僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

アトリビュート

2008-05-05 22:22:03 | 薀蓄

有名な「ボッティチェリ」の「ヴィーナス誕生」です。
アトリビュートとは、「属性」、「持ち物」という意味で、その持ち物で、持っている人物が誰だか判別できるわけです。禅僧は払子を、聖徳太子は杓を持っていますよね。
 この絵のなかで、西風の神「ゼフロス」とその妻「フローラ」は風を吹き出して、バラをまきちらしています。このバラの花こそヴィーナスの象徴、アトリビュートなのです。


この絵もボッティチェリの作品で、「受胎告知」です。大天使ガブリエルが聖霊によって赤ん坊を授かったとマリアに告げている所です。ガブリエルが持っているユリの花が純潔を意味する、マリア様のアトリビュートなのです。


三枚目の絵が「女の三世代」という題で、幼女、若い女性、老女の三世代を描いています。無邪気な幼子、自分に酔いしれる女性、死におびえる老女を通し、人の一生を表しています。この中のアトリビュートは、死神の持っている「砂時計」で、「死」や「時間」を象徴します。

カルピス

2008-05-05 19:24:34 | 薀蓄




 カルピスのパッケージには、水玉模様が描かれています。あれは水滴ではなく天の川をイメージしたものなのです。カルピスの生みの親は実業家の三島海雲。中国大陸に渡って様々な事業を試みていました。1902年、内モンゴル自治区ケシクテンを訪れた際、すっかり体調を崩してしまいました。土地の貴族鮑氏が、甕の中に蓄えていた白くすっぱい液体と発酵クリームを毎日ふるまってくれました。
 口にした海雲は胃腸がどんどん回復し食欲がわき、不眠症の持病まで改善されました。まるで不老長寿の霊薬のようだと感激した海雲は、それが発酵した酸乳だとしり、日本で商品化すべく努力しました。
 そして1919年の7月7日の七夕の日に発売されたのです。天の川のさわやかさをイメージしました。
 商品のネーミングは、英語のカルシウムの「カル」にサンスクリット語(梵語)の「サルピス」を組み合わせて「カルピス」としました。サルピスとは、五味の次位とされる熟酥という意味です。命名は作曲家の山田耕筰氏に相談し、一番語呂がいい言葉が選ばれました。