(2021年12月6日)前回の最終文節の要約は;覚知出来る(explicite) 8サブセクションと2重の限定交換、
及びその背後に覚知出来ない(implicite) 4の階層(classes)による一般化交換(本書からレヴィストロース指摘)。このモデルを展開図に落とすと(前回掲載);

子の移動を示す青の破線にRP,PR,SQ,QSの符号が振り付けられる。これが系統図の上欄にレヴィストロースが括弧で張り付けた記号の意味である。このMurngin8サブセクションをAranga族の制度を借りてRP…の4支族に統合を試みる。子を受け渡す2のサブセクションを1の階層にして(a1とd2を一の階層にするなど)婿がどのように交換されるかが下の図。

(水平とたすき掛け交換を合わせた)周回の一般化交換が形成されている(=背後に覚知出来ない(implicite) 4の階層(classes)による一般化交換)。Aranda族体系と相似を示す。これをレヴィストロースモデルとする。
ヴェイユモデルを検証しよう。まずは両モデルの比較。スライドの下2の窓、左がレヴィストロースモデル、右がヴェイユモデル。

レヴィストロースは哲学者なので論理、文章を表現の基礎とする。親族の系統図を時折、加えるのみで「婿の交換」「子のやり取り」「交差いとこ婚」を立証している。パワーポイントでの展開図は彼の論理と系統図を(部族民風に)まとめたものである。
レヴィストロースはアボリジニの典型を見ようとしている。汎部族民を考える前に報告されている特定部族を取り上げる。これは現地調査に立脚する人類学の王道である。
下スライドが両者の差をまとめた。

ヴェイユの基調は数値を用いて分割の無い「汎部族民」の制度を目指す。数学者の立場である。サブセクションと婚姻の数値化から始め、子の移譲、交差いとこ婚の成立を証明した。スライド両モデルの相違点を下スライドでわかりやすくした。


相違点は子の交換経路。
左レヴィストロースモデルは子を限定交換でやり取りする(=覚知出来る(explicite) 8サブセクションと2重の限定交換)。
対しヴェイユモデルは子も一般化で交換する。
その差はいかにして発生したのか。これを探るため新たな式を立ち上げた。

E(x,y)、Eはenfant(子)、x=a+c+d+1,y=cn.
この意味、xは婚姻M(a,b,c,d)で生まれる子の行き先(ヴェイユ式)、yはcの値そのもの。y値とは子が向かう嫁の原籍地とは対角にあるcnを探し、x=cnに当たるサブセクションに子の帰属が決まる。

特に+dを加えたことで平行婚では+d=0なので効果を無くし、たすき掛け婚(+d=1)でのみ効果を出させた。あるサブセクが婿をとって子を設けたら、婿の婚姻形体が平行、たすき掛けで子の移譲先が分かれる。分散させる効果を+dがもたらす。これが子の交換の一般化につながっている。
+dを外してx=a+c+1の場合を次回(12月8日)シミレーションする。
親族の基本構造ヴェイユの証明 第2部 3 の了(2021年12月6日)
及びその背後に覚知出来ない(implicite) 4の階層(classes)による一般化交換(本書からレヴィストロース指摘)。このモデルを展開図に落とすと(前回掲載);

子の移動を示す青の破線にRP,PR,SQ,QSの符号が振り付けられる。これが系統図の上欄にレヴィストロースが括弧で張り付けた記号の意味である。このMurngin8サブセクションをAranga族の制度を借りてRP…の4支族に統合を試みる。子を受け渡す2のサブセクションを1の階層にして(a1とd2を一の階層にするなど)婿がどのように交換されるかが下の図。

(水平とたすき掛け交換を合わせた)周回の一般化交換が形成されている(=背後に覚知出来ない(implicite) 4の階層(classes)による一般化交換)。Aranda族体系と相似を示す。これをレヴィストロースモデルとする。
ヴェイユモデルを検証しよう。まずは両モデルの比較。スライドの下2の窓、左がレヴィストロースモデル、右がヴェイユモデル。

レヴィストロースは哲学者なので論理、文章を表現の基礎とする。親族の系統図を時折、加えるのみで「婿の交換」「子のやり取り」「交差いとこ婚」を立証している。パワーポイントでの展開図は彼の論理と系統図を(部族民風に)まとめたものである。
レヴィストロースはアボリジニの典型を見ようとしている。汎部族民を考える前に報告されている特定部族を取り上げる。これは現地調査に立脚する人類学の王道である。
下スライドが両者の差をまとめた。

ヴェイユの基調は数値を用いて分割の無い「汎部族民」の制度を目指す。数学者の立場である。サブセクションと婚姻の数値化から始め、子の移譲、交差いとこ婚の成立を証明した。スライド両モデルの相違点を下スライドでわかりやすくした。


相違点は子の交換経路。
左レヴィストロースモデルは子を限定交換でやり取りする(=覚知出来る(explicite) 8サブセクションと2重の限定交換)。
対しヴェイユモデルは子も一般化で交換する。
その差はいかにして発生したのか。これを探るため新たな式を立ち上げた。

E(x,y)、Eはenfant(子)、x=a+c+d+1,y=cn.
この意味、xは婚姻M(a,b,c,d)で生まれる子の行き先(ヴェイユ式)、yはcの値そのもの。y値とは子が向かう嫁の原籍地とは対角にあるcnを探し、x=cnに当たるサブセクションに子の帰属が決まる。

特に+dを加えたことで平行婚では+d=0なので効果を無くし、たすき掛け婚(+d=1)でのみ効果を出させた。あるサブセクが婿をとって子を設けたら、婿の婚姻形体が平行、たすき掛けで子の移譲先が分かれる。分散させる効果を+dがもたらす。これが子の交換の一般化につながっている。
+dを外してx=a+c+1の場合を次回(12月8日)シミレーションする。
親族の基本構造ヴェイユの証明 第2部 3 の了(2021年12月6日)