道ひらく、海わたる 佐々木亨 著 扶桑社
メジャーリーグで活躍中の大谷翔平選手の生い立ちや野球人生を追ったドキュメント本。高校3年生のときのドラフト会議で最初はダイリーグに行きたいと言われていたのに日本ハムに入団されたのはなぜなのだろう。もっとほかに高い年俸を提示した球団があったのにメジャーリーグのエンゼルスに入団されたのはなぜなのだろう。エンゼルスの入団会見のときの本当に嬉しそうにインタビューに答えておられた様子をテレビで拝見して、この爽やかで好印象の大谷選手の源になっているものは何だろう。そのような疑問点をたくさん抱かせる大谷選手のことを知りたくて図書館で借りて読んだ本です。この本を読むと、これらの疑問点を解いてくれるようなことがたくさん書かれていましたし、大谷選手がなぜそんなに爽やかで自然体の感性を持っておられるのかがよくわかる内容の本になっていました。野球人としての飛び抜けた才能、気取らず素朴でたゆまない向上心と並大抵ではない努力の積み重ね、人間的にも優れている人物であることがこの本の文章の行間や言動と行いから読み取れました。それらは全部、大谷選手の育った家庭環境、岩手という素朴な土地柄、花巻東高校時代、日本ハム時代の監督やコーチやスカウトの方々との出会いなどで、直接的にあるいはそっと見守るように育てられたことによるものが大きかったと想像できました。今まで誰もしたことがない二刀流を特段なことでないように、選手とともに親身になって、大谷選手の投打両方の才能を潰さないように発揮、実践して行けるように考え抜かれたトレーニング方法やきめ細やかなサポートの数々は、人を育てるときの基本的な事柄がたくさん詰まっていると思いました。228ページに、「教育の現場にいる者や、たとえばスポーツにおける指導者(中略)、子供に寄り添う親たち。そんな大人にとって一番大事なことは『先天的な思いや信念を生かしてあげること』だ。」と記載されていた箇所がありました。この本は野球のことだけが書かれているだけでなく、人を育てるときに重要な総合的な視点の持ち方や考え方にも焦点が当てられていて、教育の指南書のような本でした。誰もしたことがないことにさらなる挑戦を続けていく大谷選手の純粋な夢とそれを叶えるべく寄り添い取り巻く大人たちの夢が、それぞれお互いを照らし合いながら交錯し、その中で、いろいろな希望の光を放とうとしている大谷選手の潔さと逞しさに、読者は爽やかさを感じざるを得ないということ、つい応援したくなるという気持ちになるということを自ずとわからしめてくれるような読みごたえがある本でした。
メジャーリーグで活躍中の大谷翔平選手の生い立ちや野球人生を追ったドキュメント本。高校3年生のときのドラフト会議で最初はダイリーグに行きたいと言われていたのに日本ハムに入団されたのはなぜなのだろう。もっとほかに高い年俸を提示した球団があったのにメジャーリーグのエンゼルスに入団されたのはなぜなのだろう。エンゼルスの入団会見のときの本当に嬉しそうにインタビューに答えておられた様子をテレビで拝見して、この爽やかで好印象の大谷選手の源になっているものは何だろう。そのような疑問点をたくさん抱かせる大谷選手のことを知りたくて図書館で借りて読んだ本です。この本を読むと、これらの疑問点を解いてくれるようなことがたくさん書かれていましたし、大谷選手がなぜそんなに爽やかで自然体の感性を持っておられるのかがよくわかる内容の本になっていました。野球人としての飛び抜けた才能、気取らず素朴でたゆまない向上心と並大抵ではない努力の積み重ね、人間的にも優れている人物であることがこの本の文章の行間や言動と行いから読み取れました。それらは全部、大谷選手の育った家庭環境、岩手という素朴な土地柄、花巻東高校時代、日本ハム時代の監督やコーチやスカウトの方々との出会いなどで、直接的にあるいはそっと見守るように育てられたことによるものが大きかったと想像できました。今まで誰もしたことがない二刀流を特段なことでないように、選手とともに親身になって、大谷選手の投打両方の才能を潰さないように発揮、実践して行けるように考え抜かれたトレーニング方法やきめ細やかなサポートの数々は、人を育てるときの基本的な事柄がたくさん詰まっていると思いました。228ページに、「教育の現場にいる者や、たとえばスポーツにおける指導者(中略)、子供に寄り添う親たち。そんな大人にとって一番大事なことは『先天的な思いや信念を生かしてあげること』だ。」と記載されていた箇所がありました。この本は野球のことだけが書かれているだけでなく、人を育てるときに重要な総合的な視点の持ち方や考え方にも焦点が当てられていて、教育の指南書のような本でした。誰もしたことがないことにさらなる挑戦を続けていく大谷選手の純粋な夢とそれを叶えるべく寄り添い取り巻く大人たちの夢が、それぞれお互いを照らし合いながら交錯し、その中で、いろいろな希望の光を放とうとしている大谷選手の潔さと逞しさに、読者は爽やかさを感じざるを得ないということ、つい応援したくなるという気持ちになるということを自ずとわからしめてくれるような読みごたえがある本でした。