アジア王者の浦和は、3位決定戦でアフリカ王者・エトワール・サヘル(チュニジア)と対戦し、2―2で突入したPK戦を4―2で勝って、アジア勢 初の3位に食い込んだ。今季限りでブラジルのフルミネンセに移籍するFWワシントン(32)が、浦和の今季最終戦で惜別の2ゴール。通算3得点でクラブW 杯の得点王にも輝き、世界3位の偉業に導いた。
赤い悪魔の象徴、ワシントンはピッチにひざまずき、号泣した。PK戦の末、アフリカ王者を 退けた。世界3位に上り詰め、赤い歓喜が爆発する。「ムイット・ボン(最高だ)!」。横浜の夜空に絶叫を繰り返した。「クラブに、サポーターに感謝した かったんだ。忘れない。浦和レッズを一生忘れない」。涙で声がかすれていた。
浦和を愛した男の世界クラスの個人技がさく裂した。前半35 分、相馬のクロスを天にも届きそうな打点から頭で叩き込む。次の瞬間、胸のエンブレムに熱烈なキスをした。後半25分には永井の低いクロスを決め、この日 2点目。たまらず、警告覚悟でサポーターの元へ走ってユニホームを脱ぎ、お辞儀した。場内は興奮のるつぼと化した。
歓喜、悲哀、そして意 地の結晶だった。今オフに浦和を去り、フルミネンセに移籍する。決して望んだ道ではない。練習法、采配をめぐり、オジェック監督と繰り返した衝突が退団の 要因だった。試合後、涙の理由を聞かれ、こう答えた。「感動と寂しさ。そして僕をクビにした男を救った悔しさがある」と。
だが、ピッチでは因縁も忘れた。PK戦では「最初に決めると勢いが出る、頼む」と、指揮官から直接、1人目のキッカーを託された。期待は裏切らない。ここ一番での圧倒的な勝負強さ。これがワシントンだった。
前日の宿舎で仲間に別れを告げた。左太腿痛で欠場した親友の闘莉王にはいつもパンツ内にしまうお守りのネックレスを預けた。中村GMがあらためて来季契約 しないつらい意向を通達すると、無念はしまい「絶対にゴールを決める。これ以上話すと泣いてしまう」と静かに席を立ったという。
2年間、エースに君臨した男との別れ。3日前にACミランと激闘し疲弊していた赤い悪魔が奮い立った。「いつか監督で戻って来れればいいね」とワシントン。世界3位の偉業、そしてサッカー界に鮮烈な印象を残し、最強助っ人は日本のピッチを後にした。
▼ ワシントン(ワシントン・ステカネラ・セルケイラ)1975年4月1日、ブラジル生まれの32歳。インテルナシオナル、グレミオ、フェネルバフチェなどを 経て05年にアトレチコ・パラナエンセから東京Vに移籍、06年に浦和に移籍した。移籍1年目の昨季は26点で得点王。Jリーグ通算85試合64点。ブラ ジル代表としてはAマッチ通算9試合2点。1メートル89、88キロ。利き足は右。今季年俸は推定2億円。
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