淀川水系の大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)について京都、滋賀、大阪、三重の4府県知事が中止を要望したことに対し、国土交通省近畿地方整備局は11 日記者会見した。ダム計画を「ベスト案」とした上で、「大津市などの地元自治体や住民のダム推進の声は極めて大きい」などとして、見直しに消極姿勢を示し た。
整備局の宮武晃司河川調査官は、「ダムが必要だが緊急性は低い、整備計画には位置づける必要がないという、その理由を聞いていかねばならない」として共同意見の真意を今後府県に尋ねるとした。
整備局は、整備計画案を京都や滋賀など中上流でも戦後最大の洪水に対応できるメニューとしている。「やることを減らせば、(治水の)目標は下がってくる」と、治水安全度が低くなると課題を指摘した。
府県知事が上下流対立を乗り越えて地域主導の河川行政を示す姿勢を明らかにしたが、宮武調査官は治水や利水で上下流対立が繰り返されてきた歴史を指摘。「その都度、府県間を調整してきたのが国の役割」と、今後も引き続き国が流域の管理をする意欲を見せた。
これに対し、京都府の山田啓二知事は「整備局から意見を聞かれたから申し上げた。整備局はわれわれの意見を踏まえて計画をまとめてほしい」と主張。大阪府の橋下徹知事も「お金さえあれば淀川水系のことは近畿の府県で全部できる」と反発した。ダム見直し 計画ありきの姿勢を改めよ
金子一義国土交通相はダム事業の計画づくりの在り方を見直す考えを表明した。川辺川(熊本県)や大戸川(だいどがわ)(大津市)の両ダム建設予定地の知事らが、相次いで中止を求めたのを受けたものだ。
国交相は「手続きのどこに問題があるのか、財政負担の在り方も含め見直していく時期だ」と述べ、新ルールを考える必要があるとした。現実を直視し、反省の第一歩とするなら歓迎だ。
国が治水専用に計画する大戸川ダムについては先日、三重、滋賀、京都、大阪の四府県知事が共同で事実上の建設中止を求めた。一定の効果は認めつつ、優先度は高くないと判断した。
「脱ダム」を掲げる嘉田由紀子滋賀県知事、過度な財政負担を減らしたい橋下徹大阪府知事ら力点はそれぞれ異なる。しかしダム建設で上、下流の自治体が共同で反対を表明するのは初めて。思い切った行動を評価したい。
川辺川ダムについては蒲島郁夫熊本県知事が九月、「ダムによらない治水対策を追求すべきだ」として反対を表明した。民意重視の政治決断が四府県知事の背中を押したといえよう。
知事の意見に法的拘束力はないが、河川法では聴取を義務づけている。国はその趣旨を尊重し、各ダム計画を根本的に再検討すべきだ。
巨費を投じ、完成まで長年月を要するダム建設は大型公共事業のシンボルだ。その一方、投資効果が疑問視されることが多く、環境破壊の懸念も強い。それなのに、必要性に疑問や批判が出ても見直しには極めて消極的だ。「計画ありき」ともいえる国の姿勢はもう改める時期だ。
本県でも山鳥坂ダム(大洲市)の建設をめぐり、地元住民や漁協の反対が根強い。総事業費八百五十億円の約三割は県負担だ。県財政が危機的な中で、少なからぬ県民が疑念を抱くのは当然だろう。
金子国交相は見直しの結果を、川辺川、大戸川両ダムの建設問題に反映させるのは時間的に難しいとする。それでは意味がない。山鳥坂を含めて全国の懸案のダムすべてに反映させるべきだ。
気になるのは国交省の本気度だ。一九九七年の河川法改正で、河川の整備計画には流域住民の意見を幅広く反映させることにした。
しかし淀川水系では住民らが参加した流域委員会が大戸川など四ダムの見直しを求めたのに、国交省近畿地方整備局は無視して計画を進めた。山鳥坂ダムでは流域委への地元住民や漁業関係者の参加すらなく、日本弁護士連合会が是正を求めたほどだ。
河川法の趣旨を再度かみしめた上で、見直しが単なるポーズにならないよう真剣に取り組む必要がある。
河川、国道の大幅な地方移管を 知事会が分権提言案
全国知事会の地方分権推進特別委員会(委員長・山田啓二京都府知事)は18日、国の出先機関の抜本的な統廃合などを求める改革提言案をまとめた。1級河 川や国道の地方への移管に関し「移譲可能な範囲を大幅に広げるべきだ」と主張。複数の都道府県にまたがる河川なども移管対象にするよう求めた。
国土交通省は直轄国道の2割弱、1つの都道府県内で完結する1級河川のうち約4割の管理権限を都道府県に譲る方針を示している。知事会内では「その程度では地方整備局などの出先機関をほぼそのまま残すことになる」(幹部)との批判が出ていた。
各省の出先機関をブロックごとに統合する案が政府内で浮上していることには「強大な出先機関の創設は分権に逆行する」と反対する姿勢を示した。(18日 23:20)
保守記事.233-3 また、ハコモノ
保守記事.233-3-2 我田引鉄
保守記事.233-3-3 我田引鉄
保守記事.233-3-4 まず、計画ありき
保守記事.233-3-5 まず、計画ありき
保守記事.233-4 所詮、天下りのための団体
保守記事.233-6 天下り、しっぱい
保守記事.233-7 なんて失礼な!!
保守記事.233-8 天下り先、ください!
保守記事.233-9 面子のために、税金垂れ流し
保守記事.233-10 天下りのことしか考えないから
保守記事.233-11 税金で、何やってんだか
保守記事.233-12 造ったはいいが、活用は?
保守記事.233-13 全ては土建屋のために!!
保守記事.233-14 本当に、無駄の削減につながる?
保守記事.233-15 道路財源の一般化は?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます