福祉の現場に広まらないでしょう。
なぜ、医療福祉産業は人材が定着しないか。それは人を短期間で入れ替えることで昇給されること、賞与を支給することを防ぐため。なのかなあと。現に、定着率の悪い社会福祉法人ほど、利益率は高いという報告も目にしています。
福祉の質を高めることと福祉牧畜業の利益は相反しています.職員が定着すれば質が高まる可能性が出ますが、金のならない理念通りの福祉実践では労力がお金にならないところに取られ、利用者が力をつけて卒業されれば、アガリがなくなるから新しいお客さんを集めなければならず、さらに職員の昇給やボーナスでお金が消えるのです。
利用者が力をつけるための「もがき」「試行錯誤」に、いろいろ労力がかかり効率的とは言えず、職員には利用者の回復への試行錯誤についていくだけのスキルも体力も気持ちすらないことが多いのです。私が取り組んでいる「治っていく」営みは、福祉のリアル現場にとっては経済的利益に反する面倒くさいだけの営みです。医療福祉経済にとって「治る」は利益を生まない試みです。
福祉牧畜業の真実の目的は一般企業同様に利潤追求であり、現状は理にかなっているわけです。福祉牧畜業の今のやり方で確実に安定的な収益をあげられることが、現状から改まらない真の理由だと思っています。
ですから。ほんとに、発達障害や知的障害のみならず、多くの事柄に医療福祉は「無気力試合」がデフォルトになっています。支援者のリアルな仕事は、自分の経済支援です。福祉職は商売人・またはサラリーマンだから、当たり前です。事実なのでもう仕方がないです。
エネルギーのある人。気力のある人。福祉とは金のない弱者から金をむしり取る仕事・産業です。あなたの必要とするサービス以外は、いらないのです。いらないサービスを脅して押し付けるようなことは、あってはいけないのです。そのような場合は、組織とは関係のない支援者、労組などの組織または弁護士のところに相談に行きましょう。〈もっとも、やくざ者のブラックなユニオンやブラック弁護士。というのもいるので注意が必要ですが〉