カナダ沖で発見の漁船、震災の津波で青森から漂流
2012年3月25日
[東京 25日 ロイター] 国内各メディアの報道によると、カナダ西部沖の太平洋上で漂流しているのが見つかった船舶は、東日本大震災の津波によって青森県八戸市の港から流されたとみられることが分かった。
共同通信は、海上保安庁の情報として、北海道函館市の人物が所有する漁船だと伝えている。
カナダ運輸省によれば、この漁船は20日、ブリティッシュ・コロンビア州ハイダ・グワイ(クイーンシャーロット諸島)の沖合約275キロで、定期パト ロール中の航空機が発見。全長は約50メートルで、カナダ国防省が公表した写真からは全体がさびついている様子が確認できる。同省は船舶航行を妨げる恐れ があるとして、えい航を検討している。
北米大陸の太平洋岸で被災地の漁船が確認されたのは今回が初めて。ただ、太平洋上には現在、東日本震災による津波で流出した大量のがれきが漂っており、ハワイ大学の研究者らは、海流によって1800万トンほどが北米にゆっくり向かっていると指摘している。
3月25日、カナダ西部沖の太平洋上で漂流しているのが見つかった船舶は、東日本大震災の津波によって青森県八戸市の港から流されたとみられることが分かった。写真はカナダ国防省提供(2012年 ロイター)
津波漂流の漁船沈める 米沿岸警備隊「他の船舶に危険」
2012年4月6日14時4分
東日本大震災の津波で流され、太平洋の東側で確認された日本の漁船「第11漁運丸」について、米国の沿岸警備隊が5日午後(日本時間6日早朝)、沈没さ せるため、巡視船から砲撃した。無人での漂流が続けば、他の船舶の航行に危険が生じると判断したという。砲撃は2回行われ、漁運丸は現地時間の5日午後6 時15分に沈没が確認された。
震災発生時、漁運丸は青森県八戸港に係留されていた。1年後の今年3月になってカナダ沖で確認され、米アラスカ州南部から南西に約170カイリ(約 315キロ)の場所に移動していた。沿岸警備隊によると、船体は数十メートルの長さがあり、無灯火のため夜間に他の船が衝突するリスクが高くなる。
警備隊は、日本の所有者に回収予定がないことを確認し、沈没させることを決めた。カナダの漁船も回収を検討したが、困難だとして断念したという。
東日本大震災の津波で流され、太平洋の東側で確認された第11漁運丸=米沿岸警備隊提供
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