書店ゼロの留萌出店 三省堂順調
本好き増やせ 市民一丸
書店が一軒もなくなった人口2万4000人余の留萌市に、三省堂が出店して2か月たった。商圏30万人が大手書店の出店条件と言われ、常識破りの 出店だった。今のところ、官民一体の様々な応援が功を奏し、客足は順調のようだ。小規模自治体の書店を守るモデルケースになれるのだろうか。
留萌市郊外の国道沿いにある三省堂書店留萌ブックセンターに今月5日朝、「三省堂書店を応援し隊」のメンバーら7人が集まった。書店の仕事を体験するためだ。7人は開店前の1時間、本の梱包(こんぽう)を解いたり、雑誌の付録を本誌に挟んで縛ったりする作業を手伝った。
広さ約500平方メートルの店を普段は今拓己(こんたくみ)店長(62)を含めて8人で切り盛りしている。開店までに作業が終わらないこともあるだけに、「応援し隊」の支えは大きい。メンバーはその後も、月数回のペースで手伝うことになっている。
留萌で受け付けた三省堂のポイントカードの会員は2か月で約6400人。同店を統括する立場の横内正弘・札幌店店長も「予想以上にいい方向に向かっている」と見る。
■熱意届いた
市内で唯一の書店が閉店したのは昨年12月だ。教科書は市内で取次先が確保されたが、真っ先に困ったのは学校の参考書やドリルの購入だった。 「個々にレベルが違うから、実物を手にしないと買えないが、生徒は簡単に旭川や札幌まで行けない」(近田(こんだ)勝信・留萌高校長)。ネット時代もこの 点は変わらない。
その後、道留萌振興局の働きかけで三省堂が市内に期限付き臨時店舗を設置。その期限となる4月末を前に、本好きの主婦らが「三省堂書店を留萌に呼 び隊」を結成し、ポイントカード会員になることを承諾する<隊員>を約2500人も集めた。熱意が通じた7月下旬の出店で、「呼び隊」は「応援し隊」に衣 替えした。
代表の武良(むら)千春さん(50)は「子育てをしていたころに読み聞かせをした仲間と『あって当たり前のものがないのはおかしい』と話し合ったのがきっかけだった」と明かす。
活動を陰で支えるのが、市立留萌図書館の伊端隆康館長(56)。18日には、古本などを集めた図書館まつりで、館の前に三省堂の絵本フェアの場を提供した。留萌市は「心はぐくむ読書の街」を合言葉に、「本好き市民拡大プロジェクト」を展開中。まつりもその一環だ。
伊端さんはNPO法人留萌体育協会の専務理事でもある。市が財政難から体協を図書館の指定管理者に選んだことで館長に就いただけに、「買っても良し。借りても良し。とにかく本に親しむ人を増やしたい」と柔軟に考える。
■商店街も協力
三省堂では地元の商店街振興組合や「応援し隊」の協力も得て、10月中旬から今年度いっぱい、中心街の商業施設で「まちなかブックカフェ」を開く。
「中学生にすすめたい100冊」やベストセラー本を手に取ってもらえる場にする。注文や書籍受け取り用の窓口も設け、郊外の店に足を運びにくいお年寄りのニーズも探る。
留萌振興局では、中学生の職場体験や教員の社会体験研修の場として書店を活用することも検討中だ。
武良さんは「ボランティアだから楽しんでやりたい。結果として売り上げにつながればいい」と肩の力を抜いた活動を続けようとしている。
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【ひとこと】「当たり前」を大切に
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道書店商業組合に加盟する書店は、支店を入れても177と、30年前の4分の1以下になった。楽観はできないが、継続は力になる。「街には書店があって当たり前」と考える人が一人でも増えてほしい。
(編集委員・中西茂)
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