IC乗車券で浮気調査? 履歴照会「悪用」指南サイトも
- 2012年3月22日17時2分
IC乗車券の利用履歴をネット上で見られるサービスが今月、首都圏で停止された。どうやら、「個人情報」がごく身近なところで漏れているらしい。
■パスモはHP照会停止
首都圏の私鉄、バス事業者100社が加盟する「パスモ協議会」は3月1日午後4時過ぎ、IC乗車券「PASMO(パスモ)」の乗車履歴をホームページ(HP)上で照会するサービスを停止した。
記名のパスモや定期券を対象に、17桁のカード番号、氏名、生年月日、電話番号を入力して会員になると、約3カ月間分の乗車履歴や残高が見られるというサービスだった。JR東日本が2001年に始めた「Suica(スイカ)」にはない独自のサービスとして、パスモ導入時の07年3月に始まった。
利用は無料で、協議会によると、約9万人が会員登録していた。だが、2月下旬、協議会はネット上で、このサービスの「悪用」を説くサイトを発見した。配偶者や恋人の「浮気の調査」に利用できる、というのだ。サービス停止に踏み切ったパスモ協議会は「実際に浮気調査に使われた報告や苦情は今のところないが、第三者に履歴を見られる危険性があると判断した」と説明する。サービス再開は未定だという。
実は、「浮気調査」に使われる恐れがあるのは、このサービスだけではない。パスモやスイカのようなIC乗車券は、駅の券売機で乗車履歴を印字できる。交通費の領収書代わりにするなど本人の利用を想定したサービスだが、ネット上では「履歴で浮気チェック」といった使い方を勧めるサイトが簡単に見つかる。
ID番号が秘密なのか、それとも氏名・生年月日が秘密なのか:高木浩光@自宅の日記
2012年02月26日
SuicaやEdyの登場によって、カードに記載の番号が新たな問題をもたらすであろうことは、8年前に関心を持ち、何度か書いた。
その後、EdyナンバーやSuicaのIDiは無闇に掲示されることはなくなり、問題は起きなかった。コンビニのam/pmがEdyを用いて独自に展開していた「club ap」でも、利用者登録にはam/pm店舗のレジで印刷してもらう「仮パスワード」を必要とするようになっており、まあ一応ちゃんと設計されていた
ところが、しばらく調査しなかった間に、PASMOがとんでもないことをやらかしていた。
発端は、先日、Twitterで、「Suicaってネットから使用履歴を見れないのか。(略)その点、PASMOは比較的マトモ。」という発言を見かけて嫌な予感がしたところからだった。ネットで履歴を閲覧できるというPASMOの方が怪しい。私も昨年からPASMO定期券を使うようになったが、パスワード発行機を見かけた記憶がない。
「マイページ・PASMO履歴照会サービス」のページを見ると、「マイページ停止センター」なるものが書かれており、仰天した。
お客さまのPASMOで「PASMO履歴照会サービス」の登録ができないように設定することができます。ご希望の場合は下記窓口までお申し出ください。 |
おいおい、これはいったいどういうことか。
「マイページ履歴照会 ログイン・登録」から「会員登録」のページへ移動してみると、以下のような画面が現れる。つまり、PASMOのカード番号(IDi)と、氏名、生年月日、電話番号(電話番号は不要の場合もある)さえあれば、アカウントを作成でき、そのアカウントでそのPASMOの乗車閲覧を閲覧できてしまう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます