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保守記事.194-12-2 Back in the USSR!

2008-08-14 15:12:26 | 記事保守
傷ついたプライドのせいで発火、南オセチアの偶発戦争――フィナンシャル・タイムズ(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース

(フィナンシャル・タイムズ 2008年8月10日初出 翻訳gooニュース) クインティン・ピール

ロシアもグルジアも今、お互いに必死になって中傷合戦を戦っている。コーカサス地方で勃発してしまった血みどろの小規模戦争において、最初に仕掛けたのはほかでもない相手だと、侵略者のレッテルを押し付け合っているのだ。

ロシア側によると、グルジアの血気盛んなミヘイル・サアカシュビリ大統領が先週わざと、南オセチアの分離勢力に全面攻撃を仕掛けたのが、ことのきっかけと いうことになる。自治州の支配権回復をもくろんだグルジア大統領は、ロシアは直ちに反応しないだろうとあてこんでの動いたのだと、ロシア側はそう言う。

一方のグルジア側はそうではなくて、ことを裏で操っていたのはロシア政府だと主張。州都ツヒンワリ周辺のグルジアの町村を砲撃するよう、分離独立勢力をた きつけたのはロシア政府で、グルジア政府としてはこの砲撃を止めさせるためやむを得ず行動に出たのだとしている。そしてこれがロシアにとって、かねてから 計画していた大規模攻勢をしかける格好の口実になったのだというのだ。

しかし今のこの情けないていたらくの真相はもしかしたら、陰謀というよりは、ヘマと呼んだ方が近いのかもしれない。いつかは起きるに決まっていたヘマ、で はあったが。ロシアはもう何年も前から、グルジアをわざと挑発し続けていた。グルジアからの分離独立を求めるアブハジアや南オセチアを支援し、グルジアに 対して禁輸措置をとっていたのはロシアの方だ。これに対してサアカシュビリ大統領は、防衛費を拡大し、軍事力行使の可能性を否定しようとしなかった。とは いえ大統領は、実際に軍事行動に出るつもりはなかったのだ。各方面の消息筋によると、大統領は今回の軍事衝突について、決して心構えが出来ていなかった。 北京五輪の開会式に出席するべく、フライトの手配もしてあったというのが、何よりの証拠だ。

もしグルジアが最初から、南オセチアを軍事占領するつもりでいたのなら、当然ながらロキ・トンネルをあらかじめ封鎖したはずだ。ロシア軍が北オセチアの山 間部を経由して支援部隊を現地に送り込むには、このルートしかないのだから。しかし実際には、グルジア軍のツヒンワリ攻撃開始からわずか数時間の内にロシ ア軍の戦車が南オセチアに侵攻していた。

今となって何が危ないかというと、この戦争がたとえ早く終わったとしても、ただでさえこじれている米国や欧州とロシアの関係をさらに悪化させてしまうこと が実に危険だ。欧州連合(EU)との新しい戦略的なパートナーシップへの期待など、雲散霧消してしまう。何百という戦車に国境を越えさせて、そして軍事基 地だけでなくグルジアの町村をも砲撃させたロシアのウラジーミル・プーチン首相は(そして決定権を握るのはこの元大統領その人にほかならない。それを疑う 者は誰もいない)、旧ソ連の衛星国だった全ての国にとっての最悪の恐怖を、文字どおり追認してしまったのだ。

しかしモスクワの受けとめ方は全く違う。公式プロパガンダは全て、これはロシアにとってのコソボ戦争なのだと、そういう伝え方をしている。公式メディアは こぞってサアカシュビリ大統領を、旧ユーゴスラビアのスロボダン・ミロシェビッチ大統領と同じような、危険きわまりないつまはじきものだと伝えている。い わくロシアはあくまでも人道的見地から介入しているのであって、民間人を守り、民族浄化を防ぐために介入しているのだと。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相 はこう主張している。コソボ戦争の際、北大西洋条約機構(NATO)軍もセルビアの民間施設を攻撃対象にしていたではないか。それを忘れてはならない。 プーチン氏はしっかり覚えているからだ。

とはいえこの戦争は、ただ単にロシアがコソボ戦争の仇を討ちたいから始めたというだけのものではない。この軍事衝突の原因となったのは、グルジアのきわめ て親欧米的な態度であり、何としてもNATOに加盟したいという決意のほどだ(米国はこれを応援しているし、4月にブカレストで開かれたNATO会議で事 実上承認されたも同じだった)。ロシアは今回の戦いを通じて、グルジアやウクライナのような国々は、NATO加盟が許されるような信頼のおける国ではない と見せつけようとしているのだ。さらには、旧ソ連領内の秩序を維持できるのは(その手段がいかにむごたらしいものでも)、ロシアしかいないのだと、改めて 誇示するという目的もある。

そしてもうひとつ、この戦いは「敬意」のための戦いなのだ。米国やEUの指導者たちがロシアを見下している状況にあって、プーチン氏はロシアが本来受ける べき敬意を再び勝ち取ろうと、そのこと一点に執着している。そしてプーチン氏は特にサアカシュビリ氏を、不快に思っているのだ。グルジア大統領が当選した 2004年、2人は初めて対面したのだが、大統領だったプーチン氏の側近のひとりはその際、「うちの大統領にあれほどぶしつけな口の利き方をしたの は、(サアカシュビリ氏が)初めてだ」と語っている。

グルジアの大統領はがさつだし、権威主義的なところもある。昨年には反政府デモ相手に催涙弾の使用を許可して、欧米の支持者たちを唖然とさせた。とは言う ものの、グルジアの方がロシアに比べてはるかに民主的で、何でも言いたい放題の野党もある。グルジア経済も、ロシア政府の禁輸措置をものともせずに急成長 した。今のこの軍事衝突が起きるまでは、外国からの投資もうなぎ上りに拡大していたし、国内の腐敗を徹底的に取り締まったことで国際的に高く評価されてい る。グルジアが国際的に批判されてきた最大の要因は、アブハジアと南オセチアの問題で、サアカシュビリ氏はどうもこの2自治州と折り合いがとれずにきた。

ましてロシアは何の手助けもしようとしてこなかった。元ロシア政府高官は、グルジアは1990年代にロシアと友好関係を築くチャンスを逃してしまったのだ と語る。本当ならグルジアは、ロシアの最も忠誠な友好国となるべきだったのに、と。そうすればロシアは喜んで、(グルジアの)分離独立勢力などさっさと見 捨てたものを。

しかしだからといって、グルジアの友好国や同盟国に何ができるだろう? プーチン氏はグルジア支援を口にする欧米諸国のはったりを見抜いた上で、だったら 何とかしてみろと突きつけているのだ。ジョージ・W・ブッシュ米大統領は、グルジア軍の育成のため、装備と訓練人員を大量につぎ込み、NATO加盟の後押 しをしてきた挙げ句、今や手をこまねいているしかないほど現状に対して無力なのだ。

スウェーデンのカール・ビルト外相は、現状がつきつける課題はきわめて重大だと見ている。「ロシアが武力を使った。そのことの意味と影響を私たちは、そし てロシアは、今後ずっと受けとめなくてはならない」とビルト外相。「外国領内のとある地域に、自分たちの国が発行したパスポートをもつ人たちがいるからと いって、その地域に軍事介入していいなど、そんな権利はどこの国にもない。国内の人たちを保護する義務は、その人たちがいる国の政府にあるのだ」

「自分の国のパスポートをもつ人たちがどこか別の国にいる。だから、その相手の国に軍事介入していい――このドクトリンを駆使しようとしたがゆえに、欧州 はこれまで何度も戦場と化した。だからこそ、(ロシアが今回主張する)こんなドクトリンは何としてでも、徹頭徹尾、否定しなくてはならないのだ」

しかしプーチン氏にとって、このドクトリンはロシア国内で非常に支持を得やすく、都合がいい。外国でどう思われようと、プーチン氏はあまり気にしていない。銃口越しにであっても、ある意味での敬意が、確実に得られるからだ。

ロシアによるグルジア侵攻、問題が解決しなければ国際宇宙ステーションは廃棄の可能性


【Technobahn 2008/8/14 08:30】ビル・ネルソン(Bill Nelson)米上院議員は12日、ロシアがグルジアに対して侵攻攻撃を行ったことに関して言及し、スペースシャトルが退役する2010年以降、米国人宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)への移動手段としてロシアのソユーズ宇宙船の搭乗枠を買い取ることを議会が承認する可能性は少なくなったと述べて、2010年以降、米国人宇宙飛行士がISSに移動できる手段はなくなる可能性がでてきたことを明らかにした。

 ネルソン上院議員はケープケネディー宇宙基地のお膝元となるフロリダ州が地盤。また、元はNASAの宇宙飛行士だったということもあり、米上院の中にあっては最有力宇宙族議員として知られている。

 仮に現在、NASAとロシア宇宙局(Roskosmos)との間で交渉が進められているソユーズ宇宙船利 用での包括契約交渉がグルジア侵攻問題が理由で打ち切りとなった場合、ソユーズ宇宙船を使った米国人宇宙飛行士のISS渡航はもちろんのこと、欧州宇宙機 関(ESA)の宇宙飛行士や日本の宇宙飛行士のISS渡航もできなくなる可能性もあり、ISSの運営は事実上頓挫することとなる。

 スペースシャトルに代わる宇宙船としては無人のものに関しては既にESAがATVの実験に成功、また近く日本もHTVと呼ばれる無人宇宙船の打ち上げ実験を行うことが予定されているが、どちらも有人能力はないため宇宙飛行士のISSへの渡航手段には利用することは困難。

 米SpaceX社は、現在、スペースシャトルの代換手段としてFalconロケットとFalconロケット用のDragon有人宇宙船の開発を進めているが、これらの開発が成功するかどうかは技術的にはまだまだ流動的な要素も残っているのが現状。

  米国政府は既に、ロシアのグルジア侵攻を理由に先進8ヵ国首脳会議(G-8)からロシアを外すための交渉を各国首脳と行う状況ともなっており、ロシアによ るグルジア侵攻問題が短期間に打開されなければ、多額の費用を投じて構築が進められてきたISSはスペースシャトルが退役する2010年をもって廃棄とな る可能性もでてきた。

【過去記事】保守記事.194 さすが、大国!
保守記事.194-2 まだ、広げるか!
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