菊地被告「私みたいなバカな子生まれちゃうよ」
オウム真理教による地下鉄サリン事件で特別手配された元信者の菊地直子被告(40)をかくまったとして、犯人隠匿罪などに問われた交際相手の高橋寛人被告(41)の初公判が18日、東京地裁(近藤宏子裁判長)であった。
高橋被告は被告人質問で、菊地被告と暮らした5年3か月を振り返った。
07年1月、菊地被告から本名を知らされた時、「ポスターと顔が全然似ておらず、ウソだろう」と思った。ひそかに、警視庁のサイトで顔のホクロと 傷の位置が一致することを確認した。それでも愛情は変わらなかったという。翌2月にはウエディングドレス姿の菊地被告と写真に収まり、同僚数人と披露宴代 わりの食事会も開いた。
“新婚生活”では、子どもの話も出た。菊地被告は「私みたいなバカな子が生まれちゃうよ」とはぐらかしたが、ペットショップで買ったウサギをかわいがる姿に、「本当は子どもが欲しいのだろう」と思った。
地下鉄サリン事件について、菊地被告は「薬剤や液体を混ぜ合わせたが、何のためかは知らなかった」と説明していた。出頭を促したが、逃亡生活を共にしていた高橋克也被告のことを心配して、「逮捕されると、彼が死刑になってしまう」と拒んだという。
菊地被告について、高橋被告は弁護側の質問に、「出頭するよう説得すべきだった」と反省の言葉を述べた。一方、「今後、一緒に暮らしたいのか」と検察側に問われると、こう答えた。
「精神的に助けてもらった恩もあり、簡単には離れられない」
「私は菊地直子」「うそだ」…同居の高橋寛人被告、葛藤
2012年10月19日12時5分
「私は指名手配されている。すごく大きな事件で。本当の名前は直子で、名字は菊地」
オウム真理教元信徒・菊地直子被告(40)を5年3カ月にわたって自宅にかくまったとして、犯人蔵匿などの罪に問われた内装業・高橋寛人被告(41)の 初公判。東京地裁に証拠採用された供述調書などによると、菊地直子被告が正体を明かしたのは、2007年1月のこと。この日の被告人質問で、高橋寛人被告 はそのときの心境を「うそだと思った」と語った。
前年11月に神奈川県の鎌倉にデートに行き、クリスマスには指輪をプレゼント。結婚を求めたが、断られた。その理由を問い詰めた末の答えだった。