ベトナム独立の英雄・ザップ将軍が死去 102歳
2013年10月5日1時26分
【ハノイ=佐々木学】ベトナムの英雄ボー・グエン・ザップ将軍が4日夕、ハノイで死去した。政府関係者が明かした。102歳だった。ベトナムをフランスからの独立へと導いたディエンビエンフーの戦いや、米国とのベトナム戦争で軍を指揮し、「赤いナポレオン」と呼ばれた。
ベトナムの英雄、102歳に(8/25)
1911年、中部クアンビン省生まれ。高校の歴史教師や新聞記者を経て一時中国に亡命。40年にホー・チ・ミンと出会い、側近となった。44年に解放軍の前身・武装宣伝隊を組織し、司令官を務めた。
54年のディエンビエンフーの戦いでは、仏軍の裏をかくゲリラ戦で勝利に導き、自ら「侵略的帝国主義者に対する最大の勝利」と総括した。その後国防相や党書記局書記などを歴任。ベトナム戦争でも軍の指揮にあたり、南北統一に寄与した。
ボー・グエン・ザップ氏=2009年5月、ハノイ市の自宅、国営ベトナム通信提供
軍事作戦中のホー・チ・ミン(右から2人目)とボー・グエン・ザップ将軍(後列左)。1950年撮影=AFP時事
ベトちゃん・ドクちゃん手術から25年 ベトナムで式典
2013年10月7日8時31分
【ホーチミン市=佐々木学】ベトナム戦争で使用された枯れ葉剤の影響で結合双生児で生まれた「ベトちゃん・ドクちゃん」の分離手術から25年。ベトナム南部ホーチミン市で6日、記念の式典があった。ドクさん(32)は「今の自分があるのは皆さんのおかげ。精いっぱい生きていく」と話した。
同市ツーズー病院で分離手術が行われたのは1988年10月4日。「最も困難な手術を、最も貧しい国で行うので協力してほしい」と請われ、日本の医師団も協力した。
式典には、日本で募金などの支援を続けてきた「ベトちゃんとドクちゃんの発達を願う会」の藤本文朗会長も参加し、「これからも枯れ葉剤被害者の支援を続けたい」と述べた。
ベトさんは手術から19年後の2007年に他界したが、ドクさんは結婚して双子の父となり、同病院職員として働いている。長男はフーシー(富士山)、長女はアインダオ(ベトナム語で桜の意味)と日本にちなんだ名をつけた。