APPENDICE A LA PREMIERE PARTIE
Sur l’étude algébrique de certains types de lois de mariage (婚姻規則についての考察、Murngin族の体系)
Par André Weilアンドレ・ヴェイユ
(2021年12月3 日)前文として :
数学者A.Weilアンドレ・ヴェイユが婚姻の仕組みを数式化した経緯を語ります。

パワーポイントで図表を作成した。本投稿においても活用する

章題の頁、André Weilの名が見える。
冒頭:
<En ces quelques pages, écrites à la prière de C. Lévi-Strauss, je me propose d’indiquer comment des lois de mariage d’un certain type peuvent être soumises au calcul algébrique, et comment l’algèbre et la théorie des groupes de substitutions peuvent en faciliter l’étude et la classification. (257頁)
訳:レヴィストロース氏の求めを請け幾頁かにしたためた本文において、私はとある一部族の婚姻規則が、代数計算を用いて説明できるか、そして代数学は代替する集団の法則をして、それらの分類と解析に如何に役立つかを試みた。
「代替する集団」と訳したが婚姻を通して個々の成員を交換する仕組みと見る。この仕組を持って(アボリジニの)婚姻の制度と理解する。ここでの部族はMurngin族に他ならない。
本書第一部は限定交換(L’échange restreint)、この部の最終章に数学者A.Weilが親族構造を代数学の手法を用い数値化し解析に成功している(本書257~265頁)。Weilに関してはスライドを作成したので参照あれ。

高等師範学校に入学するにはリセを卒業しなければ、多くは18歳(以上)、飛び級16歳は早熟天才を物語る。半ズボンで登校したのはリセ気分が残っていたからか、暑ければ半ズボンでとの合理性なのか。
紹介文末の「フェルマーの最終定理」とは350年間数学者を悩ませていた「予測」。この難問は「志村谷山Weil」の予測(1955年に公表)を解き明かせば、解決にいたると世のあまねく数学者に膾炙され1994年に解決に至った(英国ワイズ)。(Weilは志村谷山予測の価値を欧米の数学界に紹介した功績なので「志村谷山」予測とする場合も)。
Weilがなぜ親族構造に取り組んだのか。「親族の基本構造」にては論文を本人書名で掲載している。レヴィストロースは別著作で経緯を明らかにしている。婚姻の仕組みを「数学を用いて解析できないか」当時(1950年代)数学重鎮(カルタンと記憶)に相談を入れた。大御所は「心が絡む人の行動は数学で解き明かせない」と断った。Weilの知遇を得て打診し快諾を得た。以上を大まかながら記憶している次第です。Weilはアルザス出身のユダヤ系祖父を持つ。レヴィストロース祖父はヴェルサイのシナゴグの長老を務めるが出身はアルザス。地縁と人種のよしみが見事なコラボが生んだ背景かもしれない。
部族民(蕃神)は文系教育を受け数学は門外漢。今、生きるにして四則なる加減乗除をもっぱらとする算数原始で息を吸い込み吐いている。本補遺は大数学者の頭脳の結集としるからに、読みたしと思へど「執筆したのはフェルマー解決だぜ、分かる筈がない」忌避していた。
令和が3年は8月9月、武漢コロナの猖獗。首都圏緊急事態の宣言に怯えて自室に逼塞。朝から晩までヒマだった。目すら落としていないこの補遺を、眠気どころかあくびを殺し頁をめる。すると、代数学の論文にして数式が見当たらない。全9頁を流れるは文章のみ、慣れ親しんだフランス語、これには驚いた。その日一日、文章の字面は追いかけられたが中身を理解できない。翌朝はつとに、脳幹自爆の覚悟を決め、メモを脇に用意して机に向かった。数値を図式に落とし込んでみるとなんと驚き、理解できた気になった。
Weilは本書「親族の...」読者層は文系であると見抜き、数式羅列に乾燥する学術論文の様式を避け、もっぱら文言にて解説せむとの工夫が読み取れた。そうした気配りを感じてしまう文の優しさです。

手始めに4支族構成のモデルを想定した。これは本書で「Aranda 族モデル」とされます。子を隣接支族にわたす。その子が成長して男は婿として更に隣接に出る。女は自身が生まれた支族から婿を貰う。その婿も更に隣接からの養子。子と男が一方向で周回する。
数式f[g(mi)]=g[f(mi)] について。g(mi)は女が持つ婚姻権、その意味する処は「女は常に特定miの男を婿にできる」。f[g(mi)は男の婚姻権で男(婿)は特定の女のところに婿に出る。上図では女は養家に留まり男が一つ進む。f[g(mi)]は女の権利を男が代用、g[f(mi)]はその逆。それら両者は=であるとの指摘です。図式で見るとその仕掛けは一目瞭然。この機械仕掛け的婚姻の仕組みを8のサブセクションに展開するのが、本論文の骨組みです。

上図は既発表。展開を円にして子と男の周回交換を図式にした。
親族の基本構造第一部の補遺ヴェイユの証明1 前文の了
Sur l’étude algébrique de certains types de lois de mariage (婚姻規則についての考察、Murngin族の体系)
Par André Weilアンドレ・ヴェイユ
(2021年12月3 日)前文として :
数学者A.Weilアンドレ・ヴェイユが婚姻の仕組みを数式化した経緯を語ります。

パワーポイントで図表を作成した。本投稿においても活用する

章題の頁、André Weilの名が見える。
冒頭:
<En ces quelques pages, écrites à la prière de C. Lévi-Strauss, je me propose d’indiquer comment des lois de mariage d’un certain type peuvent être soumises au calcul algébrique, et comment l’algèbre et la théorie des groupes de substitutions peuvent en faciliter l’étude et la classification. (257頁)
訳:レヴィストロース氏の求めを請け幾頁かにしたためた本文において、私はとある一部族の婚姻規則が、代数計算を用いて説明できるか、そして代数学は代替する集団の法則をして、それらの分類と解析に如何に役立つかを試みた。
「代替する集団」と訳したが婚姻を通して個々の成員を交換する仕組みと見る。この仕組を持って(アボリジニの)婚姻の制度と理解する。ここでの部族はMurngin族に他ならない。
本書第一部は限定交換(L’échange restreint)、この部の最終章に数学者A.Weilが親族構造を代数学の手法を用い数値化し解析に成功している(本書257~265頁)。Weilに関してはスライドを作成したので参照あれ。

高等師範学校に入学するにはリセを卒業しなければ、多くは18歳(以上)、飛び級16歳は早熟天才を物語る。半ズボンで登校したのはリセ気分が残っていたからか、暑ければ半ズボンでとの合理性なのか。
紹介文末の「フェルマーの最終定理」とは350年間数学者を悩ませていた「予測」。この難問は「志村谷山Weil」の予測(1955年に公表)を解き明かせば、解決にいたると世のあまねく数学者に膾炙され1994年に解決に至った(英国ワイズ)。(Weilは志村谷山予測の価値を欧米の数学界に紹介した功績なので「志村谷山」予測とする場合も)。
Weilがなぜ親族構造に取り組んだのか。「親族の基本構造」にては論文を本人書名で掲載している。レヴィストロースは別著作で経緯を明らかにしている。婚姻の仕組みを「数学を用いて解析できないか」当時(1950年代)数学重鎮(カルタンと記憶)に相談を入れた。大御所は「心が絡む人の行動は数学で解き明かせない」と断った。Weilの知遇を得て打診し快諾を得た。以上を大まかながら記憶している次第です。Weilはアルザス出身のユダヤ系祖父を持つ。レヴィストロース祖父はヴェルサイのシナゴグの長老を務めるが出身はアルザス。地縁と人種のよしみが見事なコラボが生んだ背景かもしれない。
部族民(蕃神)は文系教育を受け数学は門外漢。今、生きるにして四則なる加減乗除をもっぱらとする算数原始で息を吸い込み吐いている。本補遺は大数学者の頭脳の結集としるからに、読みたしと思へど「執筆したのはフェルマー解決だぜ、分かる筈がない」忌避していた。
令和が3年は8月9月、武漢コロナの猖獗。首都圏緊急事態の宣言に怯えて自室に逼塞。朝から晩までヒマだった。目すら落としていないこの補遺を、眠気どころかあくびを殺し頁をめる。すると、代数学の論文にして数式が見当たらない。全9頁を流れるは文章のみ、慣れ親しんだフランス語、これには驚いた。その日一日、文章の字面は追いかけられたが中身を理解できない。翌朝はつとに、脳幹自爆の覚悟を決め、メモを脇に用意して机に向かった。数値を図式に落とし込んでみるとなんと驚き、理解できた気になった。
Weilは本書「親族の...」読者層は文系であると見抜き、数式羅列に乾燥する学術論文の様式を避け、もっぱら文言にて解説せむとの工夫が読み取れた。そうした気配りを感じてしまう文の優しさです。

手始めに4支族構成のモデルを想定した。これは本書で「Aranda 族モデル」とされます。子を隣接支族にわたす。その子が成長して男は婿として更に隣接に出る。女は自身が生まれた支族から婿を貰う。その婿も更に隣接からの養子。子と男が一方向で周回する。
数式f[g(mi)]=g[f(mi)] について。g(mi)は女が持つ婚姻権、その意味する処は「女は常に特定miの男を婿にできる」。f[g(mi)は男の婚姻権で男(婿)は特定の女のところに婿に出る。上図では女は養家に留まり男が一つ進む。f[g(mi)]は女の権利を男が代用、g[f(mi)]はその逆。それら両者は=であるとの指摘です。図式で見るとその仕掛けは一目瞭然。この機械仕掛け的婚姻の仕組みを8のサブセクションに展開するのが、本論文の骨組みです。

上図は既発表。展開を円にして子と男の周回交換を図式にした。
親族の基本構造第一部の補遺ヴェイユの証明1 前文の了
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