蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

親族の基本構造ヴェイユの証明 第2部 4

2021年12月08日 | 小説
(2021年12月8日)前回(12月6日)に掲載したスライド、子の移譲先の計算式にa+c+d+1(ヴェイユモデル)を用いて一般化交換を説明した.

上のスライド。これでは起と結を結ぶ因果が見えてこない。反省、

改めて別スライドを作成した;


上スライドはd1,d2を核とした交換経路を示す。d1d2に婿を贈るサブセクはc1c2(ヴェイユの条件ivから)。c1がd1に婿を贈る、その婚姻で生まれた子はb1に移譲される。Ec1(x=0)=Eb1(y=0)の式から。同じくc2d2の例で子はb2に。スライドでの子のやり取りをたどる。
d1はb2から子を貰うが、子を贈るのはb1。
d2はb1から子を貰うが、子を贈るのはb2。
また、b1はd1から子を貰うが、子を贈るのはd2。
b2はd2から子を貰うが、子を贈るのはd1。
のやり取りが読み取れる。d1d2に赤丸を置いたがb1b2にも同様の一般化交換の経路が形成されている。この経路は平行婚とたすき掛け婚で、d=0ないし1に分けて、子の移譲を分散させているからである。ヴェイユ式の+d項の効果である。
+d項を外しa+c+1でこのやり取りを構築すると。下スライド;


b1はa1に婿を出しその子はc2に、
b2はa2に婿を出しその子はc1
(スライド中の窓、Eb1(x,y)、Eb2(x,y)がそれぞれc1座標(a,b,c)とc2の座標に合致するさまと、右窓に婿と子の流れを表した)
次のスライドでc1c2を核とした流れを見ると(中窓);


c1はd2からたすき掛けで婿を貰いa2に子を(前スライドでa2から子を貰っている)
c2はd1からたすき掛けで婿を貰いa1に子を(前スライドでa1から子を貰っている)
赤丸のc1c2もa1a2も限定交換で子をやり取りする。+dを省いているからたすき掛けと平行婚の行き先が分散しない。

下のスライドは子を限定交換する組を一の階層(classe)として、婿の交換がどのように流れるかを解析した。左窓が全体の展開図、中窓は階層化の組分け、右窓が婿の流れ。婿の流れが四組一循環の一般化交換と化した。


これが本投稿の冒頭に引用した謎の文句、

<derrière le système explicite (double système d’échange restreint à huit classes), ce que nous appelons plus haut le système implicite ( le système d’échange généralisé à quatre classes), qui constitue pour nous la lois du système Murngin(215頁)
訳:覚知出来る(explicite)体系は8の階層=サブセクション=と2重の限定交換、その背後に覚知出来ない(implicite)体系が潜む、それは4の階層(classes)による一般化交換の体系でありMurngin体系の法則を形作っている。

の意味合いである。

親族の基本構造ヴェイユの証明 第2部 4の了(2021年12月8日)
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