障害者雇用外注ビジネス農園に、通所している就労移行支援事業所から実習に出た人から感想が出た。
「仕事完璧にできて、周りの人たちと違って指摘一切なかったけど、あなたはほかの会社でもできるねって言われて…」
とのことだった。
さらに聞いていくと、他の人たちは農園指導員の指示にあっちの方向で作業してしばしば指摘されているが、むしろそういう人のほうが採用される。「何でもできるから、ここである必要はないね」と言われてきた。とのことだった。
冒頭の彼は、「社会の役になんか立たなくていい」「楽して金が欲しい」と公言して外注ビジネス農園を熱心に志願していた。しかし彼はこれまで工場労働者としてウン十年「普通に」勤務してきた人材だ。
外注ビジネス農園が新聞等で望ましいと喧伝する採用候補は「介護の必要のない重度知的障碍者」。口が達者な彼は範疇から外れるらしい。
彼は障害者雇用ダブルカウント対象〈重度の知的・身体障害者〉ではないし、仕事もそつなくできて意思もスムーズに伝わってしまうので、不満が出て毎日新聞や労働局に注進されては困る。ということなのだろうか。
「介護の必要ない重度知的障害者」。かつて勤務した生活介護関連社会福祉法人は、手放さないだろうな。そんな都合のいい「金の卵」。重度判定だけど介護の必要はない。親がギャアギャア言ってくれているおかげか、介護ほとんど不要で楽なのに介護区分は異様に高い〈例えば介護不要で区分3かと思いきや区分5で、一日の上りが1万とか〉。そういう人は、確かにいる。親たちも企業になんか就職させようとしない人が多い。大手社会福祉法人で一生囲ってもらって安心したい、という方が非常に多い。一生子供の面倒を社会福祉法人に見てもらおうと、何千万何億円もの寄付をする親御さんも見てきた。露骨に「2億円寄付してくれたら一生面倒見てやる。」と公言する老舗社会福祉法人にも出会ったことがある。
そういう社会福祉法人に寄付しない、できない家庭の大人になった重度知的障害者がメインターゲットなのだろうと想像する。彼らのビジネスなのでどうでもいいが、それにしてもますますもって見損なった。まつたくくだらない虚業ビジネスだな。という印象を強くしました。