漁業被害を起こすエチゼンクラゲを「天敵」で退治する実験
日本の沿岸に押し寄せ、漁業被害を起こすエチゼンクラゲを「天敵」で退治する実験を、民間研究機関の海中景観研究所(新井章吾所長)が、島根県・隠岐諸島で行っている。
クラゲ退治の効果が期待されているのは、食用魚でカワハギの仲間の「ウマヅラハギ」。実験では、同諸島沖で傘の直径が約90センチのエチゼンクラゲを捕 獲。水深11メートルの魚礁にロープで固定した。この海域にすむ全長10~30センチのウマヅラハギが400匹近く集まり、一斉にクラゲの肉をかじり取る 様子が観察された。
エチゼンクラゲの触手には魚を刺す毒針があるが、ウマヅラハギは捕食を続けた。1時間後には触手の大部分がなくなり、傘もボロボロになって泳げな くなった。新井所長は「エチゼンクラゲの発生源である中国近海にカワハギ類が好む魚礁を多数設置すれば、エチゼンクラゲが巨大化する前に駆除できるかもし れない。カワハギの資源量の増加にもつながり、一石二鳥です」と話す。
エチゼンクラゲの群れは日本海の沿岸を北上し続けている。漁業情報サービスセンターによると、群れの先頭は日本海側から津軽海峡を抜けて、すでに宮城県沖など太平洋側にも回り込んでいる。
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